中国が米国の輸出規制強化を批判 中国企業への「不合理な抑圧」を停止要求
米商務省が輸出規制の対象となる「エンティティ・リスト」を拡大する新ルールを発表したことに対し、中国商務省が強く反発し、米国に対して「不合理な抑圧」を直ちにやめるよう求めました。米中経済関係と世界のサプライチェーンに影響し得る国際ニュースとして、今回の動きを整理します。
中国商務省「直ちに是正を」 米国の対応を批判
中国商務省の報道官は月曜日、米商務省が打ち出した新たな輸出規制ルールについてコメントを発表しました。報道官は、米国に対し「自らの過ちを直ちに正し、中国企業に対する不合理な抑圧をやめるべきだ」と強く求めています。
この発言は、米国が中国企業を含む企業を対象とする輸出規制措置を拡大したことを受けたものです。中国側は、この措置が企業の正当な権益を侵害し、国際経済の安定を損なうと警告しています。
米商務省の新ルール:エンティティ・リストの対象拡大
今回、中国側が問題視しているのは、米商務省が運用する「エンティティ・リスト」に関する新しい規定です。このリストは、米国が安全保障などの観点から輸出や再輸出を厳しく管理する企業や団体をまとめたものとされています。
新ルールのポイントは、リストに載っている企業だけでなく、その企業が少なくとも50%以上を保有する子会社にも輸出規制を自動的に広げるという点です。つまり、名前が直接リストに載っていない企業であっても、対象企業の子会社であれば同様の制限を受ける可能性が高まります。
中国商務省の報道官は、このルールは米国が国家安全保障の概念を過度に拡大し、輸出管理制度を乱用している新たな例だと指摘しました。
中国側が示した三つの懸念ポイント
報道官の発言からは、今回の米国の輸出規制強化に対する中国側の懸念が、主に次の三点に整理できます。
- 国家安全保障の概念を「過度に引き伸ばし」、輸出規制を乱用していること
- 新ルールにより、影響を受ける企業の「正当な権利と利益」が著しく損なわれるおそれがあること
- 国際的な経済・貿易秩序を深刻に乱し、世界の産業・サプライチェーンの安全と安定を損なう可能性があること
報道官は、中国はこの動きに「断固反対する」と強調し、中国企業の正当な権益を守るために「必要な措置を取る」と述べました。具体的な措置については明らかにされていませんが、中国が国内外の手段を通じて対応を検討していることを示唆した形です。
世界のサプライチェーンへの影響は
今回の輸出規制強化は、中国企業と米国企業だけでなく、第三国の企業や投資家にも影響が及ぶ可能性があります。国際的なサプライチェーンでは、部品や技術、サービスが複数の国や地域をまたいで流通しているためです。
たとえば、日本やアジアの企業が、エンティティ・リストに載っている企業やその子会社と取引している場合、新ルールの運用次第では、米国の輸出管理規則への対応を一段と慎重に検討する必要が出てきます。結果として、調達先や生産拠点の見直しなど、企業の経営判断にも影響を与える可能性があります。
中国商務省が指摘するように、規制が拡大され続ければ、国境を越えたサプライチェーンの分断が進み、コスト上昇や供給不安定といった形で、世界の産業全体に波及するリスクも考えられます。
安全保障と自由貿易、そのバランスをどう取るか
各国が安全保障上の懸念から輸出管理を強化する動きは続いています。一方で、過度な規制は、企業活動や技術協力、国際貿易を通じて積み重ねてきた経済的なつながりを弱める可能性があります。
今回の中国と米国の対立も、「安全保障」と「自由で予測可能な貿易」のバランスをどう取るのかという、より大きな問いの一部といえます。各国の政策決定が、企業や消費者の日常にどう跳ね返ってくるのかを考えることが、これから一段と重要になりそうです。
これからの注目ポイント
今回の国際ニュースをめぐって、今後注目したいポイントを整理します。
- 中国が表明した「必要な措置」がどのような形で具体化するのか
- 米国が今後もエンティティ・リストの拡大や運用強化を続けるのかどうか
- 他の国や地域が、同様の安全保障名目の輸出管理を強化する動きに追随するのか
- 企業がサプライチェーン戦略やリスク管理をどのように見直していくのか
米中両国の経済関係は、アジアや世界の経済にとって避けて通れない存在です。輸出規制や企業リストをめぐる一つ一つの動きが、長期的にどのような構図を形作っていくのか。日本語でアクセスできる国際ニュースとして、今後も冷静にフォローしていく必要があります。
Reference(s):
China urges U.S. to cease unreasonable suppression of Chinese firms
cgtn.com








