中国本土で広がる若者のチャンス 深圳・横琴で輝く台湾・マカオの物語 video poster
中国南部のグレーターベイエリアでは、台湾やマカオ出身の若者が、中国本土で起業や専門職に挑戦し、新しいキャリアとコミュニティを育てています。
国際ニュースとしても注目されるこの動きは、中国本土と台湾、マカオをまたぐ人的なつながりがどのように広がっているのかを映し出します。番組「MEET CHINA」第33回は、深圳や横琴などを舞台に、4人の若手・中堅プロフェッショナルの姿を追いました。
深圳のナイトマーケットで羽ばたく台湾出身起業家
大手インターネット企業で3年間働いた後、Zhou Boyanさんは2019年、南部の大都市・深圳でイベントとデザインを手がける会社を立ち上げました。活気あふれるナイトマーケットをはじめ、市内各地の空間づくりやイベント運営が主なフィールドです。
安定した会社員生活を離れた起業には、収入の不安定さや責任の重さなど、少なからずチャレンジがあります。それでも彼女は、自分のアイデアを形にできる自由さを大切にしながら、同じように中国本土で挑戦したい台湾出身の若者を支えてきました。
- 深圳で3年勤務した後に独立
- 2019年にイベント・デザイン会社を設立
- ナイトマーケットなど市民の場を舞台に活動
- 台湾出身の若者が中国本土で機会を見つけるのを支援
横琴で広がるマカオ文化 マカオ式ティーレストラン
横琴(Hengqin)の開発は、マカオ出身の若者に新たな起業のチャンスを生み出しています。Leong Ka Sengさんと友人のSio Ka Unさんは、ここにマカオ式のティーレストランをオープンしました。
ティーレストランはマカオの生活文化に欠かせない存在で、温かい雰囲気と地域コミュニティとの強い結びつきで知られています。家族から料理の技を受け継いだSioさんは、この文化的な体験を中国本土に届け、より多くの人にマカオの本場の味を楽しんでもらうことを目指しています。
- 横琴の開発がマカオ出身若者の起業を後押し
- マカオ文化を象徴するティーレストランを中国本土に展開
- 料理を通じて地域コミュニティの場をつくる試み
弁護士とインフルエンサー 二つの顔を持つZhang Yilingさん
Zhang Yilingさんには、対照的な二つの顔があります。一つは、ほとんど笑顔を見せない落ち着いた弁護士としての顔。もう一つは、カメラの前で明るく笑い、画面越しに語りかけるオンラインインフルエンサーとしての姿です。
彼女は約20年前、台湾から現代的な大都市・深圳へ移り住みました。それ以来、自身のキャリアと暮らしを豊かにすると同時に、中国のグレーターベイエリアで夢を追いたいと考える台湾出身の若者たちに影響を与えてきました。
法廷やオフィスでは冷静さと専門性を重んじる一方、オンラインでは等身大の言葉で、自らの経験や学びを発信。中国本土での生活や仕事に不安を抱える台湾出身の若者にとって、彼女の存在は「少し先を行くロールモデル」となりつつあります。
マカオ弁護士が行き来する二つの都市と広がるフィールド
マカオ出身の弁護士、Ao Sio Pengさんは、広東とマカオを頻繁に行き来しています。香港とマカオの弁護士が中国本土側の9都市でも業務を行えるようにする試行制度のおかげで、彼女は中国本土での仕事にほぼ無限ともいえる可能性を感じています。
マカオでの案件に加え、広東省の仏山や広州の法律案件にも関わり、より多くの住民のニーズに応えています。Aoさんは、自らの専門性を生かして地域に貢献しながら、マカオの若者にも中国本土でのチャンスに目を向けてほしいと願っています。
- 広東とマカオをまたぐクロスボーダーな働き方
- 試行制度により中国本土9都市での実務が可能に
- マカオと中国本土の住民双方に法律サービスを提供
グレーターベイエリアが映し出す「越境キャリア」の現在
深圳や横琴、広州、仏山など中国南部の都市がつながるグレーターベイエリアは、経済圏としてだけでなく、人の移動やキャリアのあり方という点でも注目されています。今回紹介した4人の姿からは、次のような共通点が見えてきます。
- 台湾やマカオで培った文化・専門性を中国本土で生かしている
- 単なる移動ではなく、地域コミュニティづくりに関わっている
- SNSや法律制度など、デジタルと制度の両面を活用している
中国本土でのキャリアや起業と聞くと、距離を感じる人も少なくないかもしれません。しかし、ZhouさんやLeongさん、Sioさん、Zhangさん、Aoさんのストーリーは、地域をまたぐ挑戦が「特別な誰か」だけのものではなくなりつつあることを示しています。
日本からニュースとして眺めるだけでなく、自分ならどんなスキルや文化的背景を持って別の地域とつながれるか──そんな問いを穏やかに投げかけてくれるのが、グレーターベイエリアで活躍する若者たちの姿なのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








