中国が米国船舶に特別港湾料金 詳細ルールを公表
中国交通運輸部は、米国企業や団体、個人が所有・運航する船舶に対して課す特別港湾料金の具体的な運用ルールを明らかにしました。米国による中国船への追加港湾料金に対抗する措置で、国際海運と貿易への影響が注目されています。
特別港湾料金とは
中国の今回の措置は、米国企業・団体・個人が所有または運航する船舶を対象に、中国の港で特別な港湾料金を徴収するものです。交通運輸部が公表した文書は全10条からなり、次のような点を明確にしています。
- どの船舶が徴収対象となるのか(課金の範囲)
- 誰が料金を徴収するのか(徴収主体)
- どの航海に対して支払い義務が生じるのか(支払対象となる航路や寄港)
- 実施開始日と、運用上の細かなルール
免除される船舶
文書では、すべての米国関連船舶が一律に対象となるわけではなく、特別港湾料金が免除されるケースも定められています。主な免除対象は次の通りです。
- 中国で建造された船舶
- 修繕のみを目的として中国の造船所に入る空船(貨物を積んでいない船)
- その他、中国側が免除が適当と判断した船舶
こうした例外規定を設けることで、造船や修繕など一部のビジネス活動への影響を抑えつつ、全体として対抗措置としての効果を維持しようとする狙いがうかがえます。
実施時期と「動的調整」
今回の詳細ルールは、交通運輸部が今年10月10日に発表した方針を受けて示されたものです。当時、中国側は、10月14日から米国船舶に特別港湾料金を課すと表明していました。
文書によると、
- 料金水準(いくら徴収するか)
- 徴収の対象範囲
- 徴収の期間
といった要素は、実施時点の状況に応じて動的に調整するとされています。情勢の変化に合わせて柔軟に見直す余地を残している点が特徴です。
背景にある米国の追加港湾料金
中国交通運輸部によれば、今回の措置は米国側の動きへの対応です。米国は301条調査(セクション301調査)を経て、中国の船舶に対する追加港湾料金を導入しました。
中国側は、米国のこの措置が
- 世界貿易機関(WTO)のルール
- 中米海運協定
に深刻に違反し、両国間の海上貿易に大きな損害を与えていると指摘しています。そのうえで、米国船舶への特別港湾料金は、中国の産業や企業の正当な権益を守り、国際海運における公正な競争環境を確保するための正当な対抗措置だと位置づけています。
国際海運と日本への含意
中国と米国は世界最大級の貿易相手同士であり、両国間の海上輸送は世界の物流ネットワークの中核を担っています。今回のような港湾料金の応酬は、次のような形で国際海運に影響を及ぼす可能性があります。
- 中米間の航路を利用する船舶の運航コスト上昇
- 海運会社や荷主による航路変更や寄港地の見直し
- 貨物運賃の上昇リスク
日本企業の多くも、中国や米国を経由したサプライチェーンに依存しており、直接・間接の形で影響を受ける可能性があります。とくに、製造業や小売業など、長距離の海上輸送に依存する業種では、コスト変動や輸送リスクを見越した対応が一段と重要になりそうです。
今後の注目ポイント
今回の詳細ルール公表は、中米間の通商摩擦が海運分野にも波及していることを象徴する動きです。今後、注視したいポイントとしては、例えば次のようなものが挙げられます。
- 中国側が今後発表する、特別港湾料金の水準や期間の調整
- 米国側の対応や、追加的な措置の有無
- 海運会社・物流企業による運賃やサービスの見直し
- WTOなど国際的な枠組みの中での議論の行方
企業や投資家、そして海運や貿易に関心を持つ読者にとっては、今回の動きは一過性のニュースではなく、中長期的な国際ビジネス環境を考えるうえでの重要なシグナルと言えます。状況の変化と各国の対応を、引き続き丁寧に追っていく必要がありそうです。
Reference(s):
China details measures for charging special port fees on U.S. ships
cgtn.com








