米中大豆摩擦が激化 関税20%で米国農家と南米に揺れる市場 video poster
米中大豆摩擦、関税の応酬が長期戦に
米国と中国の大豆をめぐる貿易摩擦が、2025年末にかけて緊張を増しています。関税の応酬により、米国産大豆の最大の買い手だった中国向け輸出が急減し、国際ニュースとしても農業と貿易の行方が注目されています。
関税の応酬、米国産大豆に20%の追加関税
発端となったのは、トランプ米大統領による対中関税です。これに対し中国側は報復措置として、米国産大豆に対する関税を20%に引き上げました。大豆は家畜の飼料や食用油の原料として需要が大きく、米中関係の緊張が直接農業市場に波及した形です。
2024年は輸出の半分近くを中国が購入
昨年2024年、中国は米国産大豆輸出の49%を購入し、その額は126億ドル(米国勢調査局と農務省のデータ)に達しました。米国の大豆農家にとって、中国はまさに「最大かつ不可欠な顧客」だったと言えます。
2025年、対中輸出は39%減少
しかし2025年に入ると状況は一変しました。最新の政府データによると、2025年1月から7月までの米国の対中国大豆輸出量は、前年同期比で39%減少しました。さらに、2025年秋には、中国の輸入業者が米国産大豆を一切購入しない年になるとの見通しも示されており、この20年で前例のない落ち込みとなっています。
「市場を失えば、新たな市場を一から作らないといけない」
米メリーランド州コルドバで大豆を栽培するトラビス・ハッチソンさんは、不安な胸の内をこう語ります。
中国は大豆輸出にとって最大の顧客だったので、その市場を失えば、新たな販路を一から開拓しなければなりません。既にある市場を維持する方が、新しい需要を作り出すよりはるかに簡単です。だからこそ、これからも中国と取引を続けたいのです。
ハッチソンさんは、農業は「長期戦」であり、短期的な価格変動や政治情勢に振り回されない安定した関係が重要だと強調します。
トランプ政権は関税収入で農家支援を約束
こうした打撃を和らげるため、トランプ大統領は関税収入を活用して米国農家を支援する方針を示しています。具体的な支援策の内容や規模は今後の焦点ですが、農家にとっては「いつまで続くのか」という時間との闘いでもあります。
中国は南米に調達先をシフト
一方、中国は大豆の主要な調達先を南米に広げています。2025年1月から8月にかけて、世界最大の大豆輸出国であるブラジルは、過去最高となる約25億ブッシェルの大豆を輸出し、そのうち76%が中国向けでした。
アルゼンチンも中国ビジネスの獲得に素早く動きました。2025年9月には、自国の大豆輸出税を一時的に停止し、価格競争力を高める措置を取っています。こうした動きにより、中国の大豆調達は米国依存から南米重視へとシフトしつつあります。
長期的な貿易関係は維持できるか
米国の大豆農家にとって、今回の貿易摩擦は、長年築いてきた中国との取引関係が揺らぐリスクを意味します。それでもハッチソンさんは、最終的には双方にとって納得のいく形で貿易摩擦が解消され、再び長期的なパートナーとして安定した取引が続くことを望んでいます。
米中の大豆貿易をめぐる対立は、単なる農産物の価格問題にとどまらず、サプライチェーン(供給網)の再編や、各国の農業政策にも影響を与えかねません。2025年末の今、国際ニュースとしての注目度は高まる一方で、現場の農家は静かに次の種まきの準備を続けています。
Reference(s):
cgtn.com








