BRICS新開発銀行NDB、金融秩序を変えるコアエンジンに 中国研究者が展望 video poster
BRICS諸国が設立した新開発銀行(New Development Bank、NDB)が、グローバルサウスの発展と世界の金融秩序にどのような変化をもたらそうとしているのか、2025年の国際ニュースの中でも注目が集まっています。中国・復旦大学の研究者は、NDBが今後「金融秩序を変えるコアエンジン」になり得ると指摘しました。
この記事のポイント
- NDBは過去10年で、グローバルサウスの発展と近代化を支える戦略的な存在になってきたと評価されている
- これからの10年は、NDBにとって「第二の黄金の10年」と位置づけられている
- NDBは、高品質な発展を掲げつつ、世界の金融秩序を再構築するコアエンジンとして期待されている
グローバルサウスの「戦略的推進役」としてのNDB
復旦大学BRICS研究センター副主任の姜天嬌(Jiang Tianjiao)氏は、CGTNのLily Lyu氏とのインタビューで、過去10年にわたりNDBがグローバルサウスの発展と近代化を支える「力強く戦略的な推進役」として存在感を高めてきたと語りました。
グローバルサウスとは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど、これまで国際金融の場で十分に発言力を持てなかった国や地域を指す言葉として使われます。姜氏の評価は、そうした国々にとってNDBが、インフラ整備や産業の高度化を進める上で欠かせない選択肢になりつつあるという見方を示しています。
金融秩序を変える「コアエンジン」とは何か
姜氏はさらに、NDBが今後、世界の金融秩序を再構築する「コアエンジン」として台頭していくと強調しました。この表現には、国際金融の重心が一極集中ではなく、多極化していく可能性が込められています。
従来、国際社会で大規模な開発資金を動かしてきたのは、限られた数の国際機関や先進国の金融システムでした。そこに、グローバルサウスの視点を前面に掲げるNDBのようなプレーヤーが加わることで、
- 資金調達の選択肢が増え、交渉力のバランスが変わる
- プロジェクト評価の物差しに、多様な価値観が入り込む
- 金融のルールづくりに、新興国の声が反映されやすくなる
といった変化が起こり得ます。姜氏の言う「コアエンジン」とは、単に資金を貸し出す機関というだけでなく、こうしたルールや価値観の転換を押し出す役割を指していると考えられます。
第二の黄金の10年と「高品質な発展」
姜氏は、NDBがこれから「第二の黄金の10年」に入ると表現しました。過去10年で基盤を築き、次の10年では質の面での飛躍を目指すというメッセージです。
ここで鍵になるのが「高品質な発展」というキーワードです。単に融資を増やすのではなく、
- 環境や社会への影響を意識した持続可能なプロジェクト
- デジタル化など新しい技術を取り込んだ近代化
- 借り手の国にとって財政的に無理のない枠組み
といった点が重視される方向性を示していると解釈できます。量から質へ、という転換が、NDBの「第二の黄金の10年」を特徴づけるテーマになるかもしれません。
日本とアジアの読者にとっての意味
日本やアジアのビジネスパーソンにとって、NDBやBRICSの動きは、次のような問いにつながります。
- インフラやエネルギー、デジタル分野などで、新たなビジネス機会はどこに生まれるのか
- 資金の流れや通貨の使われ方は、今後どのように変化していくのか
- 国際金融や経済協力のルールづくりで、どの地域の声が強まっていくのか
こうした視点を持ってニュースを追うことで、グローバルサウスの動きや国際金融の再編を、単なる遠い出来事ではなく、自分の仕事や生活とつながる変化として捉えやすくなります。
考えるための視点
今回の姜氏の発言は、NDBの過去10年を総括しつつ、これからの10年をどう描くのかというビジョンを示したものです。同時に、世界の金融秩序が固定されたものではなく、グローバルサウスを含む多様な主体によって形づくられていく途中経過にあることも浮き彫りにしています。
国際ニュースを日本語で追う私たちにできるのは、NDBやBRICSの動きを「どちらが勝つか」という単純な構図で見るのではなく、多極化する世界の中で、どのようなルールと価値観が望ましいのかを考え続けることだと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com







