中国・浙江の根彫刻 捨てられた木の根が宝物になるまで
世界の国際ニュースの中で、地域の小さな町から生まれる静かな変化に注目が集まっています。中国・浙江省のゲンユエン鎮では、捨てられた木の根を宝物のような彫刻に生まれ変わらせる職人たちが、世代を超えて技を受け継いでいます。
捨てられた木の根が芸術作品になるまで
浙江省のゲンユエン鎮では、もともと焚き木としてしか見られていなかった木の根が、職人の手によって精巧な彫刻へと変わります。素材は山や伐採現場などで見つかる曲がりくねった根。そのままでは廃棄される運命のものに、新しい命が吹き込まれます。
根彫刻の職人たちは、他の人にはただの木くずにしか見えない形の中に、動物や人物、自然の風景などのイメージを見いだします。彼らの「秘密」は、素材の欠点ではなく魅力に目を向けることだとされています。
世代を超えて受け継がれてきた浙江の伝統
この木の根彫刻は、一代限りの流行ではなく、ゲンユエン鎮で代々受け継がれてきた伝統です。家族や地域のつながりの中で技と感性が引き継がれ、日常の仕事として根彫刻に向き合う職人たちが町のあちこちにいます。
長い時間をかけて積み重ねられた経験の結果、ゲンユエン鎮は今では中国の木の根彫刻の拠点として知られ、その独自のスタイルと技術がよく守られています。地域の工房では、一本一本形の違う根に合わせて、世界に二つとない作品が生み出されています。
「見立てる力」が生む持続可能なアート
廃棄されるはずだった木の根を活用する根彫刻は、資源を無駄にしないという意味でも、いま世界的に関心が高まるサステナブルなものづくりの一例と言えます。材料を新たに大量生産するのではなく、すでに存在する自然の形と対話しながら価値を生み出す発想は、多くの分野にも通じる視点です。
この取り組みからは、次のような問いかけが見えてきます。
- 私たちは、ふだん「いらない」と決めつけているものの中に、どれだけの可能性を見落としているのか。
- モノの価値は、素材そのものよりも、それをどう見て、どう生かすかで決まるのではないか。
- 地域に根ざした手仕事は、グローバルな関心とどのようにつながりうるのか。
国際メディアが伝えるゲンユエン鎮の今
国際メディアCGTNも、このゲンユエン鎮の木の根彫刻に注目しています。リポーターのMelody Zhang氏は、職人の工房を訪ね、曲がりくねった木の根がどのように選ばれ、どのような発想で作品へと変わっていくのかを紹介しています。
職人たちの手元や、完成した作品の細部を通して見えてくるのは、時間をかけて素材と向き合う姿勢と、「他の人には見えない美しさを見る」視点です。デジタル化が進む2025年のいまだからこそ、こうしたアナログな手仕事の価値が、国際ニュースとしても改めて見直されていると言えるでしょう。
読者への小さなヒント
浙江の木の根彫刻の物語は、遠い地域の伝統工芸であると同時に、私たちの日常の感覚にもつながる話題です。通勤途中やスキマ時間に、周りを少しだけ違う目で見てみると、身近な「木の根」のような存在が、新しいアイデアの源になるかもしれません。
国際ニュースを日本語で追いかけることは、世界のどこかの職人たちの視点を借りて、自分のものの見方を静かにアップデートしていくことでもあります。浙江・ゲンユエン鎮の根彫刻は、その一つのきっかけになりそうです。
Reference(s):
Zhejiang's root carving masters turn discarded roots into treasures
cgtn.com








