FRB決定前に米国株が反落 ダウ204ドル安とハイテク軟調
FRB決定前に米国株が反落 企業決算と雇用指標を消化
米国株式市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定を翌日に控えた火曜日、ダウ平均やS&P500、ナスダック総合指数など主要3指数がそろって下落しました。企業決算と最新の雇用統計が同時に出るなか、投資家がリスクを取りにくい展開となりました。
主要3指数はそろって下落
この日のダウ工業株30種平均は204.57ドル(0.46%)安の4万4,632.99ドルで取引を終えました。S&P500種株価指数は18.91ポイント(0.30%)安の6,370.86、ナスダック総合指数は80.29ポイント(0.38%)安の2万1,098.29と、いずれも小幅ながらマイナス圏で引けています。
S&P500の11セクターのうち7セクターが下落し、とくに景気敏感株とされる資本財などの工業株と、消費関連の一般消費財セクターが下げを主導しました。一方で、不動産セクターは1.70%高、公益セクターも1.17%高と上昇し、ディフェンシブ(守り)の色合いが強い銘柄に資金が向かった形です。
雇用統計は「現状維持」 市場はFRBの次の一手を注視
経済指標では、米労働省労働統計局(BLS)が6月の求人件数を発表し、求人は740万件と前月から横ばいでした。採用数もほとんど変化がなく、労働市場は過熱でも急減速でもない「小康状態」が続いている姿が浮かびます。
求人や採用のデータは、賃金の伸びやインフレ圧力につながるため、FRBが金融政策を判断するうえで重要な材料とされています。今回は大きなサプライズはなかったものの、市場では「この程度の雇用の強さでFRBがどのようなメッセージを出すか」に関心が集まっています。
企業決算:ボーイング堅調、UPS急落、コーニング急伸
この日の相場では、企業の四半期決算が個別株の値動きを大きく左右しました。航空機大手ボーイングは、市場予想を上回る決算を発表し、投資家の評価を集めました。
一方、音楽配信のスポティファイや製薬大手メルク、医療保険のユナイテッドヘルスの決算は総じて市場の期待に届かず、投資家心理を冷やしました。
物流大手UPSの株価は、決算が市場予想を下回ったうえ、今後の業績見通し(ガイダンス)の提示を見送ったことで10.57%急落しました。荷動きは景気の体温計とされるだけに、「需要の先行き不透明感」が意識された格好です。
一方で、ガラス・素材大手コーニングは堅調な決算を受けて株価が11.86%上昇し、S&P500構成銘柄の中で上昇率トップとなりました。
大型テック株は軟調 決算発表を前に手じまい売り
ハイテク株中心のナスダック市場では、時価総額の大きい「メガキャップ」と呼ばれる銘柄の多くが軟調でした。テスラとアップルはともに1%を超える下落となり、エヌビディアやアマゾンも売られました。
こうしたなかでも、アルファベット(グーグルの持株会社)と半導体関連のブロードコムはそろって1%超の上昇となり、相場全体の下げを一部相殺しました。
市場では、水曜日の取引終了後に予定されるマイクロソフトとメタ(旧フェイスブック)の決算発表、そして木曜日に控えるアップルとアマゾンの決算に注目が集まっています。主要IT企業の業績や先行き見通しは、株価指数全体の方向性を左右しやすいためです。
FRBは金利据え置き観測 それでも「言葉」が株価を動かす
FRBはこの日、2日間の日程で開く金融政策決定会合(FOMC)をスタートさせました。市場では、政策金利が年4.25〜4.50%のレンジで据え置かれるとの見方が大勢です。
たとえ金利が現状維持でも、声明文の表現や、議長会見での「景気とインフレの見方」「今後の利上げ・利下げの可能性」に市場の視線が集まっています。利上げに前向きと受け止められれば株安に、慎重姿勢が強まったと映れば株高につながるなど、言葉のニュアンスが相場を左右しやすい局面です。
日本の投資家が押さえておきたい3つのポイント
今回の動きを、日本やアジアの投資家がどのように受け止めればよいのか、ポイントを整理します。
- 雇用指標は「極端ではない」水準で、FRBは身動きが取りにくい状況にあること
- 企業決算は銘柄ごとの明暗が分かれており、指数全体が大きく崩れているわけではないこと
- 不動産や公益などディフェンシブセクターに資金が向かう一方、景気敏感株や一部ハイテク株には利益確定売りが出ていること
変動が大きくなりやすい金融政策発表前後の局面では、短期的な値動きに振り回されるよりも、FRBのメッセージと企業の中長期的な収益力に目を向けることが、落ち着いた投資判断につながりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








