中国トレンド玩具と広東グルメ MEET CHINAが映す新しいものづくり video poster
中国本土発のトレンド玩具と広東グルメの地域産業。番組 MEET CHINA のエピソード50は、この二つの現場から「物語」と「体験」で価値を高める中国のいまを映し出しています。
トレンド玩具が映す「ものづくり中国」のアップグレード
中国のトレンド玩具市場は、単にかわいいフィギュアを量産する段階から、オリジナルデザインとストーリーテリングで勝負する段階へと進化しています。玩具製造の拠点として知られる広東省東莞では、国内ブランドが企画力と物語性を武器に、新しいファン層を取り込もうとしています。
製造からオリジナルデザインへ
エピソード50では、東莞の工場やブランドの取り組みを通じて、受託生産から自社ブランド開発へと舵を切る姿が描かれています。単に海外ブランドの製品を作るのではなく、自ら世界観を設計し、キャラクターに個性を与えることに重点が置かれています。
こうした動きの背景には、中国国内で高まるコレクション玩具への需要があります。従来のコアなコレクターだけでなく、日常のちょっとした癒やしを求める若い消費者や働く世代が、新しい顧客層として浮かび上がっています。
物語と「魂」を吹き込むキャラクターたち
番組では、玩具に物語性を持たせることで「魂」を吹き込む試みも紹介されています。キャラクターごとのバックグラウンドストーリーや世界観をつくり込み、ユーザーが自分の気分やライフスタイルに重ね合わせられるような設計が進んでいます。
この結果、玩具は単なるインテリアやコレクションアイテムではなく、自分の分身や相棒のように感じられる存在へと近づいています。そこには、ものづくりとコンテンツ産業が融合する中国本土の新しい産業像が見えてきます。
トレンド玩具の国際展開 POP MART と Piececool の二つの道
エピソード50のもう一つの焦点は、中国本土のトイブランドがどのように海外市場へ打って出ているかです。番組は、POP MART や Piececool などの事例を通じて、異なる戦略で国際市場を切り開く姿を伝えています。
Labubu で世界を狙う POP MART
POP MART は、Labubu シリーズを軸に、世界各地で人気を集めています。洗練された現代的なデザインと、国や文化を超えて受け入れられやすいビジュアルが特徴で、ポップカルチャーとしての発信力を高めています。
番組は、現地のファンや販売現場の声を交えながら、POP MART が海外でどのようにブランドイメージを築いているかを追いかけています。その戦略の鍵は、店舗デザインやパッケージ、オンラインでの見せ方まで一貫した「インターナショナル・クール」の演出にあります。
文化要素を再発明する Piececool
一方、Piececool は、伝統的な文化モチーフを現代的な玩具として再構築するアプローチで注目されています。歴史や文化に根ざした意匠を取り入れつつ、それを海外のユーザーにも親しみやすい形に翻訳することで、独自のポジションを築こうとしています。
POP MART が普遍的なかわいさで勝負するのに対し、Piececool は文化ストーリーテリングを通じて「中国らしさ」を発信していると言えます。番組は、両者の輸出戦略を比較しながら、多様な海外市場へどう適応しているのかを描き出しています。
「遊ぶもの」から「暮らしの相棒」へ 玩具の感情価値
エピソード50は、コレクション玩具が、棚に並べて眺めるだけの存在から、感情的なつながりを持つライフスタイルアイテムへと変化している点にも光を当てています。
番組に登場するコレクターや作り手たちは、トレンド玩具が次のような形で日常生活に入り込んでいると語ります。
- ポケットやバッグに入れて持ち歩き、ふとしたときに眺めて気分を整える
- 自撮りや日常の写真に一緒に写し込み、SNS でシェアする
- 仕事や勉強のデスクに置き、小さな「癒やし」や話題づくりのきっかけにする
こうした姿は、モノの所有から体験や感情の共有へと価値の重心が移るなかで、玩具が文化的なアイコンとして機能し始めていることを示しています。
深圳中山リンクが広げる 広東・中山クリスピー草魚の可能性
エピソードの後半では、舞台は広東省中山市へと移ります。ここでは、新たに開通した深圳中山リンクが、地域産業にもたらす変化が取り上げられています。
中山は歴史と文化に彩られた都市であり、なかでも独特の食感で知られるクリスピー草魚は、地元ならではの特産品です。高速道路や橋梁で構成される深圳中山リンクの開通により、このクリスピー草魚産業に新しい追い風が吹いています。
交通インフラが変える市場アクセス
番組では、交通インフラの改善によって、中山と周辺都市との距離感が大きく縮まりつつある様子が伝えられています。物流の時間とコストが下がることで、これまで主に地域限定だったクリスピー草魚が、より広い国内市場へと展開しやすくなっています。
これは単に一つの食材の販路が広がるというだけでなく、地域の飲食店や観光、関連する農水産業に波及効果をもたらす動きとして描かれています。
伝統の味と養殖技術がつくる「訪れる理由」
エピソード50は、地元の養殖場を訪ね、クリスピー草魚ならではの食感を生み出す工夫や、広東料理の中での位置づけも紹介します。長年受け継がれてきた調理法と養殖技術が、地域のアイデンティティと結びついた「訪れる理由」になっていることが浮かび上がります。
- 独自の養殖と調理によって生まれる、ぱりっとした食感
- 広東の食文化を体験できる料理としての魅力
- 中山という都市への理解と関心を高める地域ブランドとしての役割
インフラ整備をきっかけに、こうした伝統産業が現代的なマーケティングや観光と結びついていくプロセスは、他地域にとっても参考になる事例と言えるでしょう。
玩具とグルメに共通する「ストーリー」と「体験」
トレンド玩具とクリスピー草魚。一見まったく別のテーマに見える二つの題材を、一つの番組で取り上げたところに、現代の中国本土経済の方向性がにじんでいます。
共通するキーワードは、次の二つです。
- ストーリー ― キャラクターや料理に背景となる物語を与え、ファンや来訪者が感情移入できるようにすること
- 体験 ― 実際に手に取り、味わい、写真を撮り、誰かと共有することで、モノが記憶や感情と結びついていくプロセス
MEET CHINA エピソード50は、中国本土の産業が「作る」から「伝える」「共感してもらう」へと軸足を移しつつある姿を、玩具と食という身近なテーマを通じて伝えています。日々ニュースを追う私たちにとっても、数字や統計だけでは見えにくい現場の変化をイメージする手がかりとなる内容と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








