習近平主席「共に近代化へ」上海協力機構首脳会議で協力強化を提唱 video poster
中国北部の港湾都市・天津で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で、習近平国家主席が「共に近代化へ」と呼びかけました。巨大市場と経済の補完性を生かし、エネルギーやデジタル経済、AIなど幅広い分野で協力を深めるべきだと強調しています。
天津で開かれた第25回SCO首脳会議
中国の習近平国家主席は、天津で開かれた第25回上海協力機構(SCO)加盟国首脳会議で基調演説を行いました。演説の中で、習主席は加盟国が持つ「巨大市場の強み」と、経済構造の「補完性」に言及しました。
これらの強みを生かすために、貿易や投資の円滑化を進める必要があるとし、制度や手続きの面から、よりスムーズなビジネス環境づくりを呼びかけています。
巨大市場と経済の補完性をどう生かすか
習主席が強調したのは、単に市場規模の大きさではなく、「お互いの違い」を生かすという発想です。産業構造や資源、技術レベルが異なる国同士が連携することで、単独では実現しにくい成長の余地が広がります。
- 関税や手続きの簡素化などによる貿易の円滑化
- 投資ルールの透明性向上による企業活動の後押し
- サプライチェーン(供給網)の安定化に向けた連携強化
こうした方向性は、加盟国同士の経済関係をより長期的・戦略的なものにしていく狙いがあると考えられます。
エネルギーからAIまで、広がる協力分野
習主席は、協力を深めるべき分野として、エネルギー、インフラ、グリーン産業、デジタル経済、科学技術イノベーション、人工知能(AI)などを挙げました。いずれも、今後の世界経済を左右する重要なテーマです。
グリーン産業とインフラ
グリーン産業とは、環境負荷を抑えながら成長を目指す産業全般を指します。再生可能エネルギーや省エネ技術、電気バスなどの新エネルギー車もその一例です。
たとえば、2023年にはカザフスタンの首都アスタナで、中国製の新エネルギーバスが導入されました。こうした事例は、エネルギー転換や都市インフラの近代化に向けた協力のイメージを具体的に示しています。
デジタル経済とAI
デジタル経済やAIは、金融、物流、製造、サービスなどあらゆる分野を変えつつあります。習主席の発言は、加盟国がデジタル技術を共有しながら、新しいサービスやビジネスモデルを生み出していく方向性を示すものといえます。
科学技術イノベーションも含め、データや人材、研究成果をどう安全かつ効果的に活用していくかが、今後の具体的な議論の焦点になりそうです。
「共に近代化へ」というメッセージ
習主席は、「互いの長所を引き出し合い、共に近代化へと歩んでいくべきだ」と強調しました。「一緒に前に進む」ことと「それぞれの強みを尊重する」ことを両立させようとするメッセージだと読むことができます。
単独での成長ではなく、「共通の未来」を見据えた協力をめざすという言葉は、地政学的な緊張や分断が語られがちな今の国際情勢の中で、別の方向性を示すものでもあります。
日本の読者にとっての意味
今回のSCO首脳会議での発言は、日本にとっても決して遠い話ではありません。エネルギー安全保障、気候変動対策、デジタル経済、AIのルール作りなど、多くのテーマが日本の議論とも重なります。
- 関係国とのエネルギー・インフラ協力の行方
- グリーン産業やデジタル分野での新たなビジネス機会
- AIやデータの国際ルール作りにおける各国のスタンス
国際ニュースを追う際には、「誰が」「どの場で」「どんな未来像を語っているのか」をセットで見ることで、自分なりの視点が見えてきます。今回の習近平国家主席の演説も、その一つの材料として、今後の動きを丁寧に追っていく価値がありそうです。
Reference(s):
President Xi: SCO should march toward modernization hand in hand
cgtn.com








