中国とSCO加盟国の貿易が2,477億ドル デジタル・グリーン協力も拡大
中国と上海協力機構(SCO)加盟国との貿易が、2025年前半(1〜6月)に2,477億ドルに達しました。デジタル経済やグリーン開発分野での協力も広がっており、地域の経済地図に静かな変化が生まれています。
2025年前半の貿易額は2,477億ドル
中国商務省によると、2025年上半期の中国とSCO加盟国との貿易額は2,477億ドルに達しました。2,500億ドルに迫る水準で、通年でも高い貿易ボリュームが続く可能性があります。
過去5年間、中国とSCO加盟国との年間貿易額は、3,000億ドル、4,000億ドル、5,000億ドルと節目を次々と上回り、2024年には過去最高の5,124億ドルを記録しました。前年から2.7%の増加となり、この拡大傾向が2025年にも続いていることがうかがえます。
輸出は機械・自動車、輸入は資源が中心
今回の発表によると、中国のSCO加盟国向けの主な輸出品は次の通りです。
- 機械類・電気機器
- 自動車および自動車部品
- 衣類(ガーメント)
- 化学製品
一方、SCO加盟国からの輸入は、次の品目が大きな割合を占めています。
- 原油・天然ガス
- 農産物
- 石炭
- 鉱石
輸出が工業製品中心、輸入がエネルギーや資源・食料という構図がはっきりしており、中国とSCO加盟国の間で相互補完的な貿易関係が築かれていることが分かります。
5,000億ドル超へと成長したSCO貿易
中国とSCO加盟国との貿易は、この5年で段階的に拡大してきました。貿易額が3,000億ドル、4,000億ドル、5,000億ドルと節目ごとに上積みされ、2024年には5,124億ドルに達しています。
その流れの中で、2025年前半の2,477億ドルという数字は、SCO枠組みの経済的な存在感がなお強まっていることを示しています。単なる一時的な伸びではなく、持続的な拡大局面にあるとみることができます。
投資残高は400億ドル超 エネルギーからデジタルへ
貿易だけでなく、投資や経済・技術協力も着実に進んでいます。2025年6月時点で、中国のSCO加盟国向け対外直接投資の残高は400億ドルを超えました。
投資は、エネルギーや鉱業、インフラといった従来型の分野に加え、次のような新しい領域にも広がっています。
- デジタル経済
- グリーン開発(環境配慮型の成長)
- 5G通信
- インターネット関連サービス
- スマートシティ(情報技術を活用した都市運営)
中国企業は、5Gやインターネット、スマートシティなどの分野でSCO加盟国との協力を深め、現地産業のデジタル化や近代化を支援しているとされています。
デジタル・グリーン分野の協力が持つ意味
デジタル経済やグリーン開発への協力が広がることは、単なる貿易額の拡大とは異なる意味を持ちます。
- 5Gやスマートシティの整備は、金融や物流、行政サービスのデジタル化を促し、ビジネスのやり方そのものを変える可能性があります。
- グリーン開発への取り組みは、エネルギー効率の改善や環境負荷の低減などを通じて、中長期的な成長モデルの転換につながると考えられます。
- こうした分野での協力は、単発の建設プロジェクトではなく、長期的な運営やサービス提供を伴う「関係性の深い経済協力」に発展しやすいという特徴があります。
貿易額の数字だけを見るのではなく、「どの分野で」「どのような形で」協力が進んでいるのかを追うことが、今後のSCOの動きを読み解くカギになりそうです。
日本にとっての論点:エネルギーとルール作り
今回の動きは、日本を含む周辺地域にも、少なくとも次の二つの観点で影響を与え得ます。
- エネルギー・資源市場への影響
中国とSCO加盟国の間で原油や天然ガス、鉱石などの取引が安定して増えれば、世界の資源の流れや価格形成にもじわじわと影響する可能性があります。 - デジタル・グリーン分野の「ルール作り」
5Gやスマートシティ、グリーン開発などの分野では、どのような技術や運用ルールが標準になるかが重要です。SCOを軸にした協力が進むことで、この地域発の基準や慣行が国際的な議論にも反映されていくかもしれません。
2025年12月時点で見ると、中国とSCO加盟国の協力は「モノの貿易」から「デジタル・グリーンを含む包括的な経済連携」へと少しずつ広がりつつあります。数字の大きさだけでなく、その内訳や質に注目することが、これからの国際ニュースを読み解くうえで重要になりそうです。
Reference(s):
China's trade with other SCO states nears $250 bln in H1 2025
cgtn.com








