中国本土の住宅価格下落が鈍化 政策支援で市場心理に変化
中国本土の住宅価格が下落を続ける一方で、そのペースが徐々に鈍化していることが、中国国家統計局(NBS)が公表した2025年6月のデータから分かりました。背景には、一連の政策支援による市場心理の改善があります。
中国本土70都市で下落幅が縮小
今回の統計は、中国本土の大・中都市70都市を対象とした商業用住宅(分譲マンションなど)の価格動向をまとめたものです。前年比では依然としてマイナスとなったものの、下落幅は前月と比べて縮小し、「緩やかな改善」が続いていると読み取れます。
一線都市では1.4%下落 それでも「マイナス幅縮小」
北京、上海、広州、深圳のいわゆる一線都市では、新築住宅価格が前年同月比で1.4%下落しました。ただし、この下落率は5月から0.3ポイント改善しており、価格の落ち込みにブレーキがかかりつつある状況です。
一線都市は中国本土の不動産市場をけん引する存在であり、ここで下落ペースが鈍化していることは、全国的な市場安定への期待につながります。
政策パッケージが市場心理を押し上げ
浙江工業大学の余肖芬・中国住宅・不動産研究院長は、「包括的な政策パッケージの継続的な展開が、市場に関わるすべての主体の信頼感を大きく高めている」と指摘します。
ここでいう政策パッケージには、住宅市場の安定を目的とした多様な支援策が含まれます。価格が急激に下がることを防ぎつつ、実需を支えることで、売り手・買い手・金融機関それぞれの不安を和らげる狙いがあるとみられます。
日本の読者にとっての意味合い
中国本土の住宅価格動向は、中国経済の足元の強さだけでなく、周辺国や世界経済にも影響を与えます。価格下落の「鈍化」は、
- 不動産市場の調整が急激な崩れ込みではなく、管理されたペースで進んでいる可能性
- 政策当局が市場の安定を重視していること
- 住宅価格の動きが、家計消費や企業投資、金融システムの安定にどう波及するか
などを示唆します。
これから注視したいポイント
2025年も年末に向かうなかで、今後の注目点としては次のようなものがあります。
- 一線都市以外の地方都市でも、下落幅の縮小が続くかどうか
- 政策支援が長期的な需要の回復につながるか、それとも一時的な下支えにとどまるか
- 住宅価格の動きが、家計消費や企業投資、金融システムの安定にどう波及するか
中国本土の不動産市場は、今後もアジアや世界経済を読み解くうえで欠かせない指標です。住宅価格の変化だけでなく、その背後にある政策運営や市場心理の変化にも注目していく必要があります。
Reference(s):
China's home price decline continues to ease amid policy support
cgtn.com







