中国EV BYDがアルゼンチン進出 関税撤廃で広がる電気自動車市場 video poster
中国EV大手BYD、アルゼンチンで本格始動
中国の自動車メーカーBYDが、ラテンアメリカ第3の経済大国とされるアルゼンチンで電気自動車(EV)の販売を本格的に始めました。世界各地で事業を広げてきた同社にとって、南米の重要市場への進出は、2025年現在のEV競争の流れを象徴する動きといえます。
ブエノスアイレスからの報道によると、この新たな展開は現地でも注目を集めています。
経済混乱の中でEV関税を撤廃したアルゼンチン
アルゼンチンでは、経済の先行きが不透明な状況が続いています。それにもかかわらず、アルゼンチン政府は電気自動車とハイブリッド車にかかっていた関税を引き下げ、事実上撤廃しました。
これにより、BYDをはじめとする海外メーカーのEVやハイブリッド車が、従来よりも手が届きやすい価格でアルゼンチン市場に出回ることになります。関税の壁が低くなったことで、海外メーカーにとって同国への参入ハードルは明らかに下がりました。
なぜ今、アルゼンチンはEVを歓迎するのか
経済が不安定な国が輸入車への関税を下げるのは、一見するとリスクの高い選択にも見えます。それでもアルゼンチンがEVとハイブリッド車の関税を撤廃した背景には、次のような狙いがあるとみられます。
- EV関連の投資を呼び込み、新しい産業や雇用を育てたいという思惑
- 交通分野の脱炭素化を進めるための技術と選択肢を増やす狙い
- 消費者に多様な車種と価格帯を提供し、市場を活性化させる意図
関税の引き下げは、単なる「値下げ策」ではなく、エネルギー政策や産業政策の一部として位置付けられている可能性があります。
BYDの世界戦略にとっての意味
BYDは世界展開を進める中で、アルゼンチンのような新興市場でも存在感を高めつつあります。今回の進出は、同社のグローバル戦略にとって次のような意味を持つと考えられます。
- 成長余地の大きいラテンアメリカ市場でのブランド認知向上
- 各国政府のEV・ハイブリッド支援策を活用した販売網拡大のモデルケース
- 将来の生産・組立拠点設置など、さらなる展開への足がかりづくり
アルゼンチンでのBYDの動きが、周辺国にも影響を与え、ラテンアメリカ全体におけるEV普及のきっかけになる可能性もあります。
日本の読者が押さえておきたい3つの視点
中国のEVメーカーとアルゼンチン政府の動きは、日本から見ると遠い話のようでいて、世界の自動車産業やエネルギー政策を考えるうえで重要な示唆を含んでいます。国際ニュースとして、次の3点を押さえておくと、ニュースの見え方が変わってきます。
- EV競争の主戦場は「先進国」だけではない
ラテンアメリカのような新興市場でも、政策次第でEVの普及が一気に進む可能性があります。市場拡大の舞台は多極化しつつあります。 - 政策の一手がメーカーの戦略を動かす
関税の引き下げや補助制度といった政府の決定が、海外メーカーの参入や投資判断を大きく左右します。BYDのアルゼンチン進出は、その典型例といえます。 - エネルギーと産業はセットで語られる時代に
環境対策のためのEV普及が、新産業の育成や雇用創出と結びついて議論されるようになっています。アルゼンチンの決断も、その流れの中で理解することができます。
2025年の国際ニュースとして、BYDとアルゼンチンの動きは、「EVシフト」がどこまで世界に広がるのかを考えるうえで、覚えておきたい事例だといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








