中国商務省、米国に誤りの是正と誠意ある通商協議を要求 レアアース巡り
中国商務省が米国に対し、自らの誤った行為を速やかに正し、誠意を持って通商協議に臨むよう求めました。背景には、中国によるレアアース(希土類)輸出管理措置をめぐる米中の応酬があります。
中国商務省「誤りを正し、同じ方向を向くべきだ」
中国商務省の報道官は今週、米中の通商問題に関する記者団の質問に答える形でコメントしました。
報道官は、米国側に対して次のような姿勢を示したとしています。
- 米側は自らの誤った行為をできるだけ早く是正すること
- 通商協議において誠意を示すこと
- 中国と同じ方向を向き、ともに問題解決に取り組むこと
これは、米国側が「中国が通話協議を延期した」と主張し、関係安定に向けた方法を探るべきだと示唆したことへの回答でもあります。
焦点はレアアース輸出管理
今回の発言の直接のきっかけとなっているのが、中国によるレアアースと関連品目の輸出管理措置です。米国側は、中国がこの措置をめぐる電話協議を延期したと主張し、懸念を示してきました。
これに対し、中国商務省の報道官は、レアアース輸出管理は中国政府が採用した正当な措置だと強調しています。その目的は、自国の輸出管理制度を法律や規則に基づいて改善することだと説明しました。
レアアースは、電気自動車用モーター、風力発電、スマートフォンなど、先端産業に不可欠な素材とされています。こうした資源の安定供給をめぐり、各国が神経をとがらせているなかで、中国の輸出管理は国際的な注目を集めています。
中国が強調する「正当な措置」の意味
中国商務省が「正当な措置」と位置づけるポイントは、主に次のように整理できます。
- 輸出管理の強化は、自国の法律・規則に基づく制度整備である
- 対象はレアアースおよび関連品目であり、輸出の完全な禁止ではなく管理の明確化・高度化と位置づけられている
- 国家安全保障や産業政策の観点から、輸出管理を行うことは各国に共通する政策手段の一つだという見方
中国側としては、今回の措置を通じて輸出管理ルールを明確にし、自国の制度を国際慣行に沿う形で整えるというメッセージを打ち出していると見ることができます。
米国が語る「安定」の必要性とのずれ
一方、米国側は、中国によるレアアース輸出管理が供給不安や市場の混乱につながる可能性を懸念し、「安定した状況を回復する道を探るべきだ」と主張しています。
米国は、中国が提案されていた電話協議を延期したと述べ、中国側により積極的な対話を求めてきました。これに対して中国商務省は、「誠意を示すべきなのは米国側であり、誤った行為を正した上で中国と同じ方向を向くべきだ」と応じています。
両者とも「対話」や「安定」の必要性を口にしながらも、その前提条件や責任の所在についての認識には大きなギャップがあることがうかがえます。
日本を含む世界のビジネスへの影響は
今回の米中の応酬は、中国と米国だけの問題にとどまりません。レアアースは、多くの国や地域の製造業・ハイテク産業にとって欠かせない素材だからです。
日本企業にとっても、次のような点が中長期的なリスクとして意識されつつあります。
- レアアースなど重要資源の調達先の偏り
- 米中関係の緊張が高まった場合のサプライチェーンの分断リスク
- 輸出管理や制裁措置の強化による事務負担やコンプライアンスコストの増加
米中の通商協議がどのような形で進むのかは、2025年の今もなお、世界経済と日本企業の戦略に大きな影響を与えうるテーマとなっています。
押さえておきたい3つのポイント
今回の中国商務省の発言をめぐる動きを、ニュースとして押さえるべきポイントは次の3つです。
- 中国商務省は、米国に対し「誤った行為の是正」と「誠意ある通商協議」を求めている。
- 米国は、中国がレアアース輸出管理をめぐる電話協議を延期したと主張し、関係の安定化を呼びかけている。
- 中国は、レアアース輸出管理を自国の法律と規則に基づく正当な制度整備だと位置づけており、ここでの対立は世界のサプライチェーンにも波及しうる。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う私たちにとっても、レアアースや輸出管理は一見遠いようで、身近な製品や仕事の環境に直結しうるテーマです。米中がどのように「誠意ある対話」を具体化していくのか、今後の動きに注目が集まります。
Reference(s):
China's commerce ministry urges US to show sincerity for trade talks
cgtn.com








