米国株、決算本格化の週入りでまちまち ハイテク高・エネルギー安
米国株式市場は現地時間8日月曜日、決算シーズン本格化の入口で主要株価指数がまちまちの動きとなりました。今週はハイテク大手の決算が集中する見通しで、世界の投資家が注目する国際ニュースとなっています。
8日の米国株式市場:主要3指数はまちまち
8日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が前週末比0.04%安の44,323.07と小幅に反落しました。一方で、米国株の代表的な指数であるS&P500種株価指数は0.14%高の6,305.6、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も0.38%高の20,974.17と続伸しました。
投資家の関心は、今週本格化する米企業の決算発表、とくにハイテク大手の業績に集まっています。指数全体としては落ち着いた値動きですが、その裏側ではセクターや個別銘柄ごとの差がはっきり出た一日でした。
セクターごとの明暗:通信サービスが上昇、エネルギーは軟調
米国株のセクター別では、通信サービスが上昇を主導し、一方でエネルギーやヘルスケアが売られる展開となりました。
- 通信サービス:プラス1.9%とセクター全体でトップの上昇率
- 一般消費財、素材:いずれも上昇し、市場を下支え
- エネルギー:マイナス0.96%と下落
- ヘルスケア:マイナス0.61%と軟調
成長性を意識したマネーが、通信サービスなどハイテクに近い分野に流れ、景気や資源価格の影響を受けやすいエネルギー株は売られるという構図が見られました。
決算シーズン本格化:低い期待値が追い風に
米国株市場の焦点は、何と言っても決算シーズンです。S&P500構成銘柄のうち、これまでに62社が決算を発表しており、そのうち85%超が市場予想を上回る結果となっています。現時点では、企業業績は事前の予想を上回るペースで進んでいると言えます。
調査会社CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストバル氏はCNBCの取材に対し、地下の窓から落ちても大きなけがにはなりにくいと表現し、今の決算期待がそれほど低い水準にあると指摘しました。そのうえで、期待値が低い分、最終的な決算結果は予想より良い方向に振れやすく、市場にとって心強い材料になるとの見方を示しました。
これは、悪材料がある程度織り込み済みであり、よほどのサプライズがない限り、決算発表が株価の支えになりやすい局面にあることを意味します。とはいえ、ハイテク大手を中心とした今週の決算次第で、市場のムードが一気に変わる可能性もあります。
個別銘柄:Verizonやアルファベットが相場をけん引
個別銘柄では、決算発表を受けた銘柄や今週決算を控えるハイテク株に注目が集まりました。
- ベライゾン・コミュニケーションズ:第2四半期決算が市場予想を上回り、およそ4%高と急伸。他の企業にも好決算期待が広がりました。
- クリーブランド・クリフス:堅調な決算を発表し、投資家心理を押し上げました。
時価総額の大きいハイテク株も、相場の流れを左右しました。
- アルファベット:2.8%高とハイテク株の中で上昇を主導。水曜日に予定される決算発表を前に買いが集まりました。
- ブロードコム:1.72%高と堅調。
- アマゾン、メタ・プラットフォームズ:いずれも1%超の上昇。
- アップル、マイクロソフト:小幅高で取引を終えました。
- エヌビディア、テスラ:2銘柄は小幅安。ただし、テスラはアルファベット同様、水曜日に決算発表を控えており、様子見の売買が続いています。
こうしたメガキャップと呼ばれる超大型ハイテク株は、指数全体への影響が極めて大きく、日本を含む世界の株式市場にも波及しやすい存在です。今週の決算内容は、グローバルな投資家にとっても無視できないイベントとなります。
新関税の8月1日発動期限を再確認:政策要因も背景に
この日の相場では、政策をめぐる発言も材料となりました。米商務長官のハワード・ラトニック氏は、新たな関税の導入について、8月1日の発動期限をあらためて確認しました。これは、既に示されているスケジュールを再度強調した形です。
一方、米財務長官のスコット・ベッセント氏は、政権としてはスピードよりも合意の質を重視していると述べ、拙速な妥結ではなく、内容を重んじる姿勢を示しました。市場は現時点でこの発言に過度に反応してはいないものの、中期的には関税や通商政策が企業業績や市況に与える影響が意識されやすい局面が続きそうです。
日本の投資家は何を見るべきか
日本から米国株や世界の市場をウォッチする読者にとって、今回の動きから押さえておきたいポイントは次の通りです。
- ハイテク大手の決算内容:アルファベットやテスラなど、指数を左右する銘柄の決算が今週集中します。売上高の伸びや利益率、今後の見通しに注目が集まります。
- セクター間の資金移動:通信サービスや一般消費財が買われる一方、エネルギーやヘルスケアが売られる動きが続くかどうかは、投資家のリスク選好や景気見通しを映すシグナルになり得ます。
- 政策リスクと企業業績のバランス:関税などの政策要因が意識されるなかでも、多くの企業が予想を上回る決算を発表している点は重要です。政策ヘッドラインに一喜一憂するのではなく、企業の実力を見極める視点が問われます。
決算本格化の週は、一つひとつの決算とガイダンスが相場の空気を大きく左右しやすいタイミングです。短期の値動きに振り回されず、どのセクターや企業に資本が集まりつつあるのかを冷静に見ていくことが、これからの投資判断を考えるうえでのヒントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







