北京で2025年サービス貿易見本市 85カ国参加とデジタル技術が主役
2025年の中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)が北京で開幕しました。デジタル技術と開かれた市場を前面に掲げたこの国際ニュースは、サービス貿易の行方を考えるうえで日本の読者にとっても無視できない動きです。
2025年CIFTISが北京で開幕
中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)は、水曜日に北京で始まりました。ことしのテーマは「Embrace Intelligent Technologies, Empower Trade in Services(インテリジェント技術を受け入れ、サービス貿易をエンパワーする)」で、デジタル技術を通じてサービス貿易を活性化し、市場をより開かれたものにしていこうというメッセージが打ち出されています。
会場全体を通じて、「オープンな市場」と「デジタルイノベーション」がキーワードになっている点が、今回の国際イベントの特徴です。
初の首鋼園単独開催 産業遺産がビジネスの舞台に
2025年のCIFTISは、北京の首鋼園(Shougang Park)で初めて全体が開催されています。首鋼園は、およそ3平方キロメートルに広がる産業遺産エリアで、北京2022冬季オリンピックの会場としても使われた場所です。
工業の象徴だった場所が、いまはデジタルサービスや先端技術をテーマにした国際見本市の舞台となっている構図は、経済の重心が「モノ」から「サービス」へと移りつつある時代の変化を象徴しているとも言えます。
85カ国・国際機関と約2000社が参加
ことしのCIFTISには、オーストラリアやドイツ、世界知的所有権機関(WIPO)などを含む85の国と国際機関が参加しています。世界各地から幅広いプレーヤーが集まっていることは、このサービス貿易の見本市がグローバルな対話の場になっていることを示しています。
出展企業はほぼ2000社にのぼり、そのうちおよそ500社はフォーチュン・グローバル500に名を連ねる大企業です。ウォルマート、アストラゼネカ、KPMGなど業界をリードする企業も名を連ねています。
参加者は、サービス貿易の規模で世界上位30の国と地域のうち26の国と地域から集まっているとされ、サービス分野で存在感の大きい経済圏が一堂に会していることになります。
なぜ「サービス貿易」がこれほど重要なのか
サービス貿易とは、モノの輸出入ではなく、金融、IT、通信、観光、教育、医療、エンターテインメントなど、形のないサービスが国境をまたいで取引されることを指します。近年、世界経済の中でサービス分野の比重が高まり、各国が成長戦略の要として位置づけるようになっています。
サービス貿易が注目される背景には、次のような流れがあります。
- インターネットやクラウド、AIなどの普及により、ソフトウエアやデジタルコンテンツ、オンライン教育などが国境を越えやすくなっていること
- 高齢化や都市化の進展により、医療・介護、金融、物流などの高度なサービスへの需要が増していること
- 観光や留学、ビジネス出張など人の移動が増え、移動に伴うサービス消費が拡大していること
こうしたなかで、サービス貿易をめぐるルールや市場アクセスをどう設計するかは、各国にとって戦略的な課題になっています。CIFTISのような国際見本市は、その方向性を探る一つの場だといえます。
日本の読者・企業にとっての意味合い
日本語で国際ニュースを追う私たちにとっても、北京でのCIFTISの動きは他人事ではありません。日本企業やスタートアップ、フリーランス人材にとって、サービス貿易の潮流は働き方やビジネスチャンスの形を変え得るからです。
- アジア発のデジタルサービスが存在感を増すことで、日本発のサービスがどのように差別化し、連携していくのかを考えるきっかけになる
- 海外市場を視野に入れたスタートアップやIT企業にとって、どの分野のサービスに国際的な需要が集まっているのかを読み解くヒントになる
- 個人としても、IT、金融、観光、医療などサービス分野でのスキルが、国境を越えて評価される時代が加速していることを意識するきっかけになる
ニュースを「自分ごと」として捉えるかどうかで、同じ国際ニュースでも見え方は大きく変わります。サービス貿易をめぐる動きは、キャリア選択や学びの方向性にもつながるテーマです。
開かれた市場とルールづくりの行方
今回のCIFTISは、「開かれた市場」と「デジタルイノベーション」を掲げ、多くの国と企業を北京に引きつけました。参加国・地域や国際機関の顔ぶれからは、サービス貿易の世界で対話と協力の重要性が増していることがうかがえます。
2025年という節目の年に、サービス貿易をテーマにした国際的な対話の場がどのように進化していくのかは、今後の世界経済やデジタル経済の行方を占ううえで注目すべきポイントです。読者のみなさんも、「モノではなくサービスが動く世界」で自分たちはどのように関わっていくのか、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
China service trade fair: Global participation, open markets
cgtn.com








