国際物流の要衝 中国・ホルゴス鉄道港、中欧貨物列車が今年7,000本超
中国北西部の新疆ウイグル自治区にあるホルゴス鉄道港で、中国と欧州(中央アジア経由)を結ぶ貨物列車が2025年に入ってからすでに7,000本以上運行されました。国際物流ネットワークの要衝で起きている変化は、世界のサプライチェーンにも静かに影響を与えつつあります。
中国・新疆のホルゴス鉄道港とは
ホルゴス鉄道港は、中国北西部の新疆ウイグル自治区に位置する主要な鉄道ハブで、中国とカザフスタンの国境に面しています。新疆には、ホルゴス鉄道港とアラ山口(アラシャンコウ)鉄道港という二つの主要な鉄道玄関口があり、その一つとしてホルゴスは中国と欧州を結ぶ物流の重要な拠点となっています。
2025年だけで7,000本超 90ルートが18カ国を結ぶ
鉄道当局によると、ホルゴス鉄道港は2025年の年初から、中欧(中央アジア)貨物列車の運行本数が7,000本を超えました。この鉄道港からは、現在90本の運行ルートが稼働しており、18の国にまたがる46の都市・地域と結ばれています。
これらの列車で運ばれる貨物は200種類以上に及びます。具体的には、以下のような品目が挙げられます。
- 自動車部品
- 電気・電子製品
- 建材や鋼材
- 文化・スポーツ用品
- 日用品などの生活必需品
多様な貨物が同じ鉄道ネットワークを通じて移動することで、企業にとっては輸送手段の選択肢が増え、安定した供給ルートの確保につながります。
税関手続きの改革で輸出入時間を大幅短縮
ホルゴス鉄道港では2025年5月、税関手続きの迅速化を目的とした制度改革が実施されました。これにより、輸入貨物の通関にかかる時間は、従来の2〜3日から16時間未満へと短縮され、およそ70%の時間削減が実現したとされています。
一方、現地から輸出される貨物についても、処理時間は従来の約6時間から1時間程度まで短縮され、8割の削減となりました。
こうした大幅な効率化を支えているのが、税関当局と鉄道当局のリアルタイムなデータ共有です。物流情報や列車の運行状況が即時に把握できるようになったことで、列車単位での通関処理がよりスムーズになり、全体としての通関効率は5割以上向上したと説明されています。
中欧(中央アジア)貨物列車ネットワークの広がり
ホルゴス鉄道港を含む中欧(中央アジア)貨物列車サービスは、2024年には完成車だけで20フィートコンテナ換算で22万TEU以上を輸送しました。自動車産業にとっても、この鉄道ルートが重要な輸送手段になりつつあることがうかがえます。
さらに、中国国家鉄路集団によると、2025年6月時点で中国国内の128都市がこの貨物列車ネットワークに接続しており、その先には26の欧州の国々にある229都市と、11のアジアの国々にある100以上の都市が広がっています。ユーラシア大陸を横断する広域ネットワークが、年々密度を増している状況です。
私たちがこのニュースから考えたいこと
鉄道による国際貨物輸送は、海上輸送と比べて天候や港の混雑の影響を受けにくく、安定したリードタイムを確保しやすいという特徴があります。ホルゴス鉄道港で進む通関のデジタル化と処理時間の短縮は、そうした鉄道輸送の利点をさらに高める取り組みといえます。
日本から見ると、一見遠い地域の動きに思えるかもしれません。しかし、ユーラシア全体の物流ネットワークが強化されることで、調達先や生産拠点を複数地域に分散する動きが加速し、結果として日本企業のサプライチェーン戦略にも影響が及ぶ可能性があります。
国際ニュースとしての数字や距離感だけでなく、こうしたインフラ整備が中長期的にどのようなビジネス環境や生活の変化をもたらすのか。ホルゴス鉄道港の動きは、その一端を示す事例として注目しておきたいところです。
Reference(s):
Horgos Port handles over 7,000 China-Europe freight train trips
cgtn.com








