米国の牛肉価格が過去最高に 牛飼育頭数減少とインフレの裏側 video poster
米国で牛肉の値段がこれまでにない水準まで上がっています。今年7月の小売牛肉価格は過去最高を更新し、前年同月比で10%超の上昇となりました。8月のインフレ率2.7%を大きく上回るこの値上がりは、世界の食料市場と日本の食卓にも静かに影響を及ぼしつつあります。
中国の国際ニュース専門チャンネルCGTNのRoza Kazan記者は、この動きの背景に、牛の飼育頭数の減少と、それでも続く消費者の強い需要があると伝えています。本記事では、その構図を日本語で整理し、国際ニュースとしての意味を考えます。
記録的な牛肉価格、その数字が示すもの
今回の特徴は、牛肉価格の上昇ペースが、米国全体の物価上昇率を大きく上回っている点です。
- 小売牛肉価格:今年7月に過去最高を更新
- 前年同月比:10%超の上昇
- 8月のインフレ率:2.7%にとどまり、牛肉の値上がりが突出
インフレ率が2.7%のときに、特定の品目だけが10%以上値上がりしているということは、その品目の「相対的な値段」が上がっていることを意味します。家計にとっては、同じ金額で買える牛肉の量が目に見えて減っていく状況です。
牛飼育頭数の減少と供給の壁
背景には、米国で牛の飼育頭数が減少していることがあるとされています。牛の数が減れば、市場に出回る牛肉の量も減り、供給が絞られる方向に働きます。
一般的に、次のような流れが起きやすくなります。
- 牛の飼育頭数が減る
- と畜される牛が少なくなり、市場に出る牛肉の量も減る
- 供給が減る一方で需要が大きく変わらなければ、価格は上がりやすくなる
牛の飼育には時間とコストがかかるため、一度頭数が減ると、短期間で元の水準まで戻すのは簡単ではありません。この「時間がかかる」という構造が、価格高止まりを招きやすい要因の一つといえます。
高くても買う、米国の消費者心理
興味深いのは、これだけ牛肉価格が上昇しても、米国の消費者がなお牛肉を買い続けている点です。Roza Kazan記者のリポートでも、消費者は依然として牛肉を選んでいるとされています。
その背景には、一般的に次のような要素があると考えられます。
- 生活や食文化の中で、牛肉が「当たり前の選択」になっている
- 休日のバーベキューや外食など、牛肉を楽しむ場面が多い
- 多少高くなっても、すぐには他の食材に切り替えにくい
価格が上がっても需要があまり落ちない商品は「需要が比較的硬い(価格に鈍感)」と表現されます。牛肉は、米国ではその典型の一つといえるかもしれません。
日本の食卓への影響は?
今回のニュースは、遠い国の話に見えますが、日本の消費者にとっても無関係とはいえません。グローバルな食料市場では、一つの大きな国で価格が動けば、時間差を伴って他地域の価格にも影響が及ぶことが多いからです。
特に次のような点で、日本も間接的な影響を受ける可能性があります。
- 世界全体の牛肉価格が押し上げられる
- 円安局面では、ドル建ての牛肉価格上昇が輸入コストの増加につながりやすい
- 外食チェーンやスーパーなどで、牛肉メニュー・商品の価格見直しが進む可能性
日本のニュースとしてこの動きを見ておくことは、「なぜ自分たちの国でも食料品が上がっているのか」を考えるヒントにもなります。
値上がり時代の食との付き合い方
今回の米国の牛肉価格高騰は、世界的な物価上昇と食料をめぐる不確実性を象徴する動きの一つといえます。家計の立場からは、次のような視点を持つことがこれから一層重要になりそうです。
- 特定の食材に偏らず、価格動向を見ながら柔軟にメニューを組み立てる
- 牛肉だけでなく、鶏肉や豆製品など、他のたんぱく源とのバランスを考える
- 食材を無駄にしないことで、値上がり分を少しでも吸収する
国際ニュースとしての米国の牛肉価格高騰は、単なる「海外の物価の話」ではなく、私たちの日々の買い物や食の選択ともつながっています。世界の動きを日本語で丁寧に追いながら、自分の暮らし方をアップデートしていく視点が求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








