中国EV大手BYD、鄭州に「運転遊び場」 EV文化づくりのねらいは? video poster
中国中部の都市・鄭州で、電気自動車(EV)最大手のBYDが、ドリフトやオフロード、水上走行などを体験できるドライビングパークをオープンしました。単にクルマを売るだけでなく、運転そのものを楽しむための遊び場をつくる動きは、中国のEV市場で進む「EV文化」づくりの象徴ともいえます。
鄭州に誕生した「運転遊び場」
この新しい施設は、BYDのEVを使いながら、さまざまな路面やシチュエーションで走りを試せる体験型のパークです。中国の国際メディアCGTNの動画では、王天宇記者が実際にコースを走行し、ショールームを超えたEVの楽しみ方を紹介しています。
公開されている情報によると、用意されている主なコンテンツは次のようなものです。
- ドリフト走行コース
- 凹凸のある路面を走るオフロードコース
- 浅い水面の上を走り抜ける水上走行コース
- そのほか、さまざまな走行体験メニュー
これらのコースでは、加速感や安定性といったEVならではの走りを、日常とは違うシチュエーションで体感できます。遊園地のような感覚で楽しみつつ、クルマとの付き合い方を広げるきっかけにもなりそうです。
「クルマを売る」から「文化をつくる」へ
今回のBYDの取り組みの背景には、中国のEV市場が成熟し、単に新しい車種を投入するだけでは差別化が難しくなっているという状況があります。電池やモーターといったハードウェアの性能競争に加え、どんな体験を提供できるかが重視される段階に入っていると考えられます。
EVシーンが目指す「カルチャー」
中国のEVシーンは、車両そのものだけでなく、
- 試乗やドライビングイベント
- オーナー同士のコミュニティづくり
- オンライン動画やライブ配信を通じた情報発信
などを通じて、生活スタイルや趣味と結びついたカルチャーとして広がりつつあります。鄭州のドライビングパークは、その一つの象徴的な例と言えるでしょう。
日本の自動車市場への示唆
日本でもEVの普及が課題となる中で、充電インフラや航続距離といった機能面に議論が集中しがちです。一方で、BYDのように体験型の施設を整備し、乗って楽しい、共有したくなる場をつくる発想は、日本の自動車メーカーや自治体にとってもヒントになりそうです。
とくに、
- SNSで映えるコンテンツ
- 家族や友人と一緒に楽しめるアクティビティ
- 安全に限界性能を試せる環境
といった要素を組み合わせることで、若い世代にとってのEVの魅力を、スペック以上に直感的に伝えられる可能性があります。
SNS時代に広がる「EVの楽しみ方」
CGTNの記者が実際に走行を体験する動画コンテンツは、視聴者が自分ごととしてEVをイメージするきっかけになります。ドリフトや水上走行のようなインパクトのあるシーンは、短いクリップとしてSNSで共有されやすく、EVブランドの認知を広げるうえでも効果的です。
今後、こうした体験型パークやイベントは、中国だけでなく他の国や地域にも広がっていく可能性があります。EVを単なる移動手段ではなく、楽しめるテクノロジーとしてどう見せていくのか。鄭州に登場したBYDの運転遊び場は、その問いに対する一つの回答として注目されています。
Reference(s):
cgtn.com








