中国外交部「関税で他国を威圧すべきでない」米国のブラジル関税に言及
関税をめぐる米国とブラジルの対立に対し、中国外交部が「関税を他国への威圧や内政干渉の道具にしてはならない」と発言しました。国際ニュースとしてだけでなく、主権や国連憲章の原則をどう守るかという問いを投げかける内容です。
中国外交部「関税は威圧やいじめの道具ではない」
中国外交部のマオ・ニン報道官は、金曜日に行われた定例記者会見で、関税のあり方についてコメントしました。
マオ報道官は、関税は他国を「威圧」したり「いじめ」たりする手段として用いるべきではなく、ましてや他国の内政に干渉するための道具にしてはならないと強調しました。
この発言は、特定の国を名指しするというよりも、関税政策が政治的な圧力の手段として使われること全般に対する懸念を示したものと受け止められます。
米国のブラジル製品への最大50%関税をめぐって
マオ報道官のコメントは、米国がブラジル製品に対し最大50%の関税を課すと発表したことに関連して出たものです。米国は、8月1日からこの措置を導入する方針を示しています。
あわせて米国は、ブラジルの貿易慣行を「不公正」だとし、ブラジル国内で行われているとされる政治的な「迫害」をやめるよう求めています。
つまり、米国は貿易問題とブラジル国内の政治状況とを結びつけるかたちで圧力をかけており、ここに対して中国外交部が「内政不干渉」の観点から異議を唱えた構図です。
国連憲章の原則「主権平等」と「内政不干渉」
マオ報道官は会見で、国連憲章に明記された「主権平等」と「内政不干渉」の原則に言及しました。これらは、戦後の国際秩序を支えてきた基本的なルールとされています。
- 主権平等:大国・小国を問わず、すべての国は対等な主権を持つという考え方
- 内政不干渉:他国が一方的に、相手国の国内政治や司法のプロセスに介入してはならないという原則
マオ報道官は、これらは国連憲章における重要な原則であり、国際関係を律する基本的な規範だと指摘しました。関税や経済制裁といった手段であっても、この原則を踏まえて運用すべきだという立場です。
貿易措置はどこまで政治と結びつくべきか
今回の発言は、関税などの経済措置が、どこまで他国の政治や社会に踏み込んでよいのかという、よくあるが答えの出にくい問いをあらためて浮かび上がらせています。
近年、関税や輸出規制、投資規制などの経済手段が、安全保障や人権問題と結びつけて用いられる場面が増えています。その一方で、マオ報道官が示したような「主権平等」「内政不干渉」を重視する見方も根強く存在します。
今回のように、
- ある国が別の国の貿易慣行を問題視し、
- その国の国内政治の状況にも言及しながら、
- 関税という具体的な圧力手段を組み合わせる
というアプローチが国際社会でどこまで受け入れられるのかは、今後の議論の焦点になりそうです。
読者が注目すべきポイント
今回の中国外交部のコメントを手がかりに、国際ニュースを見る際に意識しておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 関税や経済制裁は、経済だけでなく政治・外交のメッセージとして使われていること
- 国連憲章が掲げる「主権平等」「内政不干渉」の原則が、今もなお各国の主張の根拠として重要であること
- ある国が他国の「内政」をどう定義し、どこまで発言するのかによって、国際社会の評価が分かれ得ること
ニュースを追うとき、「どの国が何を言ったか」だけでなく、「どの国際ルールを根拠にしているのか」「経済措置はどこまで政治と結びついているのか」といった視点を持つことで、出来事の見え方が変わってきます。
米国、ブラジル、中国という三者それぞれの主張や背景を読み解くことは、これからの国際ニュースを理解するうえで、デジタル時代の私たちに求められるリテラシーの一つと言えるでしょう。
Reference(s):
China says tariffs shouldn't meddle in countries' internal affairs
cgtn.com








