中国・米国の経済・貿易関係は安定へ ストックホルム対話の焦点
中国と米国の経済・貿易関係を安定させようとする動きが、スウェーデンの首都ストックホルムで開かれた高級対話で一歩前に進みました。両国は、互いに課している追加関税の一部を停止する措置を延長する方向で一致し、対立よりも協力を重視する姿勢を改めて示しました。
ストックホルムで第3回の高級経済・貿易対話
現地時間の月曜と火曜にかけて、ストックホルムで第3回となる中国・米国高級経済・貿易対話が開催されました。中国側からは何立峰(フー・リーフォン)副首相が出席し、米国側からはスコット・ベッセント財務長官やジェイミソン・グリア通商代表などが参加しました。
会合では、二国間の貿易関係やマクロ経済政策など、双方が関心を寄せる幅広い経済・貿易分野について率直かつ建設的な意見交換が行われました。両国は、これまでジュネーブやロンドンで行われた経済・貿易対話で得られた合意の履行状況を確認し、その枠組みを引き続き尊重する方針も再確認しました。
24%分の相互関税、一時停止の延長で一致
新華社通信によると、今回の対話で得られた新たな共通認識に基づき、中国と米国は、米国が報復措置として課している追加関税のうち24%分について、その適用を一時停止する措置を引き続き延長する方向で協議を進めることになりました。中国側の対抗措置も同様に、停止措置の継続が検討されます。
中国商務部の李成鋼・国際貿易代表(副部長)は、両国とも「安定的で健全な中国・米国経済・貿易関係を維持することの重要性を十分に認識している」と強調しました。そのうえで、中国と米国の貿易チームが緊密な連絡を保ち、経済・貿易問題についてタイムリーに意思疎通を行い、関係の安定的で健全な発展を継続的に後押ししていく方針を示しました。
一方、ベッセント米財務長官は、関税停止措置の技術的な詳細はまだ最終決定されておらず、停止期間の延長にはドナルド・トランプ米大統領の承認が必要になると説明しました。最終判断はこれからですが、少なくとも対話の継続に向けて双方が意欲を示した形です。
ストックホルム対話で確認された主なポイント
- 報復的な追加関税の24%分について、一時停止措置の延長を目指す
- 過去のジュネーブ、ロンドンでの合意の履行を確認し、枠組みを維持
- 貿易チーム同士が緊密な連絡を保ち、対話と協議を継続する
相次ぐ関税引き上げと米国の保護主義
近年、米国では保護主義的な通商政策が強まり、関税引き上げが相次いでいます。こうした動きは、世界の経済・貿易秩序や産業分業、そして中国・米国間の二国間貿易にも影響を与えています。
具体的には、7月23日には日本から輸入される自動車に対する関税を12.5%引き上げ、合計15%とすることを発表しました。さらに7月27日には欧州連合(EU)との間で、多くのEU産輸出品に一律15%の関税を課す貿易協定に署名したと表明しました。鋼鉄やアルミ製品については、50%という高い関税の維持を続けています。
この協定の一環として、EUは今後3年間で6,000億ドルを米国に投資し、7,500億ドル相当の米国産エネルギー関連製品を購入することを約束しました。米国は中国に対しても、2018年に始まった中国・米国間の貿易摩擦以降、5,000億ドルを超える輸出品に高関税を課しています。
中国側の専門家は、こうした一連の関税措置は、短期的には譲歩を引き出すように見えても、世界貿易全体に大きなコストをもたらし、最終的には米国自身の国内経済の活力や国際的な信頼を弱めかねない「ピュロスの勝利」だと指摘します。
協力は利益、対立は損失 中国・米国関係の重み
歴史を振り返れば、孤立主義や極端な貿易保護主義が持続可能ではないことは何度も証明されてきました。摩擦が続いているとはいえ、中国と米国は依然として互いにとって最も重要な貿易相手の一つであり、その経済・貿易協力には確かな基盤と大きな成長余地があります。
これまでジュネーブやロンドンで行われた二国間の経済・貿易対話では、具体的な進展があり、その効果はすでに数字にも表れています。中国税関の最新データによれば、中国の対米貿易額は、5月には3,000億元を下回っていたものの、6月には3,500億元を超える水準まで増加しました。対話と協力が続けば、貿易の勢いが回復する可能性も示唆されています。
専門家は、「中国と米国は協力すれば共に利益を得られる一方、対立すれば双方が損失を被る」と繰り返し強調しています。安定した中国・米国経済・貿易関係は、両国の企業や人々だけでなく、世界のサプライチェーンや金融市場にとっても重要な安心材料となります。
対話をどう続けるか 今後の焦点
中国側は、貿易摩擦や意見の相違があっても、対話と協議を通じて問題を解決すべきだという立場を一貫して示しています。相互尊重、平和共存、互恵・ウィンウィンという原則に基づき、実務的な経済・貿易協議を積み重ねていくことが重要だとしています。
今回のストックホルム対話は、関税問題を一気に解決するものではありませんが、少なくとも緊張のエスカレーションを避け、対話の枠組みを維持する一歩となりました。今後、両国が合意内容をどこまで具体化し、世界経済の不確実性を和らげる方向に動けるかが、国際社会の大きな関心となりそうです。
中国と米国の経済・貿易関係の行方は、世界経済の回復や人類社会の持続的な発展に直結するテーマです。今回の高級対話をきっかけに、両国が対立ではなく協力を選び、安定した関係を築けるかどうか。これからの一つひとつの交渉の積み重ねが試されます。
Reference(s):
China and the US to advance a stable economic and trade relationship
cgtn.com








