中国のCPIが5か月ぶりプラスに PPIはマイナス拡大の背景は?
中国の物価動向を示す最新データで、2025年6月の消費者物価指数(CPI)が5か月ぶりにプラスに転じました。一方で、生産者物価指数(PPI)はマイナス幅が拡大しており、中国経済の足元を読むうえで重要な局面となっています。
6月のCPI:0.1%上昇、5か月ぶりのプラス転換
中国国家統計局(NBS)が火曜日に発表したデータによると、2025年6月のCPIは前年同月比で0.1%上昇しました。5月まで続いていたマイナスからプラスに転じた形で、5か月ぶりの上昇となります。
前月比では0.1%下落しましたが、下落幅はやや縮小しました。食料品やエネルギーといった価格変動の大きい品目を除いたコアCPIは前年同月比0.7%上昇と、過去14か月で最も高い伸びとなっています。
物価を押し上げたのは工業消費財
NBS都市部統計を担当する主席統計官のドン・リジュアン氏は、CPIのマイナスからプラスへの転換は主に工業消費財の価格の持ち直しによるものだと説明しています。
工業消費財の価格は前年同月比で0.5%下落と、5月の1.0%下落からマイナス幅が縮小しました。この変化により、全体のCPIを押し下げる度合いが約0.18ポイント分、弱まったとされています。
工業消費財とは、家電や自動車、日用品など、日常的に消費される工業製品を指します。こうした品目の価格下落が一時期続いていたところから、下げ止まりの兆しが見え始めたといえます。
内需刺激策の「初期効果」という見方も
中国当局は、ここ最近、内需拡大や消費喚起に力を入れてきました。今回のCPIプラス転換は、そうした政策の初期的な効果が一部で表れ始めたサインと見ることもできます。
ただし、CPI上昇率は0.1%とごく小幅であり、「明確なインフレ局面」に入ったとは言い切れません。物価の動きが一時的なものか、継続的なトレンドにつながるのかは、今後数か月のデータを見て判断する必要があります。
PPIは3.6%下落:工場出荷価格にはなお下押し圧力
一方、生産者物価指数(PPI)は、工場出荷時点の価格動向を示す指標です。6月のPPIは前年同月比で3.6%下落し、5月の3.3%下落からマイナス幅が拡大しました。
前月比では0.4%の下落と、5月から下落率は変わっていません。全体としては、上流の生産段階では依然としてデフレ(持続的な物価下落)圧力が残っている状態です。
一部セクターでは価格が反転・安定
ドン氏によると、PPI全体としては下押し圧力が続く一方で、一部の分野では価格が安定または反発の動きを見せています。
- ガソリン価格:前月比0.5%上昇(前年同月比の下落幅は縮小)
- 電気自動車(EV):前月比0.3%上昇(こちらも前年同月比のマイナス幅が縮小)
また、次のようなハイテク関連分野では、前年同月比で価格が上昇したとされています。
- 集積回路(IC)のパッケージング・テスト
- ウェアラブル端末などのスマートデバイス
- マイクロ波通信機器
- 航空宇宙機器
- サーバーなど情報インフラ関連機器
先端製造業やデジタル関連分野で価格が上がっていることは、付加価値の高い分野に需要が集まりやすい流れをうかがわせます。
中国のCPIとPPIから読み取れる3つのポイント
今回の物価統計から、日本を含む世界の読者が押さえておきたいポイントを3つに整理します。
- 1. デフレリスクの「和らぎ」と「継続」が同時に存在
消費者物価(CPI)はプラスに転じ、デフレ懸念はやや和らいだ一方、生産者物価(PPI)はマイナス幅が拡大しており、上流では価格下押しが続いています。 - 2. 内需とハイテク分野の動きに注目
工業消費財の価格下落が和らぎ、ハイテク分野では価格上昇が見られます。これは、政策による内需刺激や先端分野への投資の影響を考えるうえで重要なヒントとなります。 - 3. 日本や世界経済への波及の可能性
中国の物価動向は、輸出入価格や企業収益、サプライチェーンを通じて日本や他の地域にも影響し得ます。特にエネルギー・自動車・電子部品といった分野では、価格変動が国際的なコスト構造に波及する可能性があります。
日本の読者にとっての「使える視点」
中国のCPIやPPIといった指標は、一見すると遠い国の数字のように感じられるかもしれません。しかし、グローバル経済が密接につながる今、日本の家計や企業活動とも無関係ではありません。
- 輸入品価格を通じて、生活に身近な商品の値段に影響する可能性
- 中国ビジネスを展開する企業の業績や投資計画に影響する可能性
- 世界全体の金利や金融環境を考える際の重要な材料
ニュースをフォローする際には、「中国のCPI・PPIは、世界の物価と景気の温度計の一つ」と意識しておくと、経済ニュース全体の見え方が少しクリアになるはずです。
SNSでシェアするなら、こんな切り口も
この記事をSNSでシェアする際、次のような視点を添えてみると、周囲との議論が深まりやすくなります。
- 「中国のCPIはプラス、PPIはマイナス拡大。このギャップをどう見るか?」
- 「ガソリンやEV、ハイテク分野の価格が動き始めている」
- 「中国の物価動向が、日本の物価や給料、投資にどうつながるかを考えてみたい」
ハッシュタグとしては、例えば、#中国経済 #国際ニュース #CPI #PPI などを組み合わせると、同じテーマに関心を持つ人とつながりやすくなります。
Reference(s):
cgtn.com








