上海の「上海サマー」消費シーズン、夜間経済で不動産も活性化 video poster
中国の金融ハブ・上海市で、この夏に実施された「Shanghai Summer(上海サマー)」国際消費シーズンが、夜間の消費を拡大すると同時に、商業用不動産の活性化にもつながっています。本稿では、7月から10月にかけて展開されたこの取り組みの特徴と、その意味を整理します。
「上海サマー」国際消費シーズンとは
上海市は7月初めから、「Shanghai Summer(上海サマー)」と名付けた国際消費シーズンをスタートさせました。市内各地のショッピングモールや商業エリアでは、夜間の時間帯に多様なイベントが集中的に実施されました。
用意されたコンテンツは、若い世代から家族連れまでを意識したラインナップです。
- 屋外音楽フェスティバル
- アニメをテーマにした文化イベント
- スポーツイベント
- 抽選会などのキャンペーン
これらを組み合わせることで、買い物だけでなく「出かける理由」を増やし、消費意欲を高めることが狙いとされています。消費シーズンは10月まで続く形で企画され、夏から秋にかけての長い期間、夜の街に人を呼び込む設計になっていました。
ナイトタイムエコノミーが商業用不動産を後押し
今回の国際消費シーズンの特徴は、「ナイトタイムエコノミー(夜間経済)」をテコに、商業用不動産セクターの活性化も同時に目指した点にあります。
夜間に音楽イベントや文化ショー、スポーツ観戦などの目的を持つ人がモールや商業施設に集まれば、飲食店や物販店への回遊も自然と増えます。その結果として、
- テナントの売り上げ増加
- 空き区画の縮小
- 施設全体の賑わいの回復
といった効果が期待できます。今回の取り組みも、こうした流れを通じて、上海市内の商業用不動産市場を再び元気づける動きにつながったとみられます。
上海が狙う「長い夜」と国際都市イメージ
中国の金融センターである上海市にとって、夜の時間帯までにぎわいが続くことは、観光や国際ビジネスの面でも重要です。海外からのビジネス客や留学生、出張者にとっても、夜に楽しめるイベントが多い都市ほど、滞在の満足度は高まりやすくなります。
音楽、アニメ文化、スポーツ、ショッピングを組み合わせた今回の「上海サマー」は、いわば都市全体を巨大なフェス会場のように見せる試みとも言えます。こうした企画を通じて、上海市は「消費とエンターテインメントの都市」というイメージをさらに強めようとしています。
日本の都市への示唆
今回の上海の取り組みから、日本の都市が参考にできるポイントも見えてきます。
- ショッピングモールや駅前エリアを、夜間イベントの拠点として再編集する
- 音楽やアニメなど、若い世代が関心を持ちやすいカルチャーを前面に出す
- スポーツイベントや抽選会を絡め、家族連れも参加しやすい仕掛けにする
- 期間を夏だけに限定せず、秋まで続く「シーズン」として設計する
人口減少やオンライン消費の拡大で、全国の商業施設は競争が厳しくなっています。夜間の時間帯にあえて人を呼び込む発想は、地方都市を含めた日本の商業地にとっても、一つのヒントになりそうです。
「消費シーズン」は都市戦略の一部へ
2025年の夏から秋にかけて実施された上海の国際消費シーズンは、単なるセールやイベントの連続ではなく、夜間経済を通じて商業用不動産を再活性化しようとする都市戦略の一環と見ることができます。
消費行動が多様化し、オンラインとオフラインの境界が薄れるなかで、「どの時間帯に、どんな体験を提供できるか」は都市の競争力を左右する要素になりつつあります。上海の試みは、その一つのモデルケースとして、今後のアジアの都市づくりや、日本の街づくりを考えるうえでも注目されそうです。
Reference(s):
Shanghai's consumption promotion season re-energizes real estate
cgtn.com








