上海で世界人工知能大会2025閉幕 中国発AIソリューションとガバナンスを読む
世界人工知能大会(WAIC)2025が上海で閉幕しました。800社超が参加し、30を超える国と地域から3000点以上のAI関連展示が集まった今回の国際会議では、中国のAI開発とガバナンスにおける存在感、いわゆる「中国ソリューション」が大きな注目を集めました。
上海でWAIC 2025が閉幕、中国のAIソリューションに熱視線
2025年の世界人工知能大会(WAIC)は、「AI時代のグローバルな連帯」をテーマに中国・上海で月曜日に閉幕しました。会場には世界各地から企業や研究機関が集まり、AIの最前線とこれからの国際協力のあり方を議論しました。
地元メディアは、会議全体を通じて中国が提示したAI開発とガバナンスの枠組みを「中国ソリューション」と呼び、その影響力の高まりを伝えています。
「AI能力の回廊」が描いたフルバリューチェーン
今回のWAICの特徴のひとつが、4つの主要展示ホールを貫く「AI能力の回廊」と呼ばれる構成です。基礎研究から産業応用、最終的な製品やサービスまで、AIの価値チェーン全体が一望できる設計になっていました。
コア技術:大規模言語モデルから半導体まで
コア・テクノロジー館では、大規模言語モデル、AI向けの計算チップ、データ基盤などが展示され、AI技術が急速に高度化していることが示されました。クラウド上で動くモデルだけでなく、より効率的な計算や省電力設計など、裏側を支える土台の部分が強調された点も印象的です。
産業応用:自動運転、スマートシティ、フィンテック
産業応用館では、自動運転、スマートシティ、金融テクノロジー(フィンテック)、産業の高度化など、AIが実際のビジネスや都市運営に使われている事例が紹介されました。単なる技術デモではなく、どのように既存の産業構造を変えつつあるのかが示された形です。
スマート端末とスタートアップ支援
スマートターミナル館では、人型ロボットや自動運転システムなど、AIを搭載した端末が主役となりました。一方、フル・ドメイン・リンケージ館では、スタートアップと投資家とのマッチングが行われ、AI技術の事業化を後押しする場として機能しました。
ロボットからバーチャルヒューマンまで、AIが日常へ
会場には60体を超える知能ロボットが集結し、100点を超える新製品が世界初公開されました。研究室の中にとどまっていた先端技術が、生活や産業の現場に急速に入り込みつつあることを示しています。
大規模モデルとロボットの連携も進み、サービスロボットや産業ロボット、バーチャルヒューマンなどへの応用事例が紹介されました。これまでクラウド上の計算に依存していたAIが、現場レベルに実装される「地に足のついたAI」へと重心を移しつつあります。
華為技術の新システムとスマートグラスの台頭
テック大手の華為技術(Huawei)は、Ascend 384 AIコンピュートノードシステムを初公開しました。計算インフラを強化することで、より大規模で高性能なAIモデルの開発や運用を支える狙いがあります。
また、複数の企業がAI搭載のスマートグラスを発表しました。リアルタイムのナビゲーション、モバイル決済、価格比較、旅行通知などに対応し、日常の移動や買い物、観光の体験を変える可能性が示されています。
自動運転ネットワークが中国の都市で拡大
自動運転の分野では、企業が新たな実証用ライセンスを取得し、商用化に向けたネットワーク構築が中国の都市でさらに進んでいることが示されました。会議では、自動運転車両が都市インフラと連携しながら運行する姿も描かれました。
AI関連の規制や安全基準が整備される中で、実証ライセンスは技術と制度の両面を前に進める重要なステップとなります。
「グローバル連帯」を掲げたAIガバナンスへの提案
技術だけでなく、AIガバナンス(AIのルールづくり)も今回の大きなテーマでした。中国は、国際的なAI協力組織の設立を呼びかけ、各国がAIのリスクや規制について共通認識を持つ必要性を強調しました。
中国側の担当者は、イノベーションと安全性のバランスを取ることの重要性を訴えるとともに、特に途上国との間で、オープンソースの活用や技術共有を進めていく姿勢を示しました。
私たちはこの流れをどう捉えるべきか
WAIC 2025は、AIが研究テーマから社会インフラへと変わりつつある現状と、中国の存在感の高まりを象徴する場となりました。一方で、国際的なルールづくりはまだ途上にあり、各国・各地域の利害や価値観の違いも残っています。
読者のみなさんは、AIが暮らしや仕事に入り込んでいく未来に何を期待し、どんなリスクに備えるべきだと考えるでしょうか。グローバルな議論が進むなかで、日本やアジアの一員としてどのように関わるかが、これからの重要な問いになりそうです。
Reference(s):
China's AI solutions shine at WAIC as global adoption accelerate
cgtn.com








