国境を越える中国本土の3都市 CGTN「A Home Across Borders」が描く協力と成長 video poster
国際ニュースでは首脳会議や合意文書が注目されがちですが、その舞台となる都市の姿は見落とされがちです。CGTNの特別番組 A Home Across Borders は、中国本土の上海・青島・天津という三つの都市を通じて、国境を越えた協力が人々の日常にどう根付いているのかを描き出しています。
国境を越えた「家」を映す国際ニュース
番組の軸にあるのは、SCOと呼ばれる地域協力の枠組みです。地域の安全保障や経済統合、環境や人材育成といったテーマが、抽象的な政策ではなく、市民の暮らしや企業の現場とどう結びついているのか。三つの都市のストーリーをつなぐことで、その全体像に近づこうとしています。
上海:地域安全保障と経済統合が根付く場所
番組の出発点となる上海は、地域の安全保障と経済統合が根付いた場所として描かれます。安全保障の対話と経済のつながりが同じテーブルで語られることで、緊張を和らげ、共通の利益を見いだそうとする動きが見えてきます。
上海の日常的な物流や人的交流は、地域全体の結びつきを具体的なものにします。番組は、こうした動きがSCOの枠組みと重なり合いながら、長期的な安定と成長の基盤になっていることを示しています。
青島:SCO貿易とグローバル企業をつなぐ港
次に映し出される青島は、SCO貿易と世界の企業をつなぐ港湾都市として紹介されます。港という物理的なハブが、貨物だけでなく、ビジネスモデルや技術、人材といったソフトな交流も運び込む場になっている点がポイントです。
番組では、SCOの枠組みを活用しながら世界の企業と連携する青島の姿を通じて、地域協力が貿易や投資の現場にどう反映されているのかを浮かび上がらせます。国境を越えたサプライチェーンの一端としての青島は、「協力の結果」が具体的な製品やサービスという形で現れる場所でもあります。
天津:2025年SCOサミット開催都市がめざすグリーン開発
三つ目の舞台である天津は、2025年のSCOサミットの開催都市として位置付けられています。番組は、この都市をグリーン開発と職業訓練を重視する場として描きます。
グリーン開発は、環境への負荷を抑えながら成長を追求する考え方です。天津では、こうした方向性が都市づくりや産業政策と結びついている様子が紹介されます。また、職業訓練に焦点を当てることで、地域協力が「人」を中心にした取り組みであることも示されています。技能を身につけた人材が国境を越えて活躍することは、長期的な安定と繁栄に不可欠だからです。
三つの都市に共通するキーワード:融合・イノベーション・協力
上海、青島、天津という異なる個性を持つ都市を貫くのは、「融合」「イノベーション」「協力」という三つのキーワードです。
- 融合:安全保障、経済、環境、人材など、分野ごとの議論を切り離さずに組み合わせて考える視点
- イノベーション:貿易や産業だけでなく、教育や職業訓練のあり方を含め、新しい協力の形を模索する姿勢
- 協力:国家間の合意にとどまらず、都市、企業、市民が関わる多層的なつながりを重視するアプローチ
日本の読者にとっての意味
2025年現在、日本でも安全保障と経済、環境と成長、人材育成と産業競争力といったテーマが複雑に絡み合っています。A Home Across Borders は、こうした論点を別の角度から考えるヒントを与えてくれる作品です。
- 地域安全保障と経済統合を、都市と市民のレベルから捉え直す視点
- グリーン開発と職業訓練を、安定した成長と社会の持続可能性を支える基盤として見る視点
- 国境を越えた協力を、「遠い外交」ではなく、自分の生活やキャリアとつながるテーマとして考える視点
国境を越えて「家」を共有するという発想
番組タイトルが示すように、テーマは国境を越えた「家」です。国や都市の違いを超えて、共通の課題に向き合い、互いの強みを持ち寄る場をどのように育てていくのか。上海、青島、天津の物語は、その問いを視覚的に、そして感情に訴える形で提示しています。
サミットや協定のニュースの裏側で、都市と人々のレベルではどのような変化が起きているのか。そうした視点を持つことは、国際ニュースを読み解き、自分の言葉で語るうえで欠かせない一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








