中国、米国の海運・造船制限に強く反発
中国商務省は、米国が中国の海運・物流・造船分野に課した新たな制限措置に強く反発し、世界のサプライチェーンと米国内経済への悪影響を警告しています。
何が起きているのか
中国商務省の報道官は火曜日、米国が中国の海運・物流・造船分野を対象に、いわゆるセクション301調査の結果に基づいて制限措置を発動したことに対し「強い不満と断固たる反対」を表明しました。
報道官によると、この措置は典型的な一方主義と保護主義の表れであり、世界貿易機関(WTO)のルールに深刻に違反し、中国と米国の海運協定が掲げる平等と互恵の原則を損ない、中国の関連産業に大きな損害を与えるとしています。
中国の対抗措置:特別港湾料金と調査
中国は今年10月10日、中国の港を利用する船舶のうち、米国籍の船舶、米国で建造された船舶、あるいは米国の企業・団体・個人が所有・一部所有・運航する船舶に対し、特別港湾料金を課す方針を発表しました。
さらに、中国は米側の調査行為を支援または後押しした一部企業を対抗措置リストに加え、中国の海運、造船および関連産業の安全と発展上の利益を脅かす米国やその他の主体の行為について、調査を開始したとしています。
調査の過程では、公開性、公平性、公正性の原則に基づき、関係するすべての当事者の権利を十分に保護しながら法執行と聴取を行うと強調しました。
サプライチェーンと米国内への影響
中国側は、米国の制限措置は中国だけでなく、世界のサプライチェーンと物流ネットワークを混乱させ、国際貿易のコストを大幅に押し上げると指摘しています。
その結果、米国内のインフレ率を高め、米国の港湾の競争力や雇用を損ない、自国のサプライチェーンの安全性とレジリエンス(回復力)までも弱めることになると警告しました。
また、米国の産業界内部でもこうした措置に対する反対の声が根強く、米国のアプローチが「他者を傷つけながら自国にも利益をもたらさない」ものであることが浮き彫りになっていると述べています。
2025年の米中関係の中で見る今回の動き
海運や物流、造船といった分野は、エネルギーや食料、製造業の部品など、あらゆる物資の国際流通を支える基盤産業です。こうした分野をめぐる対立は、2025年現在の米中関係における緊張と経済安全保障をめぐる駆け引きの一場面ともいえます。
とくに日本を含む多くの国と地域が中国と米国の双方と貿易関係を持つなかで、海運や物流コストの変動は、企業の調達戦略や消費者価格にも影響し得ます。今回の動きは、海上輸送に依存するグローバル経済の脆さを改めて意識させるものです。
- 海運・造船・物流分野での規制と対抗措置がどの範囲に広がるか
- WTOなど国際ルールの枠組みが、今回のような通商摩擦をどう扱うか
- 企業がサプライチェーン戦略や調達先の多様化をどこまで進めるか
対話の余地は残されているのか
中国商務省の報道官は、中国の立場は明確かつ一貫しているとし、「闘うべきときは闘う。一方で、米国が対話を望むなら中国のドアは開かれている」と述べました。
そのうえで、中国は米国に対し、自らの「誤った行為」を正し、中国と中間地点で向き合い、対等な立場での対話と協議を通じて、互いの関心事項を解決するよう求めています。
今後数カ月、米中双方がどこまで歩み寄り、海運や物流をめぐる緊張を管理できるかは、世界経済の先行きを占う一つの指標となりそうです。政策の応酬だけでなく、現場の物流や企業活動の変化にも注目していく必要があります。
Reference(s):
China opposes U.S. curbs on maritime, logistics, shipbuilding sectors
cgtn.com








