中国・Xizangのザシガン村、観光でよみがえる山村の物語
中国のXizang自治区ニンティ市にある山村・ザシガン村が、かつての貧困から観光でよみがえり、農村振興の象徴となっています。本記事では、その変化のポイントを整理します。
貧しい山村から観光地へと歩んだザシガン村
ザシガン村は、かつては険しい山々に囲まれた小さな山村で、現金収入の機会が限られた貧しい地域でした。生活の多くは自給的な農業や牧畜に頼り、若い世代が村を離れることも少なくありませんでした。
そうした状況の中で、村は自分たちが持つ資源に目を向けました。それが、手つかずの自然環境と、地域に受け継がれてきた豊かな文化でした。
自然の風景と文化を観光資源として生かす
ザシガン村が選んだ道は、雄大な山の景色や澄んだ空気、四季折々の自然、そして独自の文化や暮らしを観光資源として磨き上げることでした。村は、訪れる人がゆっくり滞在し、地域の暮らしに触れられるような観光づくりに取り組みました。
たとえば、伝統的な家屋を生かした民宿、地元の食材を使った素朴な料理、村の歴史や習慣を伝えるガイドツアーなど、自然と文化を一体として体験してもらう工夫が重ねられています。
「見る」だけでなく「参加する」観光へ
観光のスタイルも、景色をただ眺めるだけではなく、村の暮らしに参加してもらう形に変わっていきました。来訪者は、ゆっくりと村を歩き、農作業や伝統的な手仕事を体験し、夜には満天の星空を眺めることができます。
こうした体験型の観光は、村にとっては新たな収入につながるだけでなく、地域の文化を次の世代に伝えるきっかけにもなっています。
農村振興の見えるかたち
観光が育つにつれ、ザシガン村では農村振興の効果が具体的なかたちとなって表れています。農村振興とは、農業だけに頼らないかたちで農村の暮らしを豊かにしていく取り組みのことです。
- 農業に加えて、民宿や飲食、ガイド業など収入源が増えたことで、家計にゆとりが生まれるようになりました。
- 観光関連の仕事が増えたことで、外に出ていた若い世代が村に戻り、地域活動に参加する動きも広がっています。
- 道路や生活インフラの整備が進み、外部との往来がしやすくなると同時に、自然環境を守る意識も高まっています。
このように、ザシガン村の観光は、単に人を呼ぶためではなく、地域の暮らしそのものを持続可能にするための仕組みとして機能し始めています。
日本の地方が学べるポイント
山間部の小さな村が、自然と文化を生かして観光を育て、農村振興につなげているという点で、ザシガン村の歩みは日本の地方とも重なる部分が多くあります。2025年の今、日本各地でも観光と地域づくりをどう結びつけるかが課題となっています。
1. ここにしかないものを言葉にする
ザシガン村が出発点としたのは、自分たちの村にしかない風景や文化を見つめ直すことでした。どの地域にも、外から見ると魅力的に映る当たり前の暮らしがあり、それをわかりやすい言葉で伝えることが観光づくりの第一歩になります。
2. 生活と観光のバランスをとる
観光地として人気が出るほど、住民の暮らしとのバランスが重要になります。ザシガン村のように、日常生活のリズムを大切にしながら、無理のない範囲で受け入れを続けることが、長く続く観光の鍵となります。
3. 地域の人が主体になる
観光による変化を前向きなものにするには、外部任せではなく、地域の人が主体となって方向性を決めていくことが欠かせません。ザシガン村の事例は、村の人々が自分たちの意思で自然と文化を守りながら観光を育てていく姿を示しています。
ザシガン村が示す、これからの農村像
かつては貧しい山村と見なされていたザシガン村は、今では観光を通じて新しい可能性を切り開いた農村の一つのモデルとなっています。自然の景観と文化を土台に、住む人の暮らしを豊かにしながら外からの人を迎え入れるという姿勢は、これからの農村が目指す方向の一つと言えるでしょう。
静かな山村から発信されるこの変化は、都市と地方、国内と海外といった境界を越えて、私たちに豊かさとは何か、地域の魅力とは何かを考えさせてくれます。ザシガン村の歩みを追うことは、2025年を生きる私たち自身の暮らし方を見つめ直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








