トランプ政権の木材・家具関税、家具業界と米住宅市場に波紋
トランプ政権が2025年10月14日から輸入木材と家具に新たな関税を導入し、米国の家具業界と住宅市場に影響が広がりつつあります。2025年前半には木材・家具の輸入がすでに前年比3%減となっており、この関税強化が国際ニュースとして世界のサプライチェーンにどんな波紋を広げるのかが注目されています。
何が起きているのか:10月14日からの新ラウンド関税
米国は2025年10月14日から、輸入される木材および家具を対象に、新たなラウンドの関税措置を実施しています。いわゆるトランプ関税の一環として位置づけられるこの措置は、すでに存在していた貿易摩擦にさらに負担を上乗せする動きです。
対象となるのは、住宅建設用の木材や、完成品・半製品の家具など、広い範囲の木材関連製品です。2025年12月現在、この新関税は発動からおよそ2か月が経過しており、企業や消費者の行動にじわじわと影響を与え始めています。
すでに数字に表れる変化:輸入は3%減
公表されているデータによると、2025年上半期(1〜6月)に米国が輸入した木材と家具は、前年同期比で3%減少しました。新たな関税が実施される前の段階で、すでに輸入量が落ち込んでいたことになります。
背景には、関税方針の先行き不透明感や、コスト上昇を見込んだ企業による発注抑制など、複数の要因が重なっている可能性があります。今回の関税導入は、こうした流れにさらにブレーキをかける方向に働くとみられます。
家具業界への影響:コスト上昇と価格転嫁のジレンマ
輸入木材と家具に対する関税が上乗せされることで、米国内の家具メーカーや小売業者は、次のような圧力に直面します。
- 輸入品の仕入れ価格が上昇し、利益率が圧迫される
- 価格転嫁を進めれば、消費者価格が上昇し需要減につながるリスク
- 国内調達への切り替えを急ぐ必要から、サプライチェーンの再構築コストが増大
短期的には、在庫として抱えている旧価格の製品でしのぎつつ、どの程度価格を引き上げるかという難しい判断が迫られます。中長期的には、仕入れ先の分散や、生産拠点の見直しなど、ビジネスモデルそのものの再設計が求められる可能性があります。
米住宅市場に波及:木造中心の構造に直撃
木材関税の影響は、家具だけでなく、米国の住宅市場にも及びます。米国の住宅建設は木材を多く使用する木造建築が中心であり、建築用材の価格変動は住宅価格や着工件数に直結しやすい構造です。
建設会社や住宅メーカーにとって、木材価格の上昇は次のような形で影響をもたらします。
- 新築住宅の建設コスト増加
- リフォーム・リノベーション費用の上昇
- 採算悪化を避けるための着工見送りや規模縮小
若い世代の住宅取得に追い打ち
住宅価格が押し上げられれば、住宅ローン負担は重くなり、初めて住宅を購入しようとする若い世代にとっては、マイホーム取得のハードルがさらに高まります。すでに高止まりしている地域の家賃や住宅価格に、木材関税が追加の圧力として働く構図です。
2025年12月時点では、関税導入からの期間がまだ短いため、統計として明確な影響が表れるのはこれからですが、市場関係者は木材価格の動きと住宅着工の動向を注意深く見守っています。
グローバルなサプライチェーンと日本への示唆
木材や家具の貿易は、多くの国や地域が関わるグローバルなサプライチェーンの一部です。米国の関税強化は、米国と直接取引をしている企業だけでなく、間接的に関わる企業にも影響を及ぼす可能性があります。
日本の企業にとっても、次のような点は無関係ではありません。
- 米国向けに家具や木材関連製品を供給しているメーカーや商社への影響
- 世界的な木材価格の変動が、日本国内の建設コストや家具価格に波及する可能性
- 為替動向と合わせた、輸出・輸入ビジネスの採算性の変化
グローバル志向の読者にとっては、米国の関税政策が自国経済や日常生活にどう反映されうるのかを考える入り口にもなります。
企業と個人が押さえておきたいポイント
今後しばらく注目したいポイントを、整理しておきます。
- 米国の木材価格と住宅価格の推移
- 米家具大手や小売チェーンの決算・値付け方針の変化
- 代替素材や新しい建築工法へのシフトが進むかどうか
- 関税措置が追加・拡大されるのか、それとも見直されるのかという政策動向
これからの論点:関税の「長期戦」に備える
トランプ政権による木材・家具への関税は、単なる一時的なコスト増にとどまらず、企業の投資判断や消費者の購買行動に長期的な影響を与える可能性があります。関税が長く続けば続くほど、企業はサプライチェーンの再編や価格戦略の見直しを迫られます。
2025年12月現在、この関税がどの程度の期間続くのか、また対象品目が広がるのかは不透明です。ただ、国際ニュースとして見たとき、関税をめぐる動きは今後も世界経済と私たちの日常の両方に影響しうるテーマであり続けます。
通勤時間やスキマ時間にニュースをチェックする読者にとっても、このような関税の動きは、家具の価格や住宅取得の環境といった身近なテーマにつながる話です。数字だけでなく、その裏側にある構造や影響の広がりを追っていくことが、これからの国際ニュースの読み方として重要になっていきます。
Reference(s):
Trump tariffs on timber and furniture hit furniture industry
cgtn.com








