中国経済、7月も堅調成長 ハイテク製造とECがけん引
2025年7月の中国経済は、工業生産や個人消費が堅調に推移し、ハイテク製造や電子商取引が成長をけん引しました。国家統計局の最新データから、その中身を整理します。
工業生産:ハイテクと設備製造が全体を押し上げ
中国の7月の工業生産は前年同月比5.7%増と、安定した伸びを維持しました。特に、設備製造とハイテク製造が全体を上回る伸びを示しています。
- 工業生産全体:前年同月比5.7%増
- 設備製造:同8.4%増
- ハイテク製造:同9.3%増
ハイテク製造の伸び率が全体を大きく上回っていることは、先進的な生産力を育成するという中国の政策方針が、実際の数字として表れているとも言えます。
個人消費とEC:内需の底堅さが続く
内需を示す小売売上高も、7月は前年同月比3.7%増と拡大しました。金額ベースでは3兆8800億元に達し、日常消費からサービスまで幅広い分野で需要が続いていることがうかがえます。
- 7月の社会消費品小売総額:3兆8800億元(前年同月比3.7%増)
- 1〜7月累計の小売売上高:28兆4000億元(前年同期比4.8%増)
中でも電子商取引(EC)は、依然として成長のけん引役です。
- 1〜7月のオンライン小売売上高:前年同期比9.2%増
- 物品系オンライン販売が、社会消費全体の24.9%を占める
オンライン経由のモノの買い物が、小売全体の約4分の1を占める水準まで高まっていることは、中国の消費行動のデジタルシフトが一段と進んでいることを示しています。
投資と不動産:構造調整が続く
1〜7月の固定資産投資(農家を除く)は前年同期比1.6%増と、全体としては落ち着いた伸びにとどまりました。一方で、不動産開発を除くと5.3%増となり、分野によって明暗が分かれています。
- 固定資産投資(農家除く):前年同期比1.6%増
- 不動産開発を除く固定資産投資:同5.3%増
不動産分野の調整が続く中で、インフラや製造業など他の分野への投資を増やす構造転換が進んでいると見ることができます。
物価動向:CPIは安定レンジに
物価も大きな乱高下は見られず、消費者物価指数(CPI)は7月の前年同月比が横ばい、前月比では0.4%上昇となりました。
- 7月のCPI:前年同月比0.0%、前月比0.4%上昇
- 1〜7月のCPI:前年同期比0.1%下落
年初からの累計ではわずかなマイナスとなっており、全体として物価水準は落ち着いています。インフレが過度に加速していないことは、政策運営の余地を確保するうえでも重要です。
2025年上期のGDP:世界経済の安定装置として
今回の7月統計は、2025年上半期の国内総生産(GDP)が前年同期比5.3%増と、市場の予想を上回る成長を記録した流れの中で公表されました。
安定した成長率を維持していることは、世界経済が不透明さを増す中で、中国経済が安定装置として機能していることを示しています。生産と消費、オンライン経済とハイテク分野が組み合わさり、新しい成長ドライバーが形になりつつあると言えるでしょう。
国家統計局も、国民経済は着実な回復を続け、新たな成長ドライバーが勢いを増し、高品質な発展が新たな進展を遂げていると評価しています。
日本の読者にとってのポイント
日本の読者にとって、今回のデータから押さえておきたいポイントは次の通りです。
- ハイテク製造やデジタル経済が、成長の主役になりつつある
- オンライン消費の拡大は、中国の生活者の行動変化を映す重要な指標である
- 不動産分野の調整と、他分野への投資シフトが同時進行している
- 物価は安定しており、急激なインフレやデフレのリスクは抑えられている
こうした流れは、日本企業のビジネス機会や、日本から中国市場を見るときの視点にも影響を与えます。今後も、ハイテク産業やEC、サービス消費、投資の構造変化がどのように進むのかが注目点となりそうです。
2025年も残りわずかとなる中で、7月の数字は、中国経済が安定成長と構造転換を同時に進めていることを示す一つのスナップショットと言えます。
Reference(s):
China's economy grows steadily in July as high-tech sector accelerates
cgtn.com








