中国の海洋経済が2025年上半期に5.8%成長 資源開発と造船がけん引
中国の海洋経済が好調 2025年上半期に5.8%成長
中国の海洋経済が2025年上半期(1〜6月)に前年同期比5.8%の成長を記録し、国際ニュースとしても注目されています。中国自然資源省の暫定データによると、海洋関連の付加価値を示す「海洋生産総額」は5.1兆元(約708億ドル)に達し、複雑な世界経済環境のなかでも安定した拡大を続けています。
海洋資源開発が加速 エネルギーと水産が伸びる
今回の統計でまず目を引くのは、海洋資源開発の加速です。新たに認可された海洋開発エリアは前年同期比25.2%増の16万7,000ヘクタールとなり、約5,000億元規模のプロジェクトを支えています。
- 海上原油生産:前年同期比2.3%増
- 海上天然ガス生産:同16.9%増
- 国内の水産物生産:同4.8%増
とくに、洋上風力発電分野の伸びは際立っています。新たに電力網に接続された洋上風力の設備容量は、前年同期比で実に199.4%増と急拡大し、発電量も2.2%増えました。エネルギー安全保障と脱炭素の両面で、海洋エネルギーが重要な役割を担いつつあることがうかがえます。
造船・観光・輸送など伝統的な海洋産業も堅調
伝統的な海洋産業も引き続き強さを示しています。中国の造船業は、世界市場における優位を維持しているとされ、
- 新造船受注量(補正総トン数ベース):世界全体の64%
- 完成量:世界の47.2%
- 受注残高:世界の57.6%
を占めています。世界の海運やエネルギーインフラを支える重要なプレーヤーであることが数字から見て取れます。
観光と輸送も拡大基調です。
- 海洋観光:前年同期比8%増
- クルーズ旅客数:同40.1%増
- 海上輸送量:同5.2%増
- 貨物輸送の輸送量(トンキロ):同6.9%増
クルーズ需要の大幅な伸びは、人の移動と観光消費の回復を象徴する動きと言えます。海運量と輸送効率の両方が増えている点も、海上物流の活発さを示しています。
新興セクターも台頭 AIや高性能設備が海を舞台に
新興分野でも、海洋経済の高度化をうかがわせる動きが出ています。洋上エンジニアリング関連設備の引き渡しは前年同期比39.3%増と大きく伸び、受注残高も9.7%増となりました。大型プラットフォームや海底設備など、高度なエンジニアリング技術を要する分野が拡大しています。
技術面では、山東省・青島で海洋医薬の研究に向けた「Starfish AI Model」が導入されました。海洋由来の成分を活用した新薬開発などに、人工知能(AI)を活用する取り組みです。また、「Fenjinhao」と呼ばれるメガワット級発電装置が、すでに3年間連続で稼働を続けているとされ、長期運転に耐える海洋エネルギー設備の実用化も進んでいます。
なぜこのニュースが重要なのか
専門家は、今回の成長が中国の海洋資源開発と技術革新への戦略的な重視を反映したものだと見ています。世界の貿易環境や地政学的な緊張が続くなかでも、海洋経済が一定の成長と「底堅さ」を示したことは、アジア太平洋地域の経済動向を考えるうえでも重要なシグナルです。
エネルギー、物流、観光、先端産業——海はさまざまな産業の交差点です。2025年上半期の中国のデータは、海洋がこれからの成長分野であり続けること、そして技術とインフラへの投資が経済のレジリエンス(回復力)を高めうることを物語っています。日本を含む近隣の国や地域にとっても、海洋政策や産業戦略を考える際の一つの参考材料となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








