中国、メキシコにWTO順守と中国企業の権益保護を要求
中国、メキシコにWTO順守を求める動き
中国商務省は金曜日、メキシコが中国製品に対して進めているアンチダンピング(不当廉売)調査について、世界貿易機関(WTO)のルールを順守し、中国企業の正当な権益を保護するよう求めました。2025年の国際貿易環境が一段と不透明になるなか、中国とメキシコの動きは、世界のサプライチェーンにも影響しかねないテーマです。
メキシコで相次ぐ中国製品への調査
商務省の報道官によると、メディアの問い合わせに答える形で、中国はメキシコの最近のアンチダンピング調査に懸念を示しました。メキシコは、フロート板ガラスやPVCターポリン(ビニールシート)などを含む4件の中国製品を対象に、新たな調査を開始しています。
こうした動きを含めると、2025年に入ってからメキシコが中国製品に対して開始したアンチダンピング調査は、これまでに11件に達し、昨年1年間のほぼ2倍のペースとなります。一方で中国側は、自国としては貿易救済措置の発動を抑制してきたと強調しています。
アンチダンピング調査とは、輸入品が「不当に安い価格」で国内市場に投入され、自国産業に損害を与えているかどうかを調べる手続きです。WTOのルールに基づいて実施されますが、その運用が保護主義的な措置になっていないかどうかは、常に国際的な議論の的となっています。
中国商務省「保護主義的な措置に断固反対」
報道官は、中国は自国の正当な権益を損なう保護主義的な措置に断固として反対すると述べました。そのうえで、メキシコによる調査の進展を注意深く注視していく方針を示しています。
中国側は、メキシコがWTOの関連ルールに基づき、透明性と公正性を確保しながら調査を進めるべきだと主張しています。キーワードとなるのは、次の3点です。
- WTOルールの厳格な順守
- 中国企業の「合法的な権益」の保護
- 調査プロセスの公平・公正・非差別的な運用
米国の関税と広がる保護主義のなかで
商務省の報道官は、米国による関税の「過度な」活用が続くなかで、単独行動(ユニラテラリズム)と保護主義の拡大を抑えるべきだとも指摘しました。
中国は、各国が協力して一方的な貿易制限に反対し、外部からの圧力を理由に中国に対する制限措置を取ることを控えるべきだとしています。これは、特定の二国間の問題を超え、現在の国際経済秩序をめぐるより広い議論の一部ともいえます。
中国側の対抗措置:貿易・投資の壁を調査
メキシコが検討している関税引き上げやその他の制限措置に対し、中国商務省は、関連する法律や規則に基づき、貿易・投資上の障壁に関する調査を開始しました。
報道官は、「調査結果と実際の状況に基づき、中国は必要なあらゆる措置を講じ、中国企業の合法的な権益を断固として守る。そこには貿易と投資の分野での措置も含まれる」と述べています。つまり、中国はWTOルールの枠内で、自国企業を守るための手段を準備しているとみられます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
今回の中国とメキシコの動きは、一見すると日本から遠い出来事に見えるかもしれません。しかし、グローバルなサプライチェーンに深く組み込まれた日本企業にとっても、通商ルールの運用や保護主義の広がりは無視できないテーマです。
- メキシコは製造拠点・輸出拠点として重要性が増している国です。
- 中国企業に対する規制や調査は、部品調達や価格動向を通じて、日本企業にも影響し得ます。
- WTOルールをめぐる議論は、今後の国際経済秩序の方向性を考えるうえで重要な材料になります。
スマートフォン一つで世界のニュースにアクセスできる今、こうした通商摩擦のニュースを「自分ごと」として読み解くことが、次の一歩を考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
China urges Mexico to protect rights, interests of Chinese firms
cgtn.com








