中国金融市場で成功する鍵はローカライゼーション BNPパリバJV CEOが語る video poster
中国の金融セクターが一段と開放を進める中、海外の金融機関が中国市場で存在感を高めています。最近、上海で開かれた資産運用フォーラムでは、BNPパリバと中国農業銀行の合弁会社のCEO、アレクサンドル・ヴェルノ氏が、中国金融市場の進展と「ローカライゼーション(現地適応)」の重要性について語りました。
中国金融セクターの開放がもたらすチャンス
2025年現在、中国の金融セクターは段階的な対外開放を続けており、海外の金融機関が参入しやすい環境が整いつつあります。資産運用や銀行業務などの分野で、海外のプレーヤーが実際に成果を上げる事例も増えています。
こうした流れの中で問われるのが、「グローバルに培った経験や仕組みを、いかに中国市場に合わせて生かすか」という視点です。単に新しいプレーヤーが増えるだけでなく、金融サービスの質や選択肢が多様化していくことは、中国の投資家にとってもプラスに働きます。
上海フォーラムで交わされた対話
上海で行われた資産運用フォーラムでは、CGTNの王天雨記者が、BNPパリバと中国農業銀行の合弁会社のCEOであるアレクサンドル・ヴェルノ氏にインタビューしました。ヴェルノ氏は、中国金融市場のこれまでの進展を振り返りつつ、今後さらに成長していくうえでの課題や期待について語りました。
インタビューの大きなテーマの一つが、「グローバルなプラクティス(業務慣行)を、そのまま持ち込むのではなく、現地の実情に合わせて柔軟に適応させることが不可欠だ」という点です。つまり、成功の鍵はローカライゼーションにあるというメッセージです。
成功の鍵となるローカライゼーションとは
「グローバル標準」と「現地の現実」をつなぐ
ヴェルノ氏が強調した「現地の実情への適応」とは、単なる言語や表示の翻訳ではなく、制度や文化、投資家の行動パターンを踏まえてビジネスモデルそのものを調整することを意味します。中国市場で資産運用ビジネスを展開する際には、例えば次のような点が重視されます。
- 商品設計を、中国の投資家のニーズやリスク許容度に合わせて調整すること
- 現地の規制やルールを踏まえたうえで、リスク管理やコンプライアンス体制を構築すること
- デジタルチャネルやモバイルアプリなど、中国の投資家が慣れ親しんだサービス環境に合わせて顧客体験を設計すること
グローバルな金融機関にとって、自社の強みである国際的なノウハウを保ちつつ、こうしたローカルな要素を丁寧に取り込んでいくことが、持続的な成長につながります。
合弁モデルが持つ意味
BNPパリバと中国農業銀行のような合弁モデルは、グローバルな経験と現地の知見を組み合わせやすい枠組みといえます。海外の視点と中国市場の実情をよく知る視点を重ね合わせることで、ローカライゼーションを進めやすくなるからです。
ヴェルノ氏のように、両者の間に立つ経営者にとっては、「どこまでグローバルの方法を適用し、どこからローカルのやり方に合わせるか」というバランス感覚が問われます。このバランスを取ることこそが、中国金融市場での成功を左右するといえます。
進化を続ける中国金融市場を見る視点
インタビューでは、中国の金融市場がここまでどのように発展してきたか、そして今後どのような方向性が期待されるのかという点についても意見が交わされました。市場参加者の多様化や、資産運用のニーズの高度化など、変化のスピードは速くなっています。
海外の金融機関にとっては、こうした変化を「リスク」と見るか「チャンス」と見るかで戦略が大きく変わります。ローカライゼーションを前提にしながら、現地のパートナーと協力し、長期的な視点で市場に向き合う姿勢が重要だといえるでしょう。
日本の投資家・企業への示唆
今回の対話は、日本の金融機関や資産運用会社にとっても示唆に富んでいます。中国市場だけでなく、海外でビジネスを展開する際には、次のような視点が共通して求められるからです。
- 自社の強みである「グローバル標準」を押し付けるのではなく、現地の制度や慣行に合わせて柔軟に設計し直すこと
- 現地のパートナーや人材と協力し、文化や価値観への理解を深めること
- 短期の結果だけでなく、中長期的な関係構築や市場の成長を見据えた戦略を持つこと
中国金融市場の動向を追うことは、日本の投資家にとっても、グローバルな視野で自らのビジネスや投資スタイルを見直すきっかけになります。
まとめ:ローカライゼーションはコストではなく戦略
中国の金融市場が開放を続け、海外の金融機関が成功例を積み重ねつつある今、ローカライゼーションは「余分なコスト」ではなく「不可欠な戦略」として位置づけられつつあります。上海のフォーラムで語られた、グローバルなプラクティスを現地の現実に合わせていくという発想は、これから国際ビジネスに挑む多くの企業に共通するテーマでもあります。
2025年の今、中国市場をどう見るか、どのように向き合うかは、日本を含む各国のプレーヤーにとって重要な問いです。ヴェルノ氏の視点は、その問いに向き合ううえで、一つの参考になると言えるでしょう。
Reference(s):
CEO of BNP Paribas JV: Localization is key to success in China
cgtn.com








