中国映画2025年興行収入が前年超え 国慶節前に記録更新
2025年の中国映画市場で、年間の興行収入が国慶節(ナショナルデー)連休入りの時点ですでに2024年通年を上回りました。国内作品の圧倒的な強さと、中国映画のグローバル展開があらためて浮き彫りになっています。
2025年興行収入、国慶節前に早くも前年超え
チケット販売プラットフォーム・猫眼(Maoyan)のデータによると、2025年の中国映画市場の累計興行収入(プレセールを含む)は、国慶節連休が始まった木曜日の午後の時点で425億元(約59.8億ドル)に達し、すでに2024年通年の興行収入を上回りました。
同じく木曜日の午後5時までに、2025年の国慶節連休シーズン(プレセール含む)の興行収入は6億元(約8,400万ドル)を突破。秋の大型連休を前に、中国映画市場の勢いが加速していることが分かります。
国内作品がシェアの約9割を占める
2025年の中国映画市場では、国内作品が依然として主役です。全体の興行収入の約90%をローカル作品が占め、年間興行収入トップ10もすべて中国制作の映画が独占しています。
これまでに公開された作品は300本を超え、歴史、コメディ、アニメーション、ファンタジー、ドラマなど、幅広いジャンルがスクリーンをにぎわせてきました。2025年の国慶節連休中だけでも、特徴の異なる13作品が公開スケジュールに並んでいます。
国慶節シーズンの注目作品:歴史大作とアニメがリード
歴史映画『The Volunteers: The Battle of Life and Death』
歴史映画『The Volunteers: The Battle of Life and Death』は、壮大な物語を通して歴史を丁寧に描き直し、英雄たちに敬意を表する作品です。歴史的事実をベースにしながらもドラマ性を高めることで、観客の感情に強く訴えかけるつくりになっており、中国の観客と深く共鳴しているとされています。
親子で楽しむ『Three Kingdoms: Starlit Heroes』
アニメ映画『Three Kingdoms: Starlit Heroes』は、三国志の物語を斬新な視点で再構築した作品です。古典の世界観を損なわないよう配慮しつつ、現代的なキャラクター造形とテンポの良いストーリーで、子どもから大人まで親しみやすいエンターテインメントに仕上げられています。親子で楽しめる作品として、国慶節シーズンのファミリー層を引きつけています。
中国映画はどう世界へ広がっているのか
中国映画の多くは、伝統文化の要素と現代的な価値観を組み合わせ、革新的な語り口と最新の映像技術を取り入れることで、中国の観客の「いまの感性」に応える作品づくりを進めています。同時に、これらの作品は世界市場でも一定のポテンシャルを持ち、実際に海外の観客から支持を集める例も増えています。
宇宙で撮影された8K映画『Shenzhou 13』
中国初の「宇宙で撮影された8K映画」とされる『Shenzhou 13』は、英国、パキスタン、ナイジェリア、メキシコなど複数の国で上映されました。超高精細の映像を通じて、中国の宇宙開発の姿や宇宙飛行士の日常、中国の人々の生活や願いを海外の観客に伝える役割も担っています。
世界興行収入上位に入るアニメ『Ne Zha 2』
アニメ作品『Ne Zha 2』のグローバル興行収入は、これまでに154.4億元を超え、そのうち4億元以上が海外市場での収入とされています。世界全体の興行収入ランキングでも第5位に入っており、中国発のアニメーションが世界的なメジャータイトルと肩を並べる存在になりつつあることを示しています。
歴史を伝え、平和を考えさせる『Dead To Rights』
1937年の南京大虐殺を扱った歴史映画『Dead To Rights』は、世界で30億元を超える興行収入を記録しました。アメリカやカナダ、ドイツなどでも幅広い観客に支持されており、映画というメディアを通じて歴史を記憶し、平和の大切さを考えるきっかけを与える作品として位置づけられています。
日本の読者が押さえておきたい3つのポイント
中国映画市場の動きは、日本を含むアジアの映画ビジネスやカルチャーにも少なからぬ影響を与えます。今回の興行データから見えてくるポイントを、整理してみます。
- 1. 世界の「興行マップ」が変わりつつある
2025年の時点で、中国映画市場は一国として世界最大級の規模に達しており、国慶節や春節といった大型連休シーズンの動きが、グローバルな興行トレンドを左右しつつあります。 - 2. ローカル志向とグローバル志向の両立
国内作品が興行の約9割を占める一方で、『Ne Zha 2』や『Dead To Rights』、『Shenzhou 13』のように、強いローカル性を保ちながら海外でも受け入れられる作品が増えています。 - 3. 映像技術と物語のアップデート
宇宙で撮影された8K映像や、古典を再解釈したアニメ作品など、新しい技術と語り方を積極的に取り入れている点は、今後のアジア映画全体のヒントにもなりそうです。
2025年残り期間とその先への視線
2025年12月現在、中国の映画興行収入はすでに前年を超え、国慶節シーズンをきっかけに勢いをさらに増しています。年末にかけてどこまで数字を伸ばすのか、そして今回紹介したような作品群が今後どのように海外で展開されていくのかは、引き続き注目されるテーマです。
中国映画の動向は、単なる興行成績のランキングにとどまらず、アジアからどのような物語や価値観が世界に発信されていくのかを考える上でも重要です。日本の観客にとっても、配信や劇場公開を通じて、中国映画との距離は今後さらに縮まっていくかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








