中国の最新「世界貿易摩擦」データ インド・米国・ブラジルが上位
リード:中国国際貿易促進委員会(CCPIT)は2025年8月の定例記者会見で、世界の貿易摩擦の動向と中国の対外貿易の足元の強さを示す2つの最新データを公表しました。貿易摩擦はなお中高水準にある一方で、中国の対外貿易は今年最速の成長ペースに達していることが分かります。
世界の貿易摩擦は「中高水準」も、緩和の兆し
CCPITによると、2025年6月の世界貿易摩擦指数は92となり、中高水準の摩擦が続いています。それでも、全体としては緊張がやや和らぐ兆しも見られました。
緩和の背景としては、米国が相互関税の停止措置を延長したことなどが挙げられています。これにより、各国が新たな貿易摩擦措置を打ち出す動きは落ち着きつつあるとされています。
実際に、貿易摩擦に関する措置の価値の総額は、前年同月比で14.7%減、前月比でも13.7%減となり、前年や前月と比べて明確に縮小しました。
インド・米国・ブラジルが摩擦のホットスポット
CCPITは、主要20経済を対象に貿易摩擦の動きをモニタリングしています。このうち、インド、米国、ブラジルが最も高い貿易摩擦水準を記録しました。
特に米国は、貿易摩擦措置の価値ベースで最大の発出元となっており、過去12カ月連続で首位の座にあります。世界の貿易ルールや関税をめぐる議論の中心に、依然として米国が位置していることがうかがえます。
中国に対する貿易摩擦:指数は高水準だが、金額は減少
CCPITのデータでは、監視対象となっている20の経済のうち、19の国・地域が中国に関連する貿易摩擦指数を102とする高水準の状態にありました。全体として、中国をめぐる貿易摩擦は依然として強い関心を集めていることが分かります。
その中でも、インドの対中国貿易摩擦指数が最も高く、カメラ、ルーター、半導体チップなどの電子機器分野での紛争が中心となっています。
一方で、中国を対象とした貿易摩擦措置の価値は、
- 前年同月比で16.3%減
- 前月比でも13.6%減
となり、数値面では明確な縮小が見られました。指数は高水準を維持しつつも、実際に講じられている措置の規模は徐々に抑えられているという、複雑な姿が浮かび上がります。
商業証明書の発給増が示す、中国の対外貿易の底堅さ
貿易摩擦が続く一方で、中国の対外貿易そのものは力強さを増しています。CCPITによれば、2025年7月には中国の貿易促進システムを通じて発給された商業証明書が74万1,700件に達し、前年同月比で10.8%増加しました。
商業証明書は、輸出入取引に関わる企業が取引の信頼性や手続きの円滑化のために取得する各種書類です。その発給数が増えているということは、それだけ実際の貿易取引が活発になっていることを示します。
CCPITの分析では、こうした動きを背景に、中国の対外貿易は7月に今年最速の成長ペースを記録しました。世界の貿易摩擦がなお高水準にある中でも、中国の貿易活動が着実に拡大している構図が見て取れます。
数字から見える世界経済と企業への示唆
今回のデータは、世界貿易の現状を読み解くうえでいくつかのポイントを示しています。特に、日本を含むアジアの企業や投資家にとって、次のような点が示唆されます。
- 世界全体では貿易摩擦の水準はまだ高いものの、措置の規模は縮小傾向にある
- インド、米国、ブラジルは今後も貿易ルールや関税をめぐる議論の焦点となりやすい
- 中国に対する貿易摩擦は続いているが、実際の措置の金額は減少している
- 中国の対外貿易は、摩擦環境下でも高い成長モメンタムを維持している
企業にとっては、特定の国・地域や品目を巡る動向だけではなく、世界全体の摩擦水準と、それが実際の貿易量にどう結びついているかを総合的に見ることが重要になりそうです。
これから注視したいポイント
2025年12月現在、世界経済は依然として不確実性を抱えていますが、今回のCCPITのデータは貿易摩擦と貿易拡大が同時進行している現状を示しています。今後の注目点としては、次のようなテーマが挙げられます。
- 米国による相互関税停止措置がどこまで継続されるか
- インドをはじめとする新興経済が、電子機器など戦略分野でどのような貿易措置を取るか
- 中国の貿易促進システムが、企業の証明書取得や手続き支援を通じてどこまで取引を後押しするか
こうした動向は、サプライチェーンの再編や投資計画、価格戦略など、企業の具体的な意思決定にも直結します。数字の変化を追うことは、世界の貿易構造の変化をいち早く読み解く手がかりにもなります。
SNSで共有したい視点
貿易摩擦が続いていても、その中でどの国・地域が摩擦の中心となり、どの国が貿易を拡大しているのかを見ることで、世界経済の力学がより立体的に見えてきます。
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Reference(s):
cgtn.com








