中国経済、8月も全体は安定 工業生産とネット消費がけん引
中国国家統計局が公表した2025年8月の主要指標によると、中国経済は全体として安定を維持しつつ、緩やかながらも前進を続けています。工業生産とオンライン消費が成長を支え、不動産市場では下げ幅の縮小がみられました。世界経済や日本企業にも影響する中国経済の足元を、公開された数字から整理します。
8月の中国経済、全体像
統計では、中国経済が8月も「全体として安定し、着実に進展している」と評価できる内容となっています。生産、消費、投資、貿易はいずれもプラス成長を維持しつつ、不動産市場の調整が続く構図です。
工業生産とハイテク製造が成長をけん引
まず目を引くのが工業生産の伸びです。8月の工業生産は前年同月比5.2%増と、着実なプラスを維持しました。
- 工業生産全体:前年同月比5.2%増
- 設備製造業:同8.1%増
- ハイテク製造業:同9.3%増
とくに設備製造やハイテク製造の伸びが全体を上回っている点は、中国が産業の高度化や先端分野の強化を進めていることをうかがわせます。製造業が引き続き景気の重要な支えとなっている構図です。
消費はオンラインが引き続き好調
消費面でも、8月の中国経済は堅調さを見せています。小売売上高は3兆9600億元(約5570億ドル)となり、前年同月比で3.4%増加しました。大きなジャンプではないものの、安定したプラス成長です。
一方で、引き続き明るい材料となっているのがオンライン消費です。
- 1〜8月のオンライン小売売上高:9兆9800億元
- 前年同期比:9.6%増
ネット通販を中心とするオンライン消費は、全体の消費成長を押し上げる存在になっています。中国では日常の買い物からサービスまでオンライン化が進んでおり、その流れが数字にもはっきり表れていると言えます。
固定資産投資と貿易は小幅なプラス
企業や政府による設備投資やインフラ整備などを示す固定資産投資も、かろうじてプラスを維持しました。
- 1〜8月の固定資産投資:32兆6100億元超
- 前年同期比:0.5%増
伸び率は小さいものの、マイナスには転じておらず、慎重ながらも投資が続いている様子がうかがえます。
外需を反映する貿易もプラス成長となりました。
- 8月の対外貿易総額:3兆8700億元
- 前年同月比:3.5%増
輸出・輸入を合わせた貿易総額が3.5%増となったことで、外需が一定の支えになっていることが示されています。世界経済の不確実性が続く中で、貿易がプラスに寄与している点は、中国経済の安定にとって重要な要素です。
不動産市場はなお調整も、下げ幅は縮小
一方で、不動産市場は依然として調整局面にあります。中国の70の大中都市における住宅価格は、前年同月比ではマイナスが続いているものの、下げ幅はやや縮小しました。
- 新築商業住宅(大都市)価格:前年同月比0.9%下落
- 7月の下落幅:1.1%下落(新築)
- 中古住宅価格:前年同月比3.5%下落
新築住宅の価格下落幅は、7月の1.1%から0.9%へと小さくなりました。依然としてマイナスではあるものの、下げ幅が縮小していることは、不動産市場が徐々に安定方向へ向かいつつある可能性を示しています。
一方で、中古住宅価格は3.5%の下落となっており、住宅市場全体の調整が一気に終わったわけではないことも読み取れます。不動産は中国経済に占める比重が大きいため、この分野の動きは今後も注視が必要です。
数字から見える中国経済の今と今後の焦点
今回公表された8月の統計から、中国経済の現状について次のようなポイントが見えてきます。
- 製造業、とくに設備製造やハイテク製造が成長をけん引している
- 消費は堅調で、とくにオンライン小売が高い伸びを維持している
- 固定資産投資と貿易は小幅ながらもプラスを確保している
- 不動産市場は調整が続くものの、価格下落の勢いはやや弱まっている
全体として、中国経済は急成長ではなく、安定を重視した緩やかな拡大局面にあると整理できます。生産や貿易、オンライン消費といった分野が成長を支える一方、不動産と投資の動きは今後の注目点です。
日本や他の国と地域にとっても、中国経済の安定はサプライチェーンや需要動向に直接影響します。今後発表される秋以降のデータでも、製造業とオンライン消費がこのトレンドをどこまで維持できるのか、不動産市場の調整がどの程度落ち着いていくのかが、重要なチェックポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








