国際ニュース:中国副首相が語るグローバルサプライチェーンのWin-Win戦略
グローバルなサプライチェーンの安定と再構築が課題となる中、中国の何立峰(He Lifeng)副首相が「分業と協力」「開放と包摂」を掲げ、世界とWin-Winの関係を築く方針を示しました。
北京で開幕した「第3回中国国際サプライチェーン博覧会」
水曜日に北京で開幕した第3回中国国際サプライチェーン博覧会の開会式で、何立峰副首相は演説を行いました。何氏は中国副首相であると同時に、中国共産党中央政治局委員も務めています。
演説の中で何氏は、中国が今後も次の原則を堅持すると強調しました。
- 国や地域ごとの強みを生かす「分業と協力」
- 市場を開き、さまざまな参加を受け入れる「開放と包摂」
そのうえで、中国はグローバルな産業チェーン(生産ネットワーク)とサプライチェーン(供給網)において、互いに利益を分かち合う「互恵・Win-Win」の推進役を担うと述べました。
「中国はグローバルサプライチェーンの重要な一部」
何副首相は、中国が世界の産業チェーンとサプライチェーンの中で「重要な一員」であると位置づけました。これまで、中国はグローバルな供給網の安定運営を実務面で支えてきたとし、そのことが以下のような効果を生んでいると述べています。
- 各国・各地域との産業・サプライチェーン協力の一層の深化
- 世界経済の回復を後押しする役割
グローバルな産業チェーンとは、原材料の調達から生産、物流、販売に至るまで、多くの国や地域が分業しながらつながる仕組みです。サプライチェーンの混乱は、製品不足や物価高騰などとして、私たちの日常生活にも直接影響します。
そうした中で、自らを「安定の供給拠点」と位置づける中国のメッセージは、世界経済の不透明感が続く2025年現在、国際ニュースとしても注目度が高いテーマだと言えます。
デジタル・知能化・グリーン化へ「3つの変革」
何副首相は、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの「デジタル化」「知能化」「グリーン化」を進めていく方針にも言及しました。これは、サプライチェーンの質を高めるための3つの方向性と見ることができます。
1. デジタル化:見える化とスピードの向上
デジタル化とは、受発注や在庫、輸送状況などの情報をデジタルデータとしてリアルタイムで共有し、サプライチェーン全体を「見える化」する動きです。これにより、需要の変化への素早い対応や、ムダの削減が期待されます。
2. 知能化:データを生かした最適化
知能化は、人工知能(AI)や高度な分析を用いて、生産計画や物流ルートなどを自動で最適化していくことを指します。データに基づく意思決定が進めば、コストやリスクを抑えながら、安定供給を維持しやすくなります。
3. グリーン化:環境負荷を減らすサプライチェーン
グリーン化は、温室効果ガスの排出削減や省エネルギー、再生可能エネルギーの活用など、環境への負荷を小さくする取り組みです。サプライチェーン全体で環境配慮が進むことは、気候変動対策と経済活動を両立させるうえで重要な鍵になります。
日本やアジアの企業にとっての意味合い
中国がグローバルな産業チェーンとサプライチェーンでの役割を強調し、そのデジタル化・知能化・グリーン化を掲げたことは、日本を含むアジアの企業にも少なからず影響を与えます。
- 生産や調達で中国と深く結びつく企業にとって、協力の可能性が広がる
- サプライチェーンのデジタル化や環境対応を加速させるきっかけになり得る
- 世界経済の回復を見据えた中長期の戦略を考える材料となる
特に、日本企業が自社のサプライチェーン改革を進める際、中国を含むアジアのネットワークをどう位置づけるかは、今後ますます重要になりそうです。
「Win-Win」をどう実現するかが次の焦点に
今回の発言からは、中国がグローバルな産業チェーンとサプライチェーンにおいて、安定供給の拠点であり続けるとともに、デジタル・グリーン分野でも役割を高めようとしている姿勢がうかがえます。
一方で、「Win-Win」の関係を現実のビジネスや協力プロジェクトとしてどう形にしていくかは、各国・各地域、そして企業ごとの具体的な取り組みにかかっています。
サプライチェーンの再構築が続く中で、中国の動きと各国の対応がどのようにかみ合っていくのか。2025年の世界経済を読み解くうえで、引き続き注目したいテーマです。
Reference(s):
China seeks win-win global industrial, supply chain ties: vice premier
cgtn.com








