MEET CHINA第41回:環境都市からロボット、ハルビン再生、昆曲まで video poster
環境都市づくりからロボット開発、工業都市ハルビンの再生、600年の伝統芸能・昆曲の世界進出まで。中国の多様な「いま」を切り取った国際番組「MEET CHINA」第41回の内容を、日本語でコンパクトにまとめます。
4つの物語をつなぐ「MEET CHINA」第41回
「MEET CHINA」は、中国各地の現場から社会や産業、文化の変化を伝えるシリーズです。第41回エピソードでは、次の4つのテーマを通じて、中国のグローバルな関わりとその背景にある人々の物語を描いています。
- 重慶市・璧山区が取り組む「スポンジシティ」型の環境都市づくり
- 杭州拠点のUnitree Roboticsによる最先端ロボット技術
- かつて「ものづくりの中枢」と呼ばれたハルビンのポスト工業転換
- 600年の歴史を持つ昆曲「白蛇伝」の世界ツアーと国際的評価
重慶・璧山区のスポンジシティ:雨水と共生する街
最初の舞台は、重慶市の璧山区です。ここでは、都市の排水システムを根本から見直す「スポンジシティ」の発想が導入されています。スポンジシティとは、その名の通り、都市全体がスポンジのように雨水を吸収し、ため込み、ゆっくり放出する仕組みを持つ街づくりの考え方です。
璧山区では、例えば次のような工夫が紹介されています。
- 地面に敷かれた透水性レンガによって、地面そのものが「呼吸」できるようにする
- 雨水を一時的にためる「レインガーデン(雨庭)」を自然の貯水池として活用する
- 学校の屋上を緑化し、小さなオアシスのような空間に変える
こうした取り組みにより、都市型の洪水リスクを抑えつつ、街の微気候も改善されたとされています。環境負荷を減らしながら住み心地を高めるエコロジカルな都市モデルとして、注目に値する事例です。
杭州発・Unitree Robotics:高速映像が捉えたロボット進化
次に紹介されるのは、杭州に拠点を置くロボット企業、Unitree Roboticsです。番組では、高速撮影によって記録された映像を通じて、ロボットが複雑な自然環境の中で動作する様子が、これまでにない迫力で映し出されています。
Unitree Roboticsは、約7年の間に、四足歩行ロボットから高度なヒューマノイド(人型)システムへと進化を遂げてきたとされています。この加速する技術発展は、ロボット産業に対する従来の期待を塗り替えつつあります。
- 四足ロボットで培ったバランス制御や機動性
- 人型ロボットへとつながる設計・制御技術の蓄積
- 自然環境下での動作を可能にする堅牢なハードウェアとソフトウェア
高速撮影によって、人間の肉眼では追いきれない細かな動きが可視化されることで、技術の完成度や課題もより立体的に浮かび上がります。ロボット工学と映像技術の組み合わせが、新たな産業イメージを生み出している点も印象的です。
東北の工業都市ハルビン:フロストベルトの再生物語
3つ目の舞台は、中国東北部の工業都市・ハルビンです。かつてハルビンは、国内有数の製造業の拠点として知られ、「北東部の産業の柱」とも表現されてきました。しかし、ポスト工業化の流れの中で、重工業中心のモデルからの転換が求められています。
番組が描くのは、厳しい寒さの「フロストベルト(寒冷地)」に位置するこの都市と、そこで生きる人々の粘り強い挑戦です。約10年にわたる試行錯誤の末に、都市としてのルネサンス(再生)が少しずつ形になりつつあるとされています。
産業構造の変化に直面しながらも、「新しいハルビン」を模索する人々の姿は、人口や産業の課題に向き合う多くの地方都市とも通じるテーマを投げかけます。
600年の伝統芸能・昆曲「白蛇伝」:世界に届いた抒情美
最後に取り上げられるのは、中国の伝統オペラの源流とされる「昆曲(昆劇)」です。およそ600年の歴史を持つこの芸能は、抒情的な表現が大きな魅力とされています。
北方昆曲劇院による「白蛇伝」は、ギリシャ、イタリア、イギリスなどで公演を重ね、2024年のエディンバラ・フリンジでアジアン・アーツ・アワード最優秀作品賞を受賞しました。国際的な舞台芸術の場で、中国の伝統芸能が高く評価された形です。
番組では、この作品で主要な役を務める4人の若い俳優へのインタビューも行われています。彼らは、昆曲特有の歌唱法や演技の難しさ、海外の観客の反応、そしてZ世代ならではの感性で、どのように伝統とテクノロジーを組み合わせて舞台演出をアップデートしているのかを語ります。
- 伝統を守りつつも、若い世代の視点で物語を再解釈する
- デジタル技術を取り入れた舞台表現で、観客との距離を縮める
- 海外公演を通じて、文化を一方的に発信するだけでなく、相互理解を深める
4つの現場から見える、中国の「いま」とこれから
このエピソードを貫くキーワードは、「再構築」と「つながり」です。環境への向き合い方、ロボット技術の飛躍、工業都市の再生、伝統芸能の国際化という一見ばらばらなテーマが、次のような共通点で結びついています。
- これまでのやり方をそのまま続けるのではなく、新しい仕組みを試す姿勢
- テクノロジーを単なる効率化の手段ではなく、人間の経験を豊かにするために使おうとする発想
- 国内だけで完結せず、世界の観客・市場・都市との関係を意識した取り組み
日本でも、豪雨災害への備え、ロボット・AI産業の育成、地方都市の再生、伝統芸能の継承と発信など、似た課題に直面しています。隣国である中国のこうした試みを丁寧に追いかけることは、自分たちの社会を考えるヒントにもなりそうです。
環境、テクノロジー、産業、文化という4つのレンズを通じて中国を見つめ直す今回の「MEET CHINA」。アジアの変化を立体的にとらえたい読者にとって、刺激的な素材を提供してくれるエピソードと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com







