トランプ氏「解放の日」関税再延期と追加関税への不安 video poster
2025年4月に発表されたトランプ米大統領の「解放の日」関税は、発動が8月1日まで再延期されましたが、その裏で米国は別の追加関税も準備しているとされ、世界の主要な貿易相手国・地域に不安が広がっています。
「解放の日」関税とは
中国の国際メディアCGTNのジョン・ギルモア記者によると、トランプ米大統領は2025年4月、いわゆる「解放の日」関税と呼ばれる新たな関税措置を打ち出しました。一度は発動時期が決まっていたものの、その後の見直しで、発動は8月1日まで再び延期されることになりました。
名称からも分かるように、この関税には米国経済を「解放」するという強いメッセージが込められていると受け止められ、国内外で大きな注目を集めてきました。
別枠の追加関税が「待機中」
ギルモア記者は、世間の注目が「解放の日」関税に集まる一方で、米国はそれとは別の関税措置をいつでも発動できる状態にあるとも伝えています。こうした「予備」の追加関税が存在することで、主要な貿易相手国・地域の警戒感は一段と高まっています。
関税は、実際に発動されなくても、「いつ発動されるか分からない」という状況自体が、企業の意思決定や市場の心理に影響を与えます。今回の動きも、そうした「不確実性の高まり」の一例といえます。
主要貿易相手が懸念するポイント
関税をめぐる動きは、単に米国と個々の相手国の問題にとどまらず、世界の供給網(サプライチェーン)全体に影響を与えます。各国・地域が懸念するポイントは、おおまかに次のように整理できます。
- 貿易コストの上昇で企業収益が圧迫される可能性
- 報復関税の応酬による貿易量の減少
- 政策の先行きが読めず、投資や雇用の判断が難しくなること
特に、複数の国や地域にまたがる生産ネットワークに依存している企業ほど、小さな関税変更でも影響を受けやすい構造になっています。
延期が示す「揺れる通商戦略」
関税の発動をあえて先送りしつつ、別の関税カードを用意しておくという動きは、通商政策を交渉の道具としてフルに活用しようとする姿勢の表れとも受け取れます。
一般に、こうした戦略の背景には、国内産業への配慮や政治日程、相手国との交渉状況など、複数の要因が絡み合うと考えられます。発動を延期することで余地を残しつつ、別の関税を「いつでも使えるカード」として維持することで、交渉の余力を高める狙いも読み取れます。
日本とアジア経済への含意
日本を含むアジアの輸出依存度が高い国や地域にとって、米国の関税政策は引き続き重要なリスク要因です。一般論として、米国が関税を引き上げれば、自動車、電子機器、日用品など、米国向けの幅広い輸出品目が影響を受ける可能性があります。
中国本土をはじめとするアジアの生産拠点と日本企業は緊密に結びついているため、一部の品目に対する関税であっても、域内全体で波及効果が生じやすい構造になっています。今回の「解放の日」関税や別枠の追加関税をめぐる動きも、日本企業にとってはサプライチェーンの再点検を迫るシグナルとなりえます。
ニュースをどう読み解くか
関税や制裁をめぐるニュースは、強い言葉や派手な表現が目立つ一方で、実際に何が決まり、何がまだ「検討段階」なのかが分かりにくいことも多い分野です。情報があふれる中で、次のようなポイントを押さえてニュースを追うことが役に立ちます。
- いつ、どの段階の発表なのか(提案、署名、発動)のタイミングを見る
- 対象となる品目や額が明示されているかどうかを確認する
- 相手国・地域や企業側の具体的な反応を継続的に追う
2025年12月のいまも、米国の関税政策は世界経済の不確実性を高める要因であり続けています。「解放の日」関税の動向と、それとは別に準備されているとされる追加関税の行方を注視しつつ、自分なりの視点で国際ニュースを読み解いていくことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








