日本の対米輸出が5カ月連続減少 8月は自動車が28.4%減
日本の対米輸出が8月まで5カ月連続で減少し、とくに自動車輸出が前年同月比28.4%減と大きく落ち込んだことが、財務省の貿易統計で分かりました。米国の関税政策が影響したとみられます。
米国向け輸出、5カ月連続マイナス
財務省が水曜日に発表した8月の貿易統計によると、日本の米国向け輸出は1兆3855億円(約95億ドル)で、前年同月比13.8%減となりました。対米輸出の減少は5カ月連続です。
減少幅を拡大させた主な要因は自動車です。自動車の対米輸出は前年同月比28.4%減と、3割近い落ち込みとなりました。米国の関税政策をめぐる動きが続くなか、日本から米国への自動車出荷が大きく抑えられた形です。
米国からの輸入は増加 7カ月ぶりのプラス
一方、日本の米国からの輸入は増加しました。8月の対米輸入は1兆0615億円(約72億ドル)で、前年同月比11.6%増と、7カ月ぶりのプラスに転じました。
背景には、航空機などの購入増加があります。日本企業や航空会社による米国製航空機の調達が、輸入額を押し上げました。
全体の輸出はほぼ横ばいでも、2カ月連続の貿易赤字
世界全体への輸出をみると、8月の日本の総輸出額は8兆4252億円(約570億ドル)で、前年同月比0.1%減にとどまりました。数字上はほぼ横ばいと言える水準です。
しかし貿易収支は赤字でした。輸出から輸入を差し引いた8月の貿易収支は2425億円(約16億5000万ドル)の赤字で、2カ月連続の赤字となっています。
8月の日本の貿易動向(主な数字)
- 米国向け輸出:1兆3855億円(約95億ドル)、前年同月比13.8%減
- うち自動車輸出:前年同月比28.4%減
- 米国からの輸入:1兆0615億円(約72億ドル)、前年同月比11.6%増
- 総輸出額:8兆4252億円(約570億ドル)、前年同月比0.1%減
- 貿易収支:2425億円(約16億5000万ドル)の赤字(2カ月連続の赤字)
自動車輸出減少が意味するもの
今回の統計では、とくに自動車輸出の落ち込みが目立ちました。米国は日本の自動車メーカーにとって最大級の市場の一つであり、28.4%減という数字は、企業収益や生産計画にも影響しうる規模です。
米国の関税政策をめぐる不透明感が続く中、メーカー側は価格競争力の低下や需要の変化を織り込んで、出荷を調整した可能性があります。足元の数字は、日米間の貿易環境が企業の行動に反映されていることを示していると言えます。
日本経済と企業への影響
全体の輸出はほぼ横ばいに見える一方で、対米輸出、とくに自動車という日本の主力産業に負荷がかかっている点は、今後の日本経済を考えるうえで無視できません。
企業レベルでは、次のような点が課題になりそうです。
- 米国市場への依存度が高い企業の収益圧力
- 関税リスクを見据えた生産拠点やサプライチェーンの見直し
- 価格転嫁が難しい場合のコスト削減や付加価値強化の必要性
一方で、米国からの輸入が増えていることは、日本企業が依然として米国の製品や技術を積極的に取り込んでいることも示しています。貿易赤字そのものは短期的な要因で変動しますが、輸出構造や市場戦略の変化は中長期のテーマとなります。
これから注目したいポイント
8月の数字からは、日米貿易の構図が静かに変化しつつある姿が見えてきます。今後、注目したい論点は次の通りです。
- 米国の関税政策や通商政策が、どの程度長期化するのか
- 日本の自動車メーカーや関連産業が、米国以外の市場開拓や生産分散をどこまで進めるのか
- 貿易赤字が続いた場合、日本の経済政策や企業投資にどのような影響が出るのか
数字としてはわずか0.1%減にとどまった日本の総輸出ですが、その内側では、対米輸出の減少と貿易赤字という変化が進んでいます。日々のニュースの背後で、どのような構造変化が起きているのかを意識して見ていくことが、これからの日本経済を考えるうえで重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








