中国商務相とアップルCEOティム・クック会談 米中経済関係と中国事業を協議
中国商務相の王文涛(ワン・ウェンタオ)氏と米アップルのティム・クックCEOが北京で会談し、米中の経済・通商関係や中国でのアップルの事業展開について意見を交わしました。米中関係の緊張が続く中での会談は、グローバル企業と両国政府の思惑が交差する場となりました。
北京での会談の概要
王商務相とクック氏の会談は、木曜日に北京で行われ、中国商務省が会談内容を発表しました。両者は、米中の経済・貿易関係の現状と、アップルの中国でのビジネスの今後について協議したとされています。
中国側は、アップルを含む海外企業にとって、中国市場が引き続き重要な投資・生産拠点であることを強調しつつ、安定したビジネス環境の必要性を訴えました。一方でアップル側は、中国との関係をさらに深める意向を示しました。
「雰囲気を損なう措置」と米国への懸念
王商務相によると、今年5月以降、米中の経済・通商チームは、両国の経済・貿易関係を安定させるために4回の協議を行ってきました。9月にマドリードで協議を行った後も対話は続いていましたが、その後、米国側が中国を対象とした新たな制限措置を相次いで打ち出したと指摘しました。
王氏は、こうした措置が「中国の利益を深刻に損ない、二国間の経済・貿易対話の雰囲気を損なっている」と懸念を表明しました。その上で、中国としては、米国が対等な対話と協議を通じて課題の解決に取り組み、両国企業にとってより安定的で予測可能な環境を整えることを期待すると述べました。
中国の「高水準の対外開放」とアップルの姿勢
王商務相は、中国政府が今後も「高水準の対外開放」を着実に進め、ビジネス環境の継続的な改善に取り組む方針を強調しました。海外企業が中国の発展の機会を共有できるようにすることが狙いだとしています。
そのうえで王氏は、アップルに対し、中国との協力を一段と深め、中国での投資を拡大することを歓迎する姿勢を示しました。これは、グローバル企業との連携を通じて、経済成長とイノベーションを促したいという中国側の思いを反映したものといえます。
これに対しクック氏は、アップルが今後も中国での関与を深め、中国の「質の高い発展」に積極的に参加していく考えを示しました。また、健全な米中の経済・貿易関係は、両国だけでなく世界経済の安定と発展にとっても極めて重要だと述べ、アップルとしても「ウィンウィンの協力」を促進するため前向きな役割を果たす用意があると強調しました。
米中経済関係とグローバル企業への示唆
今回の会談は、政府間の緊張と、企業レベルでの実務的な協力が同時進行している現在の米中関係を象徴しているといえます。対話の一方で制限措置も進むという複雑な状況の中で、グローバル企業は長期的な視点から事業戦略を見直さざるを得ません。
日本の読者が注目したいポイント
- 米中の経済・通商対話が続く中で、新たな制限措置がどの程度ビジネス環境に影響するのか
- アップルのようなグローバル企業が、中国での投資やサプライチェーンをどのように位置づけ直していくのか
- 中国が掲げる「高水準の対外開放」やビジネス環境改善の動きが、海外企業の戦略にどのような変化をもたらすのか
米中経済関係の行方は、日本企業や日本の消費者にとっても無関係ではありません。スマートフォンやデジタルサービスを日常的に利用する私たちにとって、今回のような会談が、製品の価格や供給、サービスのあり方にも間接的な影響を持ちうることを意識しておきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








