国際ニュース:UN@80で語られた「教育こそSDGsの土台」 video poster
質の高い教育こそが、貧困を根本からなくし、持続可能な開発目標(SDGs)のすべてを支える土台だ――。そんなメッセージが、国連の80年を見据えた取り組み「UN@80」に関連する場で語られました。本記事では、その発言のポイントと、国際ニュースとしての意味を分かりやすく整理します。
UN@80で語られた「教育はすべての目標の土台」
発言したのは、ナイジェリアのNorthern Surveyors Forum of Nigeria(測量の専門家ネットワーク)の代表を務めるAmeh Glory Ene-dugbo-ojoさんです。Ene-dugbo-ojoさんは、「質の高い教育には、イノベーション(技術革新)を促し、創造性を刺激し、新しいアイデアを生み出し、そして本当に貧困をなくす力がある」と強調しました。
さらにEne-dugbo-ojoさんは、こう続けています。質の高い教育は、人生を通じて結果を出すための知識を与えてくれるだけでなく、自分の考えを自信を持って伝える力も育ててくれる、と述べました。
質の高い教育がもつ4つの力
今回のメッセージは、一見すると当たり前に聞こえるかもしれませんが、SDGs達成に向けた議論が続く2025年現在だからこそ、改めて重みを持ちます。Ene-dugbo-ojoさんが示した「質の高い教育」の力を、整理すると次の4つに集約できます。
- イノベーションを生み出す力:新しい技術やサービス、ビジネスを生み出す人材を育てる
- 創造性を刺激する力:既存の枠組みにとらわれない発想や芸術・文化の創造を支える
- 新しいアイデアを生み出す力:社会問題の解決策や、持続可能な暮らし方の提案につながる
- 貧困を本当に根絶していく力:安定した仕事や収入源につながるスキルを身につけることで、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切る
これらはどれも、SDGsが掲げる他の目標――気候変動への対応、ジェンダー平等、健康、産業や都市づくりなど――を前に進めるための基礎となる要素です。
なぜ「すべてのSDGsの土台」なのか
Ene-dugbo-ojoさんは、「質の高い教育は、他のあらゆる持続可能な開発目標の土台だ」と語りました。この言葉の背景には、次のような現実があります。
- 教育を受けていないと、健康情報や防災情報を正しく理解できず、命や生活を守りにくくなる
- 読み書きや数的理解が不十分だと、金融サービスや行政サービスにアクセスする際に不利になりやすい
- 環境問題や人権に関する知識がなければ、持続可能な選択や社会参加が難しくなる
逆に言えば、質の高い教育が広がれば、個人の生活の質が上がるだけでなく、地域社会や国家、国際社会全体の課題解決が加速します。教育への投資は、ほかの政策分野よりも時間はかかるものの、中長期で見れば最もリターンの大きい投資と言えるかもしれません。
「自分の考えを伝える自信」を育てるという視点
今回の発言で印象的なのは、教育の役割を単なる知識の習得にとどめず、「自分の考えを自信を持って表現できるようにすること」だと位置づけている点です。
国際ニュースでは、しばしば「声を上げられない人々」の存在が取り上げられます。教育は、その「声」を育てるための重要なインフラでもあります。
- 会議や職場で、根拠を示しながら意見を述べられる
- 社会問題について、自分なりに情報を集め、判断し、議論に参加できる
- 選挙や地域の話し合いで、自分の利害や価値観を言葉にできる
Ene-dugbo-ojoさんの言う「生涯にわたって結果を出すための自信」は、こうした日常の場面にもつながっています。
日本の私たちにとっての「質の高い教育」とは
では、日本でニュースを読む私たちにとって、このメッセージはどのような意味を持つのでしょうか。日本では義務教育の就学率は高いものの、「質の高い教育」の中身については、いまも議論が続いています。
たとえば、次のような問いかけが考えられます。
- テストの点数や進学実績だけでなく、「自分の考えを言語化する力」を十分に育てられているか
- AIやデジタル技術が当たり前になった2025年現在、子どもから大人まで「学び直し」の機会が開かれているか
- 貧困や地域格差によって、必要な教育リソースへのアクセスに差が生まれていないか
こうした視点で国内の教育を見つめ直すことは、国際ニュースとしてのUN@80のメッセージを、日本社会の課題と結びつけて考えるきっかけになります。
SDGsの「残り5年」に向けて
SDGsの目標年とされる2030年まで、2025年末の今はおよそ残り5年です。各国が進捗を問われる中で、「教育をどう位置づけるか」は、ますます重要なテーマになっています。
今回のAmeh Glory Ene-dugbo-ojoさんの発言は、SDGsの個別目標を追いかける前に、「まず教育という土台を整えることが必要ではないか」という問いを私たちに投げかけています。
ニュースを読む一人ひとりが、自分自身の学び方や、身近な教育環境、そして社会全体の教育への投資について考えること。それ自体が、持続可能な未来へ向けた小さな一歩なのかもしれません。
Reference(s):
UN@80: Education is the foundation of sustainable development goals
cgtn.com








