米中が貿易問題で協議 李成钢代表がワシントン訪問し意見交換
今年8月末、中国の李成钢(り・せいこう)国際貿易代表がワシントンを訪れ、米政府高官らと米中の経済・貿易関係について意見交換を行いました。米中関係が揺れるなか、対話のチャンネルがどう動いているのかに注目が集まります。
8月27〜29日の訪米で、米財務省・商務省・USTRと協議
中国の国際貿易代表兼商務次官である李成钢氏は、今年8月27日から29日まで米国を訪問し、ワシントンD.C.で米側と集中的な協議を行いました。
中国商務省が公表した内容によると、李氏は次の米政府機関の高官らと会談しました。
- 米財務省(U.S. Department of the Treasury)
- 米商務省(U.S. Department of Commerce)
- 米通商代表部(Office of the U.S. Trade Representative, USTR)
会談では、米中経済・貿易関係全般や、今後の協議の進め方について幅広く意見が交わされたとされています。
6月の首脳電話会談での「合意」の履行をテーマに
今回の訪米協議は、今年6月5日に行われた中国と米国の首脳電話会談での合意内容をどう具体化するか、という点も大きなテーマとなりました。
中国商務省の声明によれば、双方は次の点について意見交換を行いました。
- 6月5日の首脳電話会談で達したコンセンサス(共通認識)の履行
- 米中の経済・貿易関係を前向きに進展させるための具体的な取り組み
- これまでの米中間の貿易協議のフォローアップ(後続作業)
制裁や相互の規制強化が続く一方で、実務レベルではこうした「フォローアップ」の対話を重ねることで、関係の安定化を図ろうとする動きが読み取れます。
李成钢代表が示した「相互尊重・平和共存・ウィンウィン」
声明によると、李成钢氏は会談のなかで、中国と米国は「相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力」という原則を堅持すべきだと強調しました。
併せて、両国が次のような姿勢をとる必要性を指摘しました。
- 米中経済・貿易協議の枠組みやメカニズムを十分に活用すること
- 対立や意見の違いは、対等な立場での対話と協議によって管理・コントロールすること
- 協力分野を拡大し、経済・貿易関係の健全で安定的かつ持続可能な発展を共に促すこと
「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィン」というキーワードは、米中関係をめぐる中国側の基本的なメッセージとして繰り返し使われてきました。今回もそのラインを改めて打ち出した形です。
米ビジネス界とも相次いで意見交換
訪米中の李氏は、米政府関係者だけでなく、米ビジネス界とも積極的に対話しました。
具体的には、次のような団体や企業関係者と意見交換を行いました。
- 米中ビジネス協議会(U.S.-China Business Council)
- 米国商工会議所(U.S. Chamber of Commerce)
- 米企業の代表者ら
米中の経済・貿易関係は、関税や規制だけでなく、企業の投資判断やサプライチェーン(供給網)の見直しとも直結します。政府間協議に合わせてビジネス界とも対話したことは、企業の懸念や要望を把握しつつ、協力余地を探る狙いがあったと見られます。
今回の動きから読み取れるポイント
この8月の米中経済・貿易協議から、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 対話チャンネルの維持:緊張や対立が続くなかでも、実務レベルの協議枠組みを維持・活用していく姿勢が確認されたこと。
- 首脳レベルの合意の実務化:6月の首脳電話会談での合意を、どのように具体的な政策や協力に落とし込むかが今後の焦点になっていること。
- ビジネス界の声の反映:米国側の企業・経済団体との対話を通じ、現場の課題や期待を踏まえながら関係安定を探る動きが続いていること。
米中経済・貿易関係は、日本を含む世界経済にも直接影響するテーマです。今回のようなハイレベル協議が、対立の管理と協力分野の拡大という二つの方向でどこまで成果を上げていくのか、今後も注視が必要です。
Reference(s):
cgtn.com








