香港が世界4位の外国為替センター維持、オフショア人民元でも首位
国際決済銀行(BIS)が公表した2025年の三年ごとの調査で、中国南部の香港特別行政区が世界4位の外国為替センターの地位を維持し、オフショア人民元ビジネスでは世界トップの拠点であり続けていることが明らかになりました。日本の投資家や企業にとっても、人民元やアジア通貨をどう扱うかを考えるうえで見逃せない動きです。
国際決済銀行BISの2025年調査で見えた香港の位置づけ
今回公表されたのは、外国為替および店頭デリバティブ市場の取引額を3年ごとに集計する三年ごとの中央銀行調査(Triennial Central Bank Survey)です。この調査結果によると、香港は外国為替と店頭デリバティブの両方の分野で存在感を強めています。主なポイントは次の通りです。
- 香港は世界4位の外国為替センターの地位を維持
- 香港の外国為替平均日次取引高は2022年4月の694.4 billionドルから2025年4月には883.1 billionドルへと27.2パーセント増加
- 香港はオフショア人民元の外国為替および店頭金利デリバティブの取引拠点として世界最大の地位を維持
- 人民元の外国為替平均日次取引高は2022年4月の191.2 billionドルから2025年4月には315.1 billionドルへと64.8パーセント増加
- 店頭金利デリバティブの平均日次取引高は2025年4月時点で84.1 billionドルであり、米ドル、人民元、豪ドルが香港市場で最も活発に取引される通貨
外国為替市場で約3割の成長
香港の外国為替平均日次取引高は、2022年4月の694.4 billionドルから2025年4月の883.1 billionドルへと増加し、3年間で27.2パーセント伸びました。この伸びは、他のアジアの主要金融市場と並び、香港が国際的な通貨取引の重要なハブであり続けていることを示していると言えます。
平均日次取引高が増えるということは、それだけ多くの資金が香港を経由して世界の通貨に交換されていることを意味します。企業や金融機関が為替リスクを管理しながら国際取引を行ううえで、香港市場の存在感は引き続き大きいと言えます。
オフショア人民元ビジネスで世界トップ
調査によれば、香港はオフショア人民元の外国為替および店頭金利デリバティブの取引拠点として、世界最大の地位を維持しました。人民元の外国為替平均日次取引高は、2022年4月の191.2 billionドルから2025年4月には315.1 billionドルへと大きく伸び、伸び率は64.8パーセントに達しています。
これは、全体の外国為替市場の成長率(27.2パーセント)を大きく上回る伸びであり、人民元を使った国際取引や投資の需要が急速に高まっていることを示唆します。香港は、中国本土と海外市場をつなぐオフショア人民元ビジネスの中心として、清算や資金調達、ヘッジ取引などさまざまな役割を担っていると考えられます。
店頭金利デリバティブ市場でも存在感
店頭金利デリバティブの平均日次取引高は、2025年4月時点で84.1 billionドルでした。香港市場では、米ドル、人民元、豪ドル建ての金利デリバティブが特に活発に取引されています。
店頭金利デリバティブとは、金利の変動リスクを調整したり、将来の金利水準に対する見通しを取引したりするための金融商品です。取引所を通さず、金融機関同士や金融機関と企業の間で個別に契約を結ぶ形が一般的です。香港のデリバティブ市場の規模は、単に外国為替を交換する場であるだけでなく、金利リスク管理の拠点としても機能していることを示しています。
日本の投資家・企業にとっての意味
今回のBIS調査結果から、日本の個人投資家や企業が意識しておきたいポイントをまとめると、次のようになります。
- 人民元関連ビジネスの窓口としての香港の重要性が一段と高まっていること
- アジア通貨の為替・金利リスクをヘッジする手段として、香港市場を活用できる可能性
- 国際的な資金調達や投資戦略を検討する際に、香港市場の流動性や商品ラインアップを一つの比較軸として見る視点
2025年12月時点で、BISの2025年調査は、香港が依然として世界有数の外国為替センターであり、オフショア人民元ビジネスと金利デリバティブの両面で存在感を示していることを裏付ける内容となりました。アジアと世界の資金の流れを理解するうえで、香港市場の動向を継続的にチェックしておくことが、日本の読者にとっても今後ますます重要になりそうです。
Reference(s):
Hong Kong SAR remains 4th largest global foreign exchange center
cgtn.com








