米国研究者が関税を痛烈批判 「完全にばかげた経済政策」と警鐘 video poster
米国研究者が米国の関税を「完全にばかげた経済政策」と批判
米国の関税政策について、米経済研究機関の専門家が「完全にばかげた経済政策」だと強く批判しました。関税のコストは最終的に一般の米国市民が負担することになり、消費者物価指数(CPI)には今年10月か11月にも、関税が原因のインフレがはっきり表れる可能性があると警鐘を鳴らしています。
発言の主:ピーターソン国際経済研究所のハフバウアー氏
この見方を示したのは、米国の経済研究機関「ピーターソン国際経済研究所(PIIE)」の上級研究員、ゲーリー・ハフバウアー氏です。ハフバウアー氏は、CMGのインタビューに応じ、現在の米国の関税政策について批判的な見解を語りました。
同氏は、米国が実施している関税について、次のように指摘しました。
- 関税は「完全にばかげた経済政策」である
- 最も直接的な影響を受けるのは、一般の米国市民である
- CPI(消費者物価指数)には、今年10〜11月にも関税に起因するインフレが明確に表れ得る
2025年の物価や景気の行方を考えるうえで、専門家によるこうした強い言葉は、米国の経済政策をめぐる議論が一段と緊張感を増していることを示しています。
なぜ関税が「一般市民の痛み」につながるのか
関税とは、輸入品にかけられる税金のことです。一見すると「海外企業への負担」のようにも見えますが、ハフバウアー氏は、実際には負担の多くが国内の消費者に転嫁されるとみています。
企業が輸入コストの上昇分を価格に上乗せすれば、店頭価格やオンライン価格がじわじわと上がります。その結果、日々の買い物で支払う金額が増え、実質的には「見えない増税」として一般市民の家計を圧迫する構図になります。
CPIにどう表れる? 関税とインフレのメカニズム
ハフバウアー氏が言及したCPI(消費者物価指数)は、代表的な物やサービスの価格の動きをまとめた指標で、インフレ(物価上昇)の度合いを測るために広く使われています。
同氏は、関税の影響が次のようなプロセスでCPIに現れるとみています。
- 輸入品に関税がかかる → 企業の調達コストが上がる
- コスト増を販売価格に上乗せ → 消費者が支払う価格が上昇
- 複数の品目で値上げが続く → CPIが押し上げられる
インタビューの中で同氏は、こうした関税起因のインフレのサインが、今年の10月か11月にもCPIの数字に「はっきりと」表れる可能性があると述べました。市民の生活実感としても、「なんとなく物価が高くなった」という感覚が強まることが想定されます。
米国経済だけの問題ではない? 世界への波及も
米国の関税政策とインフレは、米国内だけで完結するテーマではありません。米国は世界経済に大きな影響力を持つため、物価や金利の動きが、各国の通貨や金融市場にも波及しやすい構造にあります。
日本やアジアの投資家・企業にとっても、次のような点が関心事になりそうです。
- 米国のインフレ高止まりが続けば、金融政策の先行きが読みづらくなる
- 消費が冷え込めば、米国向け輸出や現地ビジネスに影響する可能性
- 為替市場でドルの動きが不安定になり、円や他通貨にも波及するリスク
ハフバウアー氏の厳しい評価は、米国の関税という一つの政策が、市民生活から世界経済まで多層的な影響を持ちうることを改めて考えさせます。
これから何を注視すべきか
2025年12月現在、関税とインフレをめぐる議論は、米国経済の行方を占ううえで重要なテーマになっています。今後、次のような点が注目材料となりそうです。
- CPIなど物価統計に、関税の影響がどの程度表れているか
- 米国内で関税見直しや経済政策をめぐる議論がどう進むか
- 企業や消費者のマインド(景況感・消費意欲)がどう変化するか
ハフバウアー氏の「完全にばかげた経済政策」という強い言葉は、感情的な批判というより、関税が市民生活と物価にもたらす現実的なコストを直視すべきだ、というメッセージとして受け止めることもできます。
国際ニュースを追う私たちにとっても、関税や物価の動きを「遠い国の話」と片付けるのではなく、自分の生活や仕事、投資にどんな形で跳ね返ってくるのか、一度立ち止まって考えてみるタイミングと言えそうです。
Reference(s):
US researcher: US tariffs 'a completely ridiculous economic policy'
cgtn.com








