インクルーシブが中国ファッションの核に 2〜3兆元市場のいま video poster
中国のファッション市場が2025年に2〜3兆元規模へと成長すると予測されるなか、「インクルーシブ(包摂)」と「ダイバーシティ(多様性)」を前面に押し出した新しい中国ファッションが、いま北京で注目を集めています。
中国ファッション市場、2025年に2〜3兆元規模へ
中国ファッション消費発展報告によると、中国のファッション市場は2025年に2兆元から3兆元、ドル換算で約4,207億ドルの規模に達すると見込まれています。この巨大なファッション市場は、中国の消費アップグレードをけん引する重要なエンジンと位置づけられています。
衣料品やアクセサリーといったモノの購入だけでなく、ファッションショー、デザイン、コンテンツ配信などの体験やサービスも含めた「ファッション消費」が伸びていることが背景にあります。
北京で中国ファッションウィーク(秋)開催
そうしたなか、今週は北京で中国ファッションウィーク(秋)が開催されています。会場には国内外のブランドやデザイナー、バイヤーが集まり、最新コレクションだけでなく、中国のファッション産業の未来について議論が交わされています。
国際メディアのCGTNのLi Mengyuan記者は、イベントの現場でファッション業界の関係者にインタビューし、「いまの中国ファッションにとってインクルーシブとダイバーシティがどのような意味を持つのか」を掘り下げています。
インクルーシブとダイバーシティが「核」になる理由
かつてのファッションショーは、限られた体型や年齢、スタイルのモデルが中心でしたが、中国ファッションウィークでは、多様なバックグラウンドを持つ人々を取り入れようとする動きが目立ちます。関係者は、ファッションを「一部の人のための特別なもの」ではなく、「より多くの人が自分らしさを表現できる場」へと変えていきたいと語っています。
- 体型やジェンダー、年齢の多様性を尊重したキャスティング
- 地域や民族ごとの文化を取り入れたデザイン
- サステナビリティ(持続可能性)を意識した素材や生産プロセス
こうしたキーワードは、単なるイメージ戦略ではなく、ファッションを通じて社会の多様性を認め合うメッセージとして発信されているといえます。
「ファッションとは何か」を問い直す中国の若い世代
中国では、オンラインで情報を集めるデジタルネイティブ世代が、ファッションの主要な消費層になっています。彼らにとって、ファッションは流行を追うだけのものではなく、自分の価値観やアイデンティティを表現するための手段です。
中国ファッションウィークの会場でも、「ファッションは自分のストーリーを語るための言語だ」といった声が聞かれています。ブランド側も、単に商品を販売するのではなく、ストーリーやコンセプトを丁寧に伝えることで、共感を得ようとしています。
経済的インパクトとビジネスチャンス
市場規模が2〜3兆元に達すると予測される中国のファッション産業は、デザイナーやブランドだけでなく、物流、テクノロジー、エンターテインメントなど周辺産業にも大きなビジネスチャンスを生み出します。
例えば、ライブ配信を活用したオンライン販売、バーチャル試着などのデジタル技術、サステナブル素材の開発といった分野では、新しいサービスやスタートアップが次々と登場しています。ファッションは、製造業やデジタル産業をつなぐハブのような存在になりつつあります。
日本を含むアジアの企業にとっても、中国のインクルーシブなファッションの潮流を理解することは、協業や市場開拓のヒントになるでしょう。
中国ファッションから私たちが学べること
今回の中国ファッションウィーク(秋)で浮かび上がるのは、「多様性を受け入れることが、経済成長と矛盾しないどころか、その原動力にもなり得る」という視点です。
ファッションは一見、華やかなトレンド情報のように見えますが、その裏側には、社会の価値観の変化や、人々がどのように共生していくかという問いが隠れています。中国の現場から伝わるインクルーシブとダイバーシティの試みは、国や地域を越えて共有できるテーマだといえるでしょう。
ニュースとして中国ファッションを追いかけることは、単に「どんな服が流行しているか」を知るだけでなく、「これからのアジア社会をどんなかたちにしていきたいのか」を考えるきっかけにもなります。
Reference(s):
cgtn.com








