北京発・国際ニュース 第13回世界平和フォーラムが示した平和と発展
今年7月、北京で開催された第13回世界平和フォーラムで、中国と各国の専門家や元首脳が、グローバル化の時代に平和と発展をどう両立させるかを議論しました。国際ニュースとしても注目されたこの会議では、ゼロサムの発想を超え、協力と相互利益をどう実現するかが大きなテーマとなりました。
北京で第13回世界平和フォーラム開催
第13回世界平和フォーラムは、北京で水曜日から金曜日までの3日間、7月2日から4日にかけて開かれました。テーマは advancing global peace and prosperity: shared responsibility, benefit and achievement とされ、平和と繁栄をどのように分かち合うかが議論の中心となりました。
フォーラムには、中国本土と海外から参加者が集まり、平和の維持と発展の促進、そしてグローバル化がもたらす機会をどう生かすかについて、幅広い意見交換が行われました。主催は清華大学と中国人民外交学会です。
崔天凱氏「共通の安全保障と普遍的な安全を」
中国の元駐米大使である崔天凱氏は、国際社会は共通の安全保障と、すべての国にとっての普遍的な安全を追求すべきだと強調しました。
一部の国が、自国の利益を最大化するために他国の犠牲をいとわず、他者の安全を損なってまで自らの絶対的な安全を追い求めるゼロサムの考え方に固執すれば、かえって袋小路にはまり、進むべき道はどんどん狭くなると警告しました。
劉建超氏が語る「80年目」の視点
中国共産党中央委員会対外連絡部の劉建超部長は、昼食会での発言の中で、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年となる記念行事に触れました。人類の発展において80年という期間は大きな節目だと述べています。
劉氏は、1945年当時の人々は長期にわたる平和を願っていたが、80年後の今、伝統的な安全保障上の脅威が再び現れていると指摘しました。そのうえで、世界の人々が一堂に会し、真に平和を保証できる、有効で長期的なグローバル安全保障の枠組みをいかに構築するかを考える好機だと語りました。
関税戦争に「勝者はいない」
フォーラムでは、平和だけでなく開発や経済のあり方も議論されました。ベルギーの元首相であり、欧州連合理事会の元議長でもあるヘルマン・ファンロンパイ氏は、関税戦争の問題を取り上げました。
ファンロンパイ氏は、関税戦争は、とくに経済的合理性に基づいていない場合、相互信頼への打撃になると指摘しました。そのうえで、関税戦争には勝者はおらず、関税を課す側の国にとっても、世界経済全体にとっても利益にならないと述べました。
「勝ち負け」ではなく「互恵」をめざして
劉建超氏は、国際関係は協力と相互利益に基づくべきだと繰り返し強調しました。国際社会を「勝つ側」と「負ける側」に分ける発想ではなく、競争はあっても、相手を負かすこと自体を目的にすべきではないと述べました。
目指すべきは、他者を置き去りにすることではなく、自らがより速く前進し、より強くなることだとしています。中国は、自国のことをしっかり行い、自らの発展を通じて人々の生活を向上させ、すべての人により良い暮らしを提供することに力を注いでいると説明しました。
また、中国は米国を含む各国の人々にも同じような発展と幸福を望んでいると述べ、障壁を設けたり、妨害したり、責任を他者に転嫁したりすることは、双方にとって有害だと強調しました。
鳩山由紀夫氏「東アジアの第三の道」を提案
日本の元首相であり、日中友好の推進でも知られる鳩山由紀夫氏は、基調講演で東アジアの協力強化と、米国からの外交的な自立を訴えました。
鳩山氏は、内部分裂や相対的な経済力の低下に直面する米国は、従来のグローバルな指導的役割を維持することが難しくなっていると述べ、「アメリカは変わってしまい、元には戻れない」と指摘しました。そのうえで、関税戦争のような保護主義的な政策は、世界貿易と安定を損なうと警告しました。
鳩山氏が掲げたのは、米国追随か対立かという二択ではない、第三の道としての「東アジアの自律」です。その実現には、中国や韓国との緊密な連携が不可欠だとし、とくに日中韓の三国協力の加速を呼びかけました。
具体的には、日中韓首脳会談の早期開催と、地域的な包括的経済連携(RCEP)を土台とした、高い水準の三国自由貿易協定に向けた具体的な前進を求めました。また、日本は自らの侵略の歴史について深く反省すべきであり、その過去と十分に向き合えていないことを遺憾だと表明しました。
2025年の読者が押さえておきたい3つのポイント
今年は戦後80年という節目の年でもあり、北京での議論は、これからの国際秩序を考える素材を多く提供しています。newstomo.com の読者として押さえておきたいポイントを、あえて三つに絞ると次のようになります。
- 安全保障は一国の絶対的な安全ではなく、すべての国の共通の安全をどう確保するかという発想に立つ必要があること。
- 関税戦争のような対立的な経済政策は、相互信頼と世界経済にとってマイナスであり、長期的な発展につながりにくいこと。
- 東アジアの協力と歴史への真摯な向き合いが、地域の安定と自律的な外交を支える重要な柱になりうること。
ゼロサムではなく、共有された責任と利益、成果をどう築くか。第13回世界平和フォーラムで交わされた声は、これからの国際ニュースを読み解くうえで、一つの「ものさし」として心に留めておく価値がありそうです。
Reference(s):
Beijing forum urges global cooperation for peace, development
cgtn.com








