中国の国慶節・中秋節連休で旅行と消費が活況 長期化で質重視にシフト
2025年の国慶節と中秋節が重なった8連休では、中国国内の旅行と消費がそろって伸び、長期休暇の「伸ばし取り」が観光市場の質的な変化を後押ししました。
連休前半から堅調だった消費
中国商務省のビッグデータによると、今年の国慶節・中秋節連休の前半4日間、全国の主要小売・飲食企業の売上高は前年同期比3.3%増となりました。大型連休の消費は勢いを保ちつつ、内容も変化しつつあります。
キーワードは「グリーン」と「スマート」
今回の連休では、省エネ性能の高い家電やスマート家電など、環境配慮型かつデジタル技術を活用した商品が好調でした。省エネの高いエアコンや冷蔵庫、スマートホーム機器などは、主要な電子商取引プラットフォームでいずれも2桁の伸びを記録しています。
節約志向と快適な生活を両立させたいという意識が、こうした「グリーン・スマート消費」を後押ししているとみられます。
映画や娯楽サービスも活況
エンターテインメント分野の消費も活発でした。国慶節シーズンの映画興行収入(事前販売を含む)は、合計で18億元(約2億5300万ドル)を超えました。映画館での鑑賞だけでなく、レジャー施設や娯楽サービスへの支出も増加し、連休中の「体験型消費」の存在感が高まっています。
延べ24億人が移動 8割が自家用車
中国交通運輸部の統計によると、2025年10月1日から8日までの国慶節・中秋節連休期間中、中国全土での地域をまたぐ移動回数は推計24億回に達し、1日平均では3億400万回となりました。これは前年から6.2%増えたことになります。
そのうち、およそ8割が自家用車による移動とされ、自動車旅行が連休の主役になっていることが分かります。自由度の高い自家用車移動は、家族や友人との小さなグループ旅行を後押しし、地方都市や郊外の観光地にも人の流れを生み出しています。
「伸ばし休暇」で12〜16日の超ロング連休に
今年の国慶節と中秋節の8連休は、週末や振替出勤日、有給休暇を組み合わせる「伸ばし休暇」の活用により、多くの人にとって実質12〜16日規模の超ロング連休となりました。これが旅行・観光市場に強い追い風となりました。
長距離・長期の国内旅行が増加
オンライン旅行予約サイトのTrip.comのデータによると、今年の連休期間中、同プラットフォームでの国内長距離旅行の予約シェアは前年より3ポイント上昇しました。距離だけでなく、旅程の長さも延びています。
パッケージツアーを得意とするオンライン旅行会社Tuniuの統計では、連休中の国内長距離旅行者のうち、46%が5〜6日間の行程を選択していました。短期の駆け足観光から、「じっくり滞在する旅」へのシフトがうかがえます。
量から質へ 旅行消費の中身が変化
飲食デリバリーや観光予約を手がけるMeituanやTongcheng Travelの総合的な予約データによると、国内長距離旅行商品の支出額は前年同期比で2割以上増加しました。単に移動回数が増えただけでなく、一人あたりの支出や旅行の質が高まっていることを示しています。
移動手段のアップグレード、より快適な宿泊施設、現地ならではの体験やアクティビティなど、「質」を重視する消費へのシフトが鮮明になっています。
大型連休が映す中国経済の今
今回の国慶節・中秋節連休のデータからは、次のようなポイントが見えてきます。
- 消費全体は堅調に拡大しつつ、「グリーン」と「スマート」が新たな成長エンジンになっていること
- 自家用車による旅行と長距離・長期の国内観光が、地域経済に新たな需要を生み出していること
- 旅行や娯楽への支出が、「量」から「質」を重視する段階へと移りつつあること
2025年の秋の大型連休は、中国の内需の底堅さと、消費の中身が静かに変わりつつある姿を浮かび上がらせました。今後の連休シーズンでも、こうした傾向がどのように定着し、各地域の観光戦略や企業のサービス開発に影響していくのかが注目されます。
Reference(s):
Travel and consumption rise amid National Day and Mid-Autumn Holiday
cgtn.com








