中国のGDP、2025年上半期は5.3%増 工業生産と所得から読み解く中国経済
中国の2025年上半期のGDP(国内総生産)が前年同期比5.3%増と公表されました。工業生産の着実な伸びと、都市・農村それぞれの所得の動きから、中国経済の現在地を整理します。
一目で分かるポイント
- 2025年上半期の中国GDPは前年同期比5.3%増
- 名目額は約66.05兆元(約9.24兆米ドル)
- 工業生産は1〜6月で前年比6.4%増
- 一人当たり可処分所得は2万1,840元に増加
- 農村住民の実質所得伸び率(6.2%)が都市部(4.7%)を上回る
GDPは66.05兆元、5.3%成長
中国国家統計局が公表したデータによると、2025年上半期の中国のGDPは約66.05兆元に達し、前年同期比で5.3%の成長となりました。米ドル換算では約9.24兆ドルに相当し、中国経済の規模の大きさをあらためて示す数字です。
5%台前半という成長率は、急成長期の二桁成長と比べれば落ち着いた水準ですが、依然として力強い拡大ペースと言えます。特に製造業や工業生産の動きは、今後の景気の方向性を占う上で重要な指標となります。
工業生産6.4%増 製造業の底堅さ
2025年1〜6月の工業生産は、前年同期比6.4%増となりました。GDP成長率(5.3%)を上回る伸びであり、製造業や生産活動が全体の成長をけん引している構図がうかがえます。
工業生産の拡大は、次のような意味を持ちます。
- 工場の稼働や輸出向け生産が維持・拡大している可能性
- 設備投資や雇用に一定のプラス効果をもたらす余地
- 関連するサービス産業(物流やビジネスサービスなど)への波及
中国経済は過去から製造業の比重が高いだけに、この6.4%という数字は、世界のサプライチェーンや貿易にも影響を与えうるポイントとして注目されます。
一人当たり可処分所得2万1,840元 物価調整後も5%超の伸び
個人の懐具合を示す一人当たり可処分所得は、2025年上半期に2万1,840元となりました。これは名目で5.3%増、物価変動を考慮した実質ベースでは5.4%増となっています。
物価上昇の影響を差し引いた実質所得が5%台で伸びていることは、家計の購買力が全体としては増えていることを意味します。消費は経済成長の重要な柱であり、この数字は今後の国内消費やサービス需要を考える上で基礎となるデータです。
農村の所得伸びが都市部を上回る意味
今回のデータで特徴的なのが、農村と都市での所得伸び率の違いです。
- 農村住民の実質所得:前年同期比6.2%増
- 都市部住民の実質所得:前年同期比4.7%増
農村の所得伸びが都市部を上回っている点は、いくつかの示唆を与えます。
- 農村地域への投資や雇用機会が一定程度広がっている可能性
- 長年課題とされてきた都市・農村間の所得格差が、少しずつではあれ縮小に向かう余地
- 農村市場での消費拡大が、今後の国内需要の新たな源泉となる展開
もちろん、絶対額としては都市部の所得水準がなお高いと考えられますが、成長率の差が続くかどうかは、中国経済の構造変化を見ていく上で一つの注目ポイントです。
数字から読み取れる中国経済の現在地
今回の2025年上半期の統計を整理すると、次のような姿が浮かび上がります。
- 全体としては5%台前半の安定した成長
- 工業生産の伸びがGDPを上回り、生産活動が成長をけん引
- 家計の実質所得も5%超で増加し、消費の下支え要因に
- 農村の所得伸びが都市部を上回り、地域バランスの変化を示唆
このような構図は、中国経済が単なる高成長から、より持続性やバランスを重視した局面にあることを感じさせます。数字そのものだけでなく、「どの分野が伸びているのか」「誰の所得がどの程度増えているのか」に目を向けることが重要です。
日本や世界の読者にとっての問い
日本や世界の読者にとって、今回の中国の統計は次のような問いを投げかけています。
- 5.3%という成長率を、高いと見るか、落ち着いた水準と見るか
- 工業生産の拡大が、サプライチェーンや貿易にどう影響していくのか
- 農村の所得伸びが続いた場合、中国国内の消費構造はどう変わっていくのか
同じ数字でも、どこに注目するかによって読み方は変わってきます。中国のGDPや所得データを、日本やアジアの経済ニュースとしてどう位置づけるかは、私たち自身の視点の持ち方にも関わるテーマです。
2025年も終盤に入りつつあるなかで、今年前半の中国経済の動きをあらためて振り返ることは、これからのアジア経済や自分自身のキャリア・投資の見方を整理するヒントにもなりそうです。
Reference(s):
Chart of the Day: China's GDP expands 5.3% year on year in H1 2025
cgtn.com








