韓国大統領府、米国との関税交渉停滞を認める 3500億ドル投資が焦点
韓国の大統領府は火曜日、米国との関税交渉がしばらく「保留」状態にあると明らかにしました。ただ、Lee Jae-myung大統領は、拙速な合意で韓国企業に損失が出ることは避ける方針を強調しており、巨額の投資ファンドをめぐる駆け引きが続いています。
米韓の関税交渉、どこでつまずいているのか
韓国大統領府によると、韓国と米国は今年7月に貿易協定の大枠では合意しているものの、最終合意に向けた詳細協議で障害が続き、関税をめぐる交渉が一時的に止まっている状態だといいます。
特に、約3500億ドル規模とされる投資ファンドをどう設計し、どのような条件で運用していくかが主要な争点となっており、ここでの利害調整が難航しているとみられます。
「米国の要求すべてには応じない」大統領府が示した一線
大統領府の当局者は火曜日、記者団に対し、「米国が求めることをすべて受け入れるわけにはいかない」としたうえで、Lee大統領はできるだけ早く合意に達することを目指しつつも、「締め切りを守るために国益を手放すつもりはない」との姿勢だと説明しました。
つまり、韓国側は交渉のスピードよりも、韓国企業への影響や長期的な国益を優先する方針を明確にした形です。短期的な政治的成果よりも、中長期の経済的メリットを重視するメッセージとも受け取れます。
鍵を握る3500億ドル投資ファンド
今回の米韓貿易協定の中核にあるのが、約3500億ドル規模の投資ファンドです。このファンドを通じ、どの産業やプロジェクトを優先するのか、リスクを誰がどの程度負担するのか、といった点が、交渉の核心論点になっているとされています。
巨額の資金を扱う枠組みでは、出資比率やガバナンス(運営のルール)、透明性の確保など、細部の条件次第で各国企業への影響が大きく変わります。韓国側が慎重な姿勢を崩さないのは、こうした「細部」が将来の負担や利益配分を大きく左右し得るからです。
「悪魔は細部に宿る」交渉担当者が語る現場感覚
韓国の首席通商交渉官であるYeo Han-koo氏は現在、米国に滞在し、関税を含む貿易協議のフォローアップ交渉を続けています。
Yeo氏は月曜日、記者団に対し、ソウルとワシントンは最終的な貿易協定の妥結に向けてなお積極的に協議を進めているとしながらも、「悪魔は細部に宿る」と述べたと伝えられています。大枠での合意と、現場で実際に機能する制度設計との間には、しばしば大きなギャップがあることを示唆する発言です。
今後の焦点:韓国企業と地域経済へのインパクト
今回の米韓関税交渉と投資ファンドをめぐる議論は、韓国企業だけでなく、アジアのサプライチェーンや国際ビジネスにも波及しうるテーマです。特に、次のようなポイントが注目されます。
- 韓国企業の競争力:関税水準や投資条件によって、輸出産業や海外進出企業のコスト構造が変わる可能性があります。
- 投資ファンドの使い道:どの分野にどのような条件で資金が振り向けられるかは、今後の産業構造や雇用にも影響します。
- 米韓関係のバランス:大統領府が「国益を優先する」と明言することで、米韓間の力学がどう調整されるのかも重要な観点です。
交渉は一時的に足踏み状態にあるものの、両国は依然として合意に向けた協議を続けています。韓国政府がどこまで米国の要求を受け入れ、どのラインで「譲れない一線」を守るのか。今後の交渉の行方は、国際ニュースとして引き続き注目されそうです。
Reference(s):
South Korea presidential office says tariff talks with U.S. stalled
cgtn.com








