米国の輸出管理リスト追加に中国商務省が強く反発 半導体など複数企業
米国が中国企業を対象とする輸出管理措置を強化したことに対し、中国商務省が「一方的でいじめのような行為だ」と強く反発しました。半導体やバイオなど先端分野が狙われた今回の動きは、米中関係と世界のサプライチェーンにどんな影響を及ぼすのでしょうか。
米国が中国企業を輸出管理リストに追加
中国商務省によりますと、米国商務省は、複数の中国企業や関連機関を輸出管理リストに新たに追加しました。対象となったのは、
- 半導体
- バイオテクノロジー
- 航空・宇宙
- 商業・貿易ロジスティクス(物流)
といった分野の企業などです。
中国商務省の報道官は、この発表を受けた声明で、米国の対応を「一方的でいじめのようなやり方だ」と厳しく批判しました。
中国商務省「安全保障を口実に制裁を乱用」
報道官はまず、米国が国家安全保障を理由に制裁を拡大している点を問題視しました。
声明では、「米国は国家安全保障の概念を過度に拡大し、輸出管理措置を乱用して中国企業に制裁を科している」と指摘。国際秩序と国家安全保障を守ると説明しながら、実際には「一方主義的でいじめのような行為」であり、自国の利益を他国の発展の権利よりも優先していると批判しました。
さらに、こうした措置は
- 世界の市場を大きくゆがめる
- 企業の正当な権益を損なう
- グローバルな供給・産業チェーンの安全と安定を脅かす
と強調し、米国の輸出管理措置が国際経済全体にも悪影響を与えかねないとの見方を示しました。
輸出管理リストに載ることの意味
輸出管理リストに名前が挙がると、当該企業や機関に対する製品・技術の輸出は、原則として厳格な審査や制限の対象となります。先端技術や重要部品を扱う半導体やバイオ、航空・宇宙分野では、とくに影響が大きくなりがちです。
また、サプライチェーンに中国企業が深く組み込まれている物流分野がリストに含まれたことで、国境を越えた貿易や製造の現場にも不確実性が広がる可能性があります。
スペインでの米中経済・貿易協議を前にした動き
中国商務省の報道官は、中国と米国がスペインで経済・貿易協議を行う日程になっていることにも言及しました。協議は9月14日から行われる予定だとしたうえで、「そのような状況の中で米国が中国企業に制裁を科すことは、その真意に疑問を投げかける」と述べています。
経済・貿易協議は、摩擦が続く米中関係において対話の場と位置づけられてきました。その一方で、今回のように協議の前後に制裁や輸出規制が発表されると、双方の不信感が高まりやすく、合意形成を難しくする要因にもなりえます。
中国「必要な措置で企業の権益を守る」
中国商務省は、米国に対して「直ちに誤った行為を正し、中国企業に対する不合理な抑圧をやめるよう」求めました。そのうえで、中国としては「中国企業の正当な権益を断固として守るために必要な措置を取る」とし、今後の対応も辞さない姿勢を示しています。
どのような「必要な措置」が取られるのか、具体的な中身は現時点で示されていませんが、関税や独自の制限措置など、様々な選択肢が意識される局面です。
世界のサプライチェーンへの波紋
今回の措置で対象となった半導体やバイオテクノロジー、航空・宇宙、物流は、いずれも世界経済を支える重要な分野です。特定の国や企業に対する輸出規制が強まると、
- 製品や部品の調達リスクの高まり
- 供給網の再構築に伴うコスト増
- 研究開発や技術協力の停滞
などが連鎖的に起こる可能性があります。
とくに、すでに半導体不足や物流の混乱を経験してきた世界の企業や消費者にとって、米中間の緊張は「遠い世界の話」ではなく、価格や供給の安定性に直結しうる問題です。
これからの注目ポイント
今回の米国の輸出管理強化とそれに対する中国の反発は、単発のニュースにとどまらず、今後の国際経済の方向性を占う材料でもあります。今後、次のような点に注目が集まりそうです。
- 米国が輸出管理リストの対象をさらに広げていくのかどうか
- 中国が「必要な措置」としてどのような対抗策を取るのか
- スペインでの経済・貿易協議を含め、米中間の対話がどの程度継続し、実質的な成果につながるのか
安全保障と経済・技術政策が重なり合う中で、各国や企業はリスク分散と協力のバランスをどう取るのかが問われています。今回の米中の応酬は、その難しさと重要性をあらためて浮かび上がらせる出来事だと言えるでしょう。
Reference(s):
China slams U.S. for adding Chinese entities to export control list
cgtn.com








