UAE高官が語るBRICSとグローバル・サウスの未来 video poster
アラブ首長国連邦(UAE)の経済・貿易担当次官補サイード・ムバラク・アル・ハジェリ氏は、中国の国際ニュースチャンネルCGTNのインタビューで「グローバル・サウスは将来の経済成長の担い手であり、BRICSはその声を世界に届けるプラットフォームだ」と語りました。2025年現在、世界経済の重心がどこに向かいつつあるのかを考えるうえで、示唆に富む発言です。
UAE高官が語る「グローバル・サウスの時代」
アル・ハジェリ氏はインタビューで、グローバル・サウスが世界経済の成長の未来を担うと位置づけました。グローバル・サウスとは、一般にアジア、アフリカ、中南米などを中心とする新興国・途上国を指す言葉で、人口増加や都市化、デジタル化を背景に、近年は世界の成長をけん引する存在として注目されています。
同氏の発言は、これらの国や地域が単なる「成長市場」ではなく、自らの優先課題や価値観を国際社会に発信する主体であるべきだ、という視点を示していると言えます。
BRICSメカニズムとは何か
アル・ハジェリ氏が言及したBRICS(ブリックス)メカニズムは、新興経済国を中心とした協力の枠組みです。参加国同士が、経済、貿易、投資、インフラ開発などの分野で連携を強めることで、自国だけでは届きにくい声を国際社会に届けようとする試みでもあります。
従来、国際経済や安全保障の議論は、先進国が集まる枠組みによって主導されてきました。BRICSは、そうした構図の中で、新興国がまとまって発言力を高めるための「もう一つのテーブル」として機能しつつあります。
「声を世界に届けるプラットフォーム」という意味
アル・ハジェリ氏は、BRICSがグローバル・サウスの「声」を増幅させる役割を持つと評価しました。その背景には、次のような問題意識があると考えられます。
- 気候変動やエネルギー転換の負担を、どのように公平に分担するのか
- インフラやデジタル技術への投資を、誰がどの条件で支えるのか
- 国際金融システムや貿易ルールが、新興国のニーズを十分に反映しているか
こうしたテーマは、グローバル・サウスにとって生活や発展に直結する重要な課題ですが、従来は十分に届いていないと感じる国も少なくありません。複数の新興国がBRICSという枠組みを通じて共通の立場や提案をまとめていくことは、「一国では届きにくかった声」を可視化する試みと見ることができます。
グローバル・サウス台頭が日本とアジアに示すもの
2025年の世界経済を眺めると、成長の多くはグローバル・サウスに位置する国や地域から生まれています。UAEの高官による今回の発言は、日本やアジアの読者にとって、次のような問いを投げかけています。
- エネルギーや資源、食料などの供給網(サプライチェーン)は、グローバル・サウスとの関係なしに成り立つのか
- デジタル技術やスタートアップの新興拠点は、どこから次々に生まれているのか
- 国際ルール作りの場で、グローバル・サウスの意見をどうすればより丁寧に汲み取れるのか
日本にとっても、グローバル・サウスやBRICSの動きは、単なる「遠い国の話」ではありません。貿易、投資、気候変動対策、デジタル経済など、日常生活やビジネスに直結するテーマと深く結びついています。
これから注目したいポイント
アル・ハジェリ氏の発言を手がかりに、今後しばらく注目しておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- BRICSの会合や共同声明で、グローバル・サウスの課題がどのように取り上げられるか
- UAEを含む中東諸国が、グローバル・サウスとどのような連携を深めていくのか
- 既存の国際機関とBRICSのような枠組みが、競合ではなく補完的に機能できるか
グローバル・サウスを「未来の成長の中心」と見る視点は、世界経済の地図を書き換える考え方でもあります。UAEの高官による短い一言は、2025年を生きる私たちに、世界をどこから眺め直すかという静かな問いを投げかけているのかもしれません。
Reference(s):
UAE minister: BRICS mechanism amplifies voice of Global South
cgtn.com








